全身性強皮症ではどのような検査を行いますか?
皮膚の硬さに加え、血液・肺・心臓・腎臓など全身の状態を確認する検査を行います。
全身性強皮症では、皮膚の状態に加えて全身の臓器を確認するための検査が行われます。
皮膚と血液でみる検査
全身性強皮症の検査では、皮膚の硬さと血液中の自己抗体をまず確認します。皮膚については、指先から体幹に向けて複数の部位を触って硬さを点数化する「mRSS(modified Rodnan's total skin thickness score)」という方法が用いられます。硬化の範囲や強さを数値として記録することで、経過を追いやすくします。血液検査では、抗Scl-70抗体・抗セントロメア抗体・抗RNAポリメラーゼIII抗体・抗U1-RNP抗体などの自己抗体を調べます。これらは病型や、後述する肺・腎臓などの臓器がどの程度影響を受けやすいかを見積もる手がかりになります。
肺と心臓の検査
肺と心臓は、全身性強皮症で特に注意深く確認される臓器です。肺の検査としては、努力肺活量(FVC)や肺拡散能(DLco)を調べる肺機能検査、肺の状態を詳細に映し出す高分解能CT(HRCT)が行われます。心臓については心電図と心臓超音波検査(心エコー)を実施します。また、全身性強皮症に伴いやすい肺高血圧症については、心エコーで三尖弁を通る血流の速さから圧の目安を推定する方法、または、より詳しく調べる右心カテーテル検査が用いられます。
そのほかの臓器の検査
上記以外にも、全身へ影響が及びうる病気であるため、複数の臓器を確認します。
- 腎臓:血清クレアチニンやシスタチンCの値からeGFR(推算糸球体濾過量)を算出し、腎臓の働きを確認
- 消化管:食道や胃腸など上部・下部消化管の状態を確認
- 関節:関節の動かしやすさ(可動域)を確認
- 血管:爪の付け根(爪郭部)を顕微鏡で観察し、毛細血管の異常を確認
これらの検査は、難病情報センターの情報に基づくもので、一度にすべてを行うというより、症状や経過に応じて必要な項目が選ばれます。皮膚や血液の検査で全身性強皮症が疑われたあと、肺・心臓・腎臓・消化管・関節・血管など、影響が及びやすい臓器を一つひとつ確認していく流れが基本になります。皮膚の症状だけでは気づきにくい臓器の変化を早い段階で見つけることが、これらの検査を組み合わせる目的のひとつとされています。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」(令和6年4月1日更新)https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
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編集・監修基準について
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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