心室細動

監修医師白石 達也東日本橋内科クリニック 内科

更新日
2024/04/16
公開日
2022/02/15

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心室細動とは

不整脈の一種で、心臓を機能不全に陥れる致死性の不整脈です。発症した場合は脈拍を触れなくなります。

「心室細動」とはどのような病気ですか?

心臓の電気の流れが乱れ、心臓が小刻みに震え、血液を全身に送れなくなる危険な不整脈です

心臓の電気の流れが乱れ、心臓が小刻みに震え、血液を全身に送れなくなる危険な不整脈です。

心臓には4つの部屋があり、上の部屋は左心房と右心房、下の部屋を左心室と右心室と呼ばれます。それぞれの部屋は、電気刺激によって連動して動いており、効率的に全身に血液を送るポンプとしての機能を果たしています。

心室細動は、心臓の「ポンプ」としての役割を担う中心である心室の電気的な活動が異常をきたし、心室の筋肉が小刻みに震える状態となってしまい、血液を効果的に送り出すことができなくなります。

発症すると脳や全身に血液が供給されなくなり、数秒から数十秒以内に意識を失います。適切な治療が速やかに行われないと、心臓は完全に停止し、突然死に至る非常に危険な不整脈です。

さらに詳しく:「心室細動」とはどのような病気ですか?監修医師小鷹 悠二おだかクリニック 循環器内科
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心室細動の症状

心室細動には初期症状はありますか?

明確な初期症状はまれですが、動悸、めまいなどが前兆となることがあります。

突然の意識消失や、心停止で出現することが多いため、明確な初期症状を自覚する機会はまれです。しかし、まったく前兆がないわけではありません。

  • 胸痛:心室細動の原因が、心筋梗塞などの心臓の血流障害の場合、発症する前に胸痛を自覚することもあります。
  • 動悸・めまい:別の不整脈が先行して出現し、心室細動に移行する前には、動悸や短時間のめまいを感じる人もいます。

これらの症状は非常に短時間で進行し、すぐに意識を失うことがほとんどです。そのため、これらのサインを認識して行動を起こすことは困難です。

もし、胸痛や動悸などの症状を繰り返し自覚している場合は、心臓の問題が隠れている可能性があるため、早めに専門医の診察を受けることが重要です。

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心室細動ではどのような症状がありますか?

動悸、めまい、失神などが起こり、心停止に至ります。

動悸、めまい、失神などが起こり、心停止に至ります。心室細動の症状は、心臓が全身に血液を送り出せなくなるため、急に出現し、重篤な状態になります。

  • 動悸:心臓が非常に速く不規則に動き、小刻みに震えるため、激しい動悸を自覚することがあります。その後、失神や心停止に至ります。
  • めまい・眼前暗黒感:脳への血流が急激に低下するため、視界が真っ暗になったり、めまいが出現することがあります。その後、失神や心停止に至ります。
  • 失神(意識消失):脳への血液供給が数秒以内に途絶えるため、多くの場合、患者さん自身が症状を認識する間もなく、突然意識を失い、倒れてしまいます。
  • けいれん:意識消失後、脳の酸素不足により、手足がけいれんすることがあります。
  • 心停止:上記のような症状に続いて出現する場合や、突然の心停止を引き起こし、突然死を起こすこともあります。

これらの症状は極めて緊急性が高く、一刻も早い救命処置が必要です。

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心室細動の原因

心室細動の原因はストレスですか?

直接の原因となることはまれですが、過度なストレスや感情的な興奮、交感神経の緊張が心室細動を誘発する引き金となる可能性はあります

ストレスが直接的に心室細動の主要な原因となることはまれですが、間接的に心室細動の発生を誘発する可能性はあります。

  • 自律神経の関与:過度なストレスや精神的負担は、心臓の調律をコントロールする「自律神経」のバランスを乱し、特に「交感神経」を強く緊張させることがあります。
  • 不整脈の誘発:特定の種類の不整脈、例えばカテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)や一部のQT延長症候群では、運動や強い感情的な興奮など、交感神経が緊張するようなストレス状況下で、心室細動やそれに先行する危険な不整脈が引き起こされることが知られています。

心臓に基礎となる病気がない人が、ストレスだけで心室細動を発症することは非常に考えにくいです。しかし、すでに心臓に問題がある場合や、不整脈の病歴がある場合には、ストレスが不整脈の頻度を増やしたり、症状を悪化させたりする要因となる可能性があります。そのため、心臓の健康を保つうえでは、ストレス管理も重要な要素となります。

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心室細動の原因は何がありますか?

