全身性強皮症の診断基準について教えてください。
皮膚硬化の程度に加え、特徴的な抗体や肺の所見なども踏まえて総合的に判断されます。
全身性強皮症の診断では、皮膚硬化の程度や検査所見をもとに定められた基準が用いられます。
大基準・小基準からみる診断基準
全身性強皮症の診断では、まず「大基準」と呼ばれる代表的な所見の有無を確認します。大基準は「手指または足趾を越える皮膚硬化」で、皮膚の硬さが指や足の先だけでなく、それより体幹側まで広がっている状態を指します。
大基準がみられない場合でも、「小基準」と呼ばれる4つの所見のうち、ひとつ以上が当てはまれば、大基準の代わりとして扱われます。小基準は次の通りです。
- 手指や足趾に限られた皮膚硬化
- 指先のくぼんだ傷跡、または指の腹のやせ細り
- 両側の肺の下側にみられる線維化(肺が硬くなる変化)
- 抗Scl-70抗体・抗セントロメア抗体・抗RNAポリメラーゼIII抗体のいずれかが陽性
これらの情報は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターの「全身性強皮症 診断の手引き」にまとめられています。大基準を満たす場合、または小基準のひとつ目に加えて2つ目から4つ目のいずれかひとつ以上を満たす場合に「確定例」と診断されます。
病型による抗体の違い
全身性強皮症は皮膚硬化の広がり方によって、体の広い範囲に及ぶ「びまん皮膚硬化型」と、手指や顔など限られた部位にとどまる「限局皮膚硬化型」の2つに分けられます。びまん皮膚硬化型では抗Scl-70抗体や抗RNAポリメラーゼIII抗体が、限局皮膚硬化型では抗セントロメア抗体が、それぞれ陽性になりやすい傾向があるとされています。
研究用の国際的な分類基準
日常診療での診断とは別に、研究や臨床試験で対象者をそろえるために使われる国際的な分類基準もあります。2013年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が発表した基準では、手指の皮膚硬化が指の付け根の関節を越えて広がっている場合、それだけで基準を満たすとされています。それ以外の場合は、指先の病変や毛細血管の異常、肺の状態、レイノー現象、自己抗体などの項目を点数化し、合計が一定の点数に達するかで判定します。この国際分類基準は、診療の現場でそのまま使われる診断基準ではなく、研究目的で用いられるものである点に留意が必要です。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)<診断基準>全身性強皮症・診断基準 2010年」(令和6年4月1日更新)https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
van den Hoogen F, et al. 2013 classification criteria for systemic sclerosis: an American College of Rheumatology/European League against Rheumatism collaborative initiative.Arthritis Rheum. 2013;65(11):2737-2747.(PMID: 24122180)
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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