N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症の余命はどれくらいですか?

未治療では極めて予後不良ですが、早期診断と治療が行われれば寿命は大きく損なわれません。

N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症の余命は、N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症の余命は、治療の開始時期とアンモニア(体に有害な老廃物)の管理状況に大きく左右されます。早期に診断され、N-カルバミルグルタミン酸による治療と適切な代謝管理が継続できれば、健常な人とほぼ同じ寿命が期待できる病気です。

この病気は尿素回路異常症(アンモニアを尿として捨てる仕組みの異常)の一つで、治療が行われない場合や診断が遅れた場合には、重い高アンモニア血症(血液中のアンモニアが異常に高い状態)を起こし、命に関わることがあります。特に新生児期に発症する完全型では、治療が間に合わなければ生後数日以内に高アンモニア血症性昏睡(アンモニアによる深い意識障害)に陥り、死亡や重度の脳障害に至るリスクが非常に高いとされています。

一方、早期に診断され、最初の重症発作を防げた場合には、アンモニアを安定して管理でき、発達や生活の質が良好に保たれる例が多く報告されています。適切に治療されている患者さんの中には、特別な食事制限を必要とせず、学童期から成人期まで大きな合併症なく生活している例もあります。

部分的に酵素活性が残る軽症型や遅発型でも、治療が不十分で高アンモニア発作を繰り返すと、脳へのダメージが蓄積し、重い後遺症や早期死亡につながる可能性があります。本疾患は非常にまれで症例数が少ないため、正確な平均余命を数値で示すことは難しく、予後は「未治療では極めて不良、適切治療下では良好」と表現されます。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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