心臓の血流障害や他の心臓病、遺伝子の異常など、さまざまな原因で起こることがあります。

心臓の病気や遺伝子の異常など、さまざまな原因で起こることがあります。心室細動の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

心臓の病気

  • 虚血性心疾患:心臓の血液の流れが障害を受け、心臓の組織が酸素不足になる状態。その中でも急性心筋梗塞が心室細動を引き起こす最も多い原因のひとつです。
  • 心筋症:心臓の筋肉自体に異常がある病気(肥大型心筋症や拡張型心筋症など)。

遺伝子の異常

  • QT延長症候群(LQTS):心臓の電気的な再分極という現象に異常をきたし、危険な不整脈を引き起こす遺伝性の病気です。
  • ブルガダ症候群:心臓のナトリウムチャネルという部分の遺伝子に変異があり、特徴的な心電図の波形を示し、心室細動を起こしやすくなります。
  • カテコラミン誘発多形性心室頻拍:運動やストレスなど、体が興奮する状況で心室細動が誘発されやすい遺伝性の病気です。これは心臓のカルシウムの動きに関わる遺伝子の異常が原因となることがあります。

その他の要因

  • 特定の心室期外収縮:心臓に問題がない場合でも、心室期外収縮(心臓が本来のリズムより早く収縮する現象)が、心室細動の「引き金」となることがあります。
  • 電解質の異常:体内のカリウムやマグネシウムなどの電解質バランスが崩れると、心臓の電気的な安定性が損なわれ、心室細動のリスクが高まることがあります。
  • 薬物や毒物:異常な神経の興奮を引き起こしたり、心臓に過度の負担をかけることで、危険な不整脈が引き起こされることがあります。
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心室細動の検査・診断

心室細動のセルフチェックはできますか?

心室細動は突発的な意識消失を伴うため、自分でその発作を認識してセルフチェックを行うことはできません

心室細動は、発作が起こると数秒以内に意識を失ってしまうため、患者さん自身がその症状を認識してセルフチェックを行うことは、残念ながら事実上不可能です。しかし、不整脈全般の早期発見のために、日頃から脈拍を自分で確認する習慣を持つことは有用です。

  • 脈拍の確認:手首や首の動脈に指を当てて、脈拍の速さやリズム(規則的か不規則か)を確認します。もし脈が普段と比べて極端に速い、遅い、または非常に不規則であると感じたら、不整脈の可能性があります。

脈拍の自己チェックは、心室細動の前駆症状である心室頻拍や、他の種類の不整脈を発見するきっかけとなる可能性はありますが、心室細動そのものをセルフチェックすることはできません。定期的な健康診断や医師による専門的な検査が、心室細動のリスク評価や早期発見には不可欠です。

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心室細動の治療・対処法

心室細動への対処法は?

発症した場合は心肺蘇生が必要です。併せて不整脈の解除のために電気ショック(除細動、AED)や抗不整脈薬での治療を行います。

心室細動の場合、主にどのような治療をしますか?

原因疾患の治療、電気ショック(除細動)や薬物治療、カテーテルアブレーション、植え込み型除細動器(ICD)の植え込みなどが行われます。

原因疾患の治療、電気ショック(除細動)や薬物治療、カテーテルアブレーション、植え込み型除細動器(ICD)の植え込みなどが行われます。

心室細動は、緊急性の高い致死性不整脈であるため、発症時には一刻も早い治療が求められます。

電気的除細動(DCショック)

心室細動が発生した際の最も効果的で、命を救うための緊急治療です。心臓に電気ショックを与えることで、心臓の不規則な電気活動を停止させ、正常なリズムに戻すことを目指します。
病院の外で心室細動が起こった場合は、一般市民も使える自動体外式除細動器(AED)の使用が非常に重要です。AEDを迅速に使用することが、生存率を大きく高めます。

植込み型除細動器(ICD)

心室細動を一度起こした方や、将来的に心室細動を起こすリスクが高いと判断された方には、ICDという小さな医療機器を体内に植え込みます。
ICDは、心室細動のような致死性不整脈が発生した際に、自動的に電気ショックを与えて心臓の動きを正常に戻し、心臓突然死を予防するための「最も確実な治療法」とされています。

薬物治療

心室細動そのものを停止させたり、再発を予防したりするために、不整脈を抑える薬剤である抗不整脈薬が用いられることがあります。
これは電気的除細動ができない場合や、その後の補助的な治療として行われます。

