Child-Pugh分類Bの肝がん患者さんの予後（生存率）と受けられる治療を教えてください。

Child-Pugh分類Bの肝細胞がん患者さんでは、Child-Pugh分類Aと比較して予後は悪く、受けられる治療の選択肢は少なくなる傾向があります。

Child-Pugh分類とは肝臓に残された機能を示す指標のひとつで、Child-PughAでは肝臓の機能がある程度残されていますが、Bとなると低下しており、Cでは非常に低下した状態です。肝細胞がんの治療はいずれも肝臓に負担をかけるため、肝臓の機能が悪い場合には治療選択が限られており、また期待される効果も減弱します。

例えば、免疫療法でアテゾリズマブ+ベバシズマブを行った患者さんの報告では、Child-Pugh分類Aの患者さんの生存期間中央値が14.9ヶ月であったのに対し、Child-Pugh分類Bの患者さんでは生存期間中央値が6.8ヶ月でした

Child-Pugh分類Bの患者さんにおける治療の選択肢を一概に言うことは難しいです。実際に治療が可能であるかは、病変の個数、範囲、大きさも重要であり、例えば病変が大きく、治療で肝臓の機能を多く失うことが予想される場合、Child-PughBでは行えない、という場合もあります。

また、年齢や体力的に負担の大きな治療が受けられるか、という点も大切です。実際の治療については個々の患者さんによって状況は