全身性強皮症は肺高血圧症を合併しますか?
肺高血圧症を合併することがあり、注意が必要な症状のひとつです。
全身性強皮症では、肺の血管に負担がかかる肺高血圧症を合併することがあります。
全身性強皮症と肺高血圧症の関係
全身性強皮症は、血管や内臓が硬くなったり、血流に影響が出たりすることがある病気です。難病情報センターによると、全身性強皮症の合併症のひとつとして肺高血圧症が挙げられています(難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」令和6年4月1日更新)。肺高血圧症とは、肺の血管の中の血圧が高くなり、心臓や肺に負担がかかる状態のことです。オーストラリアで行われた大規模な追跡調査では、全身性強皮症の患者さん1636名を対象に年1回の心臓エコー検査を行ったところ、194名(11.9%)が肺高血圧症と診断されたと報告されています(Morrisroe, et al. Arthritis Res Ther. 2017;19(1):42)。同じ報告では、新たに肺高血圧症と診断される割合は年間1.4%とされています。
肺高血圧症の症状とタイプによる違い
難病情報センターでは、皮膚の硬さが限られた範囲にとどまるタイプ(限局皮膚硬化型)では、肺高血圧症以外の重い内臓の合併症は少ないとされています(同上)。一方で、肺高血圧症についてはタイプにかかわらず注意が必要な合併症とされています。初期には自覚症状が乏しいこともありますが、進行すると次のような変化が現れることがあります。
- 階段の上り下りや坂道で息切れを感じやすくなる
- 体を動かしたときに疲れやすくなる
- 足などにむくみが出やすくなる
肺高血圧症の早期発見のための定期検査
前述の報告では、肺高血圧症は全身性強皮症における死亡の主な原因のひとつとされています(Morrisroe, et al. Arthritis Res Ther. 2017)。この数字だけを見ると心配になるかもしれませんが、年1回程度の心臓エコー検査によって早期に見つけられる可能性があることも同じ報告で示されています。治療薬としてはエンドセリン受容体拮抗薬が使われることがあります(難病情報センター、同上)。息切れやむくみなど気になる症状があれば、自己判断せず主治医に相談し、定期的な検査を続けていくことが安心につながります。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」(令和6年4月1日更新)https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
Morrisroe K, et al. Epidemiology and disease characteristics of systemic sclerosis-related pulmonary arterial hypertension. Arthritis Res Ther. 2017;19(1):42.(PMID: 28270192)
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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