N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症の場合、主にどのような治療をしますか?
原因に直接効く薬を中心に、アンモニアを下げる治療を行います。
N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症では、不足している働きを補う薬を中心に、体内のアンモニアを下げる治療を行います。
この病気の本質は、尿素回路(アンモニアを無害な尿素に変える仕組み)を開始させるために必要なN−アセチルグルタミン酸が作れないことにあります。そのため、治療の中心となるのはN-カルバミルグルタミン酸(カルグルミル酸)の内服です。この薬は、尿素回路の最初の反応を担うCPS1(尿素回路の最初の酵素)を直接活性化し、NAGSの欠損を機能的に補います。早期に診断され、継続して内服できている患者さんでは、アンモニア値が正常化し、たんぱく質制限をほとんど行わずに管理できる場合もあります。このように、原因に直接作用する治療が可能である点が、本疾患の大きな特徴です。
一方、発症時やアンモニアが急激に上昇した急性期には、緊急治療が必要です。入院のうえ、一時的にたんぱく質摂取を中止し、点滴で十分な糖(必要に応じて脂肪)を補給して、体が自分のたんぱく質の分解を抑えます。さらに、窒素除去薬(体外に窒素を逃がす薬)やアルギニンを併用し、アンモニアを速やかに下げます。意識障害がある、またはアンモニアが高度に上昇している場合には、血液浄化(血液を機械で浄化する治療)が行われます。
長期管理では、薬の継続内服に加え、成長を妨げない範囲でのたんぱく質の調整、定期的な血液検査、感染や絶食を避ける生活管理が重要です。現在、遺伝子治療の研究も進められていますが、臨床での標準治療は薬物療法と代謝管理です。
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(参考文献)
Nicholas Ah Mew et al.“N-acetylglutamate synthase deficiency: an insight into the genetics, epidemiology, pathophysiology, and treatment”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23776373/,(参照 2026-01-07).
.“小児慢性特定疾病情報センター N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_01_011/,(参照 2026-01-07).
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N−アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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