全身性強皮症で逆流性食道炎になることはありますか?
全身性強皮症では食道の動きが低下し、逆流性食道炎を伴うことがあります。
全身性強皮症では、消化管の働きにも影響が及び、逆流性食道炎を伴うことがあります。
食道の動きが低下する仕組み
全身性強皮症は、皮膚だけでなく体の内側にある臓器の働きにも影響が及ぶことがある病気です。消化管の中でも、食道は特に影響を受けやすい臓器のひとつとされています。
- 消化器の病変は、全身性強皮症の患者さんの最大90%にみられるとする報告があります(Ebert EC. Curr Treat Options Gastroenterol. 2008;11(1):64-69)
- そのなかでも食道は、最も影響を受けやすい臓器とされています
ある研究では、全身性強皮症の患者さん36人を対象に食道の働きを詳しく調べています。
- 食道と胃の境目にある筋肉(下部食道括約筋)の締まる力は、患者群で平均15.8mmHg、健康な人の群では平均26.0mmHgと、明らかな差がみられました
- 食道の下のほうで食べ物を送り出す動き(蠕動運動)がほとんどみられない患者さんが7割にのぼりました(Yarze JC, et al. Am J Gastroenterol. 1993;88(6):870-6)
こうした結果から、全身性強皮症では食道が本来持つ「食べ物を胃へ送る力」や「胃の内容物の逆流を防ぐ力」が弱まりやすいことがうかがえます。
逆流性食道炎とのつながり
食道と胃の境目の締まりが弱くなると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなり、逆流性食道炎につながることがあります。難病情報センターの解説でも、全身性強皮症でみられる症状のひとつとして逆流性食道炎が挙げられており、治療のひとつとして胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)が使われることが示されています(難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」)。胸やけや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)などの症状が気になる場合は、消化器の状態も含めて医療機関への相談をご検討ください。全身性強皮症と診断されている場合は、皮膚の症状だけでなく、こうした消化管の症状にも注意を向けることが大切です。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
Yarze JC, et al. Esophageal function in systemic sclerosis: a prospective evaluation of motility and acid reflux in 36 patients.Am J Gastroenterol. 1993;88(6):870-6.
Ebert EC. Esophageal disease in progressive systemic sclerosis.Curr Treat Options Gastroenterol. 2008;11(1):64-69.
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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