カテーテルアブレーション

心室細動の引き金となる特定の異常な電気活動(心室期外収縮など)の発生源や、不整脈の回路を特定し、カテーテルを用いてその部位を焼灼する(焼き切る)治療法です。
特に、薬物治療で効果が不十分な場合や、ICDが頻繁に作動する場合に検討されます。
これらの治療は、患者さんの心臓の状態や心室細動の原因を詳しく評価したうえで、専門医が適切に判断し、選択されます。

原因疾患の治療

心筋梗塞や心筋症など、特定の病気が心室細動の原因となっていることが多いため、原因疾患がある場合にはそれに対する治療が行われます。

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受診の目安・何科を受診するべきか

心室細動が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

意識消失や失神があった場合は、ただちに救急車を呼び、緊急で治療を受ける必要があります。

意識消失や失神があった場合は、ただちに救急車を呼び、緊急で治療を受ける必要があります。

心室細動が疑われる場合の最も重要な受診の目安は、意識を失う症状です。心室細動は心臓が血液を送り出せなくなるため、発症すると数秒以内に脳への血流が途絶え、意識を失って倒れてしまいます。

  • 意識消失や失神があった場合:極めて危険な状態であり、すぐに救急車を呼んでください。意識がない、呼吸や心臓が止まっている状態では迅速な救急対応(心臓マッサージやAEDによる電気的除細動)が、患者さんの命を救うために最も重要です。
  • 心室細動の前兆かもしれない症状を感じた場合:激しい動悸、めまい、眼前暗黒感、失神など、心臓の不調を示す症状が急に現れたり、繰り返し起こったりする場合は、心室細動につながる可能性のある他の不整脈が隠れていることも考えられます。このような場合は、速やかに循環器内科を受診し、検査を受けることをおすすめします。
  • 健康診断での心電図異常の指摘や、家族歴がある場合:自覚症状がまったくなくても、健康診断で心電図に異常を指摘されたり、ご家族に心臓突然死の既往がある場合は、予防的な観点から一度、循環器内科の専門医に相談することを検討しましょう。


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心室細動が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

循環器内科の受診が必要ですが、心室細動発症時は救急搬送されることが多いため、自分で選ぶことは基本的にないでしょう。

心臓の専門家である「循環器内科」の受診が必要です。

しかし、基本的に心室細動を起こすと心臓が止まった状態である心停止状態となるため、救急搬送されるような状態となっていることが大半であり、自分で受診先を選ぶことは基本的にはありません。救急隊が心停止患者さんの対応が可能な救急病院へ搬送を行います。

もし、身近な人が突然意識を失って倒れるような緊急性の高い状況であれば、ただちに救急車を呼び、早急に治療を受ける必要があります。

また、これまでなかったような動悸や胸痛などの症状を自覚する際には、早期に循環器内科を受診することが推奨されます。

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心室細動の専門医がいる近くの病院はありますか?

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心室細動の薬

心室細動は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

抗不整脈薬が使用され、甲状腺や肺、肝障害などの副作用が報告されています。

心室細動の治療には主に抗不整脈薬が使われます。代表的な薬はアミオダロンです。

心室細動の治療に用いられる主な薬物としては、以下のものが挙げられます。

アミオダロン

心室細動の停止や予防に用いられる「III群」という分類の抗不整脈薬です。特に器質的心疾患を持つ患者さんにも、比較的使いやすいとされています。

  • 副作用:甲状腺機能障害(機能亢進症、低下症)、肺合併症(間質性肺炎など。約3%に認められ、死亡率は5~10%とされます)、肝障害、眼の合併症、皮膚炎(光線過敏症)など、多岐にわたる全身への副作用が報告されています。これらの副作用は、投与開始後数日で現れることもあれば、長期投与後に現れることもあります。

