全身性強皮症で肺線維症になることはありますか?
肺が硬くなる間質性肺疾患(肺線維症)を合併することがあります。
全身性強皮症では、皮膚だけでなく肺にも影響が及び、肺線維症を合併することがあります。
全身性強皮症と肺線維症の関係
全身性強皮症は、皮膚だけでなく体の内側の臓器にも硬さが広がることがある病気です。難病情報センターによると、全身性強皮症の症状のひとつとして肺線維症が挙げられています(難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」令和6年4月1日更新)。肺線維症とは、肺の組織がだんだん硬くなり、酸素をうまく取り込みにくくなる病気(間質性肺疾患)のことです。海外の報告では、間質性肺疾患は全身性強皮症の患者さんの死因として最も多いとされ、有病率は最大30%とされています(Perelas, et al. Lancet Respir Med. 2020)。ただし、この数字はあくまで報告のひとつであり、すべての患者さんに同じように起こるわけではなく、進行の程度にも個人差があります。
肺線維症で起こりやすい症状
肺線維症が進むと、次のような変化が現れることがあります。
- 階段の上り下りや軽い運動で息切れを感じやすくなる
- 乾いた咳が続く
- 体を動かしたときに疲れやすくなる
初期の段階では自覚症状がはっきりしないこともあるため、症状がなくても定期的に肺の状態を確認しておくことが安心につながります。これらの変化は他の呼吸器の病気でも見られることがあるため、全身性強皮症の診断を受けている場合は自己判断せず、担当の医師に相談しながら経過をみていくことがすすめられます。
肺線維症の早期発見と治療のポイント
海外の報告では、間質性肺疾患を合併した場合の10年後の死亡率は最大40%とされています(Perelas, et al. Lancet Respir Med. 2020)。この数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、早期に発見し治療を始めることで進行を抑えられる可能性がある点も報告されています。治療薬としてはシクロホスファミドが使われることがあります(難病情報センター、同上)。息切れや咳など気になる症状があれば早めに主治医に相談し、定期的な経過観察を続けていくことが大切です。継続的にフォローすることで、変化に早く気づき、必要に応じた対応につなげやすくなります。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」(令和6年4月1日更新)https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
Perelas A, et al. Systemic sclerosis-associated interstitial lung disease. Lancet Respir Med. 2020;8(3):304-320.(PMID: 32113575)
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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