N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

元気や意識が普段と違えば、早めの受診が目安です。

N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症が疑われる場合は、「いつもと違う元気のなさ」や「意識や行動の変化」がみられた時点で、緊急性の高い状態として病院を受診することが重要です。この病気では、アンモニア(体に有害な老廃物)が短時間で急上昇し、症状が急速に悪化することがあります。

新生児や乳児では、ミルクを飲まない、繰り返し吐く、ぐったりして反応が鈍い、眠ってばかりいるといった変化が受診の目安になります。さらに、呼吸が速い・苦しそう、体温が不安定、筋力が弱くなる、けいれんが出る、意識がもうろうとする場合は、直ちに救急受診が必要です。なお、新生児では、これらの初期症状が軽く見えても、数時間の遅れが重い脳障害につながることがあります。

小児期以降や成人では、原因不明の繰り返す嘔吐、強い頭痛、極端な眠気、混乱、性格や行動の急な変化、意味の通らない言動(せん妄)、ふらつき(運動失調)などが重要な警告サインです。特に、感染症、発熱下痢、長時間の絶食、高たんぱく食、手術、特定の薬剤(例:バルプロ酸など)をきっかけに症状が出た場合は、高アンモニア血症を強く疑います。

これらの状況では、遺伝子検査の結果を待たず、直ちに血液中のアンモニアを測定し、治療を開始することが重要です。原因不明の意識障害や嘔吐がある場合は、尿素回路異常症(体内の有害なアンモニアを処理する仕組みの異常)として扱い、早期対応することが重症化防止の鍵となります。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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