全身性強皮症では爪に変化が現れますか?
全身性強皮症では爪の形や質に変化がみられることがあります。
全身性強皮症では、皮膚だけでなく爪にも特徴的な変化がみられることがあります。
爪にみられる変化の特徴
全身性強皮症では、爪そのものに変化が現れることがあります。全身性強皮症の患者さん129人と健康な人80人を比較した研究では、爪の変化がみられた割合は80.6%と報告されています(Marie I, et al. J Am Acad Dermatol. 2017;76(6):1115-1123)。この研究では、健康な人と比べて、次のような変化が有意に多くみられたことが示されています。
- 爪の表面がざらざらする(粗糙化)
- 爪が硬く厚くなる
- 爪が短くなる
- 爪の形が変わる
- 点状の出血がみられる
- 爪の周り(爪郭)に異常がみられる
これらの爪の変化は、指先の潰瘍やカルシウムの沈着(石灰沈着)、後述する爪の周りの血管の変化の程度とも関連することが示されています。爪の変化がこうした所見と関連していることから、爪の状態を確認することは、全身性強皮症の経過をみるうえでのひとつの手がかりになると考えられます。
爪郭部の血管変化と経過
爪の付け根の皮膚(爪郭部)にある毛細血管にも、特徴的な変化がみられることがあります。ある報告では、この血管の変化は病気の経過とともに、次のような段階をたどるとされています。
- 早期:血管のループが大きくなる
- 進行期:ループの形が変化する
- 後期:新しい血管ができたり、血管がない部分が現れたりする
(Lambova SN, Müller-Ladner U. J Scleroderma Relat Disord. 2019;4(3):200-211)
こうした爪郭部の血管変化は、全身性強皮症の診断基準(2013年のEULAR/ACR分類基準)にも取り入れられている所見です。爪そのものの変化と、爪の周りの血管の変化は、いずれも全身性強皮症の状態を把握するうえで参考にされている所見といえます。爪や指先の変化に気づいた場合は、皮膚科や膠原病を専門とする医療機関への相談をご検討ください。
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(参考文献)
Marie I, et al. Nail involvement in systemic sclerosis.J Am Acad Dermatol. 2017;76(6):1115-1123.
Lambova SN, Müller-Ladner U. Nailfold capillaroscopy in systemic sclerosis - state of the art: The evolving knowledge about capillaroscopic abnormalities in systemic sclerosis.J Scleroderma Relat Disord. 2019;4(3):200-211.
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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