リドカイン

主に心室細動の急性期治療で使用される「I群」という分類の抗不整脈薬です。

  • 副作用:脈がゆっくりになりすぎる、他の不整脈を起こしやすくすることがあります。

ニフェカラント

これも心室細動の急性期治療に用いられる抗不整脈薬です。

  • 副作用:脈がゆっくりになりすぎる、他の不整脈を起こしやすくすることがあります。

プロカインアミド

一部の心室細動に用いられる「I群」の抗不整脈薬です。

  • 副作用:脈がゆっくりになりすぎる、他の不整脈を起こしやすくすることがあります。

アドレナリン

心肺蘇生中に用いられます。

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対処法・セルフケア

心室細動の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

生活習慣の注意、特定の薬剤を避けること、激しい運動や接触の多いスポーツの制限、一部の電磁機器の使用制限、自動車運転の制限などがあります。

生活習慣の注意、特定の薬剤を避ける、激しい運動や接触の多いスポーツの制限、一部の電磁機器の使用制限、自動車運転の制限などがあります。

心室細動と診断された方が日常生活で気をつけるべき点は、心室細動の原因や、植え込み型除細動器(ICD)を装着しているか否かによって異なります。

1. ICDを装着している場合の共通の注意点

電磁干渉への注意

医療機関を受診する際は、MRI検査は原則として禁忌です(条件付きMRI対応デバイスを除く)。その他、X線CT、放射線治療器、マイクロ波ジアテルミー、体外砕石装置、低周波治療器、特定の歯科治療器なども注意が必要です。必ず事前に医師にICDを装着していることを伝えてください。
そのほか、IH調理器具や電気自動車の急速充電器は、電磁波を発生させるためICDに干渉する可能性があります。使用を避けるか、十分な距離を保つようにしてください。体に電流を流すようなマッサージ等の処置は受けることができません。

身体への衝撃

デバイス本体やリードに直接衝撃が加わる可能性のある球技(ドッジボール、バスケットボール、サッカー、ラグビーなど)や、格闘技(ボクシング、柔道など)は避けるべきです。
リードが過度に伸びる(過伸展する)可能性があるテニスや水泳なども、注意が必要です。

自動車運転

ICDを装着している場合、意識消失を伴う不整脈の発作が起こる可能性があるため、運転免許の取得や更新、自動車の運転が制限される場合があります。特に大型車両や旅客を輸送する第二種免許の取得は認められていません。自家用車の運転についても医師とよく相談し、指示に従ってください。

心理的側面

ICDの作動に対する不安や、日常生活への影響による精神的なストレスを感じることがあります。必要に応じて、医療スタッフやカウンセリングの専門家に相談することも大切です。

2. 心室細動の原因となる特定の遺伝性不整脈の場合

ブルガダ症候群

発熱、過度の飲酒、脱水、特定の薬剤の服用が不整脈を誘発する可能性があるため、これらを避けるように注意が必要です。

QT延長症候群やカテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)

激しい運動や感情的な興奮、交感神経を強く緊張させる活動(例:水泳)は、不整脈を誘発する可能性があるため、避けるべきとされています。

日常生活においては、担当医の指示を厳守し、不明な点や不安なことがあれば、必ず医療スタッフに相談することが重要です。

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心室細動で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

薬物治療が効かない場合には、カテーテルアブレーションが有力な治療手段となります。

薬物治療が効かない場合には、カテーテルアブレーションが有力な治療手段となります。

心室細動に対して薬物治療が十分に効果を示さない場合や、体内に植え込まれた植え込み型除細動器(ICD)が頻繁に作動してしまう場合には、薬以外の治療法が検討されます。

カテーテルアブレーション

心室細動の「引き金」となっている異常な電気信号の発生源や、不整脈の回路を特定し、カテーテルという細い管を血管から心臓に挿入して、その部位を焼灼する(焼き切る)治療法です。
近年、心臓の電気的な地図を作成する三次元マッピングシステムや、より効率的に焼灼できるイリゲーションカテーテルなどの技術が進歩したことで、治療の成功率は大幅に向上しています。特に、頻繁にICDが作動するような難治性の心室細動に対して、心室細動の発生自体を抑制する有効な手段となりえます。

ICDのプログラミング変更

ICDが不必要に作動する「不適切作動」や、頻繁に作動する「頻回作動」の場合には、デバイスの設定を細かく調整することで、作動回数を減らす工夫が行われることがあります。

これらの治療は、患者さんの心臓の状態や心室細動の具体的な原因を詳しく評価したうえで、専門医が適切に判断し、患者さんとよく相談して選択されます。

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心室細動に関連するその他の質問

心室細動の致死率はどのくらいですか?

