N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

効果不十分時は入院し、全身管理と専門治療が必要です。

N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症で薬の効果が不十分な場合は、様子を見ることは危険で、速やかに入院して全身管理を行う必要があります。高アンモニア血症(血液中のアンモニアが高い状態)は短時間で悪化し、命や脳に重大な影響を及ぼすおそれがあるためです。

治療の第一選択薬はカルバミルグルタミン酸ですが、感染症、発熱、絶食、高たんぱく摂取、新しい薬剤(例:バルプロ酸)などにより、体が分解状態(体内のたんぱく質を分解してエネルギーを作る状態)になると、薬だけではアンモニアを十分に下げられないことがあります。また、服薬量不足、服用方法の問題、飲み忘れなどが「効かない」原因になることもあります。

症状(嘔吐の悪化、強い眠気、混乱、けいれん、異常行動など)がみられる場合は、直ちに救急受診し、血液中のアンモニアを測定します。入院後は、一時的にたんぱく摂取を中止し、点滴で十分な糖分(必要に応じて脂肪)を補給して分解を抑えます。同時に、窒素除去薬(体外に窒素を逃がす薬)やカルバミルグルタミン酸を投与し、状態を厳重に監視します。

それでもアンモニアが下がらない場合や、意識障害がある場合には、早期に血液浄化(血液を機械で浄化してアンモニアを除去する治療)を行い、集中治療室での管理が必要になることがあります。並行して、専門チームが薬の用量・服用方法、誘因、診断そのものを再評価し、他の尿素回路異常症の可能性も検討します。重症例では、肝移植などの選択肢が専門施設で個別に検討される場合もあります。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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