心室細動は治療が遅れると、心臓突然死に直結する致死性の高い不整脈であり、無治療であればほぼ確実に死亡します。

心室細動は、治療が遅れると心臓突然死に直結する致死性の高い不整脈であり、無治療であればほぼ確実に死亡します。

心室細動は、心臓のポンプ機能が完全に失われる状態であり、発症すれば数分以内に死に至る可能性のある、極めて致死率の高い不整脈です。

  • 心臓突然死への直結:心室細動が発生すると、脳や全身への血液供給が途絶えるため、迅速な対応がなければ心停止から死に至ります。日本における年間約13万人の突然死のうち、約7万人が心臓突然死と推定されており、心室細動はその主要な原因のひとつです。
  • 治療の遅れと予後:心室細動は、発症から電気的除細動(電気ショック)までの時間が短いほど救命率が高まります。治療が遅れるほど、救命できる可能性は著しく低下します。例えば、病院の外で発生した場合、目撃者がいてすぐに心肺蘇生やAEDによる電気ショックが行われた場合と、そうでない場合とでは、生存率が大きく異なることが知られています。
  • 植込み型除細動器(ICD)の役割:心室細動のリスクが高い患者さんにはICDが植え込まれますが、ICDが作動して電気ショックを与えられても、その後の予後が悪化することが報告されており、心室細動の発生自体をいかに防ぐか、そして発作が起きた際に、いかに迅速に対処するかが、患者さんの命と予後を守るうえで極めて重要です。

このように、心室細動は発症すれば致死率が非常に高い危険な不整脈であり、早期の診断と適切な治療、そして緊急時の迅速な対応が不可欠となります。具体的な致死率の数値は病状、救命処置までの時間で大きく異なるため、一概に述べることはできませんが、無治療ではほぼ確実に死に至ります。

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心室細動はどんなときに起こるのですか?

心臓の血流障害や、運動、大きな感情変化、発熱、過度の飲酒、特定の薬剤などによって引き起こされることがあります。

心臓の血流障害や、運動、大きな感情変化、発熱、過度の飲酒、特定の薬剤などによって引き起こされることがあります。心室細動が起こる要因は、その根本的な原因となる病気の種類によって異なります。

主な原因は、以下のようなものがあります。

心筋の血流障害

最も多くみられるのは、心臓の血管が急に詰まって心筋に十分な血液が届かなくなる状態(急性心筋梗塞など)です。このときに心室細動が発症することが非常に多いです。

遺伝性不整脈の場合

  • QT延長症候群(LQTS):この病気では、遺伝子の型によって心室細動が誘発される状況が異なります。例えば、LQT1型では、激しい運動や強い感情的な興奮時に心室細動が起こりやすいとされます。一方、LQT2型では、心拍数が遅いとき(徐脈時)に心室細動が起こりやすい特徴があります。特定の薬剤の服用も引き金となります。
  • カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT):運動中や、強いストレスがかかるなどして体が興奮する状況(交感神経が緊張する状況)で、心室細動やそれに先行する不整脈が誘発されやすいことが知られています。
  • ブルガダ症候群:夜間の睡眠中など、安静時に起こることが多いとされています。また、発熱、過度の飲酒、脱水、特定の薬剤の服用なども、心室細動を引き起こす誘因となることがあります。

その他の要因

  • 薬剤性QT延長症候群:特定の薬物を服用している際に、その薬の血中濃度が高すぎたり、電解質異常(カリウムやマグネシウムの不足)が合併したりすると、心室細動につながることがあります。
  • 心不全や心房細動が停止して正常な心拍に戻る際なども、心室細動の増悪因子となる可能性があります。


このように、心室細動は心臓に大きな負担がかかるときや、心臓の電気的な安定性が崩れる特定の状況で発生しやすいと言えます。

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心室細動の前兆はありますか?

前兆が出現することは少ないですが、動悸、めまいなどが出現することがあります。

心室細動は発作が起こると数秒で意識を失うことが多いため、前兆が生じることは少ないです。しかし、まったく前兆がないわけではありません。

  • 不整脈の自覚:心室細動に移行する「前段階」として、別の種類の不整脈が先行して起こることがあります。その不整脈の症状として、動悸、めまい、意識が遠のくといった症状を引き起こすことがあります。

これらの症状は、心室細動が切迫しているサインである可能性はありますが、発作の進行が非常に速いため、症状を認識してすぐに対処することは困難です。

もし、このような症状を繰り返し経験している場合は、潜在的な心臓の問題が隠れている可能性があるため、精密検査を受け、原因となる不整脈がないか確認することが重要です。

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心室細動について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「心室細動」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 意識を一時失いましたか?
  • 呼びかけに応じず、指示にも従わない状態ですか?
  • つねる、叩くなどの強い刺激を与えても痛がらないですか?
  • 無表情で眉(まゆ)も動かさない状態ですか?
  • 顔が青白く、唇が紫色の状態が続いていますか?

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この記事の監修医師

監修医師 白石 達也

白石 達也 先生

東日本橋内科クリニック 内科・循環器内科

京都大学医学部卒。田附興風会医学研究所北野病院で臨床研修、仁生社江戸川病院で循環器内科医として勤務。Ubie社での勤務を経て、東日本橋内科クリニック院長。

更新日
2024/04/16
公開日
2022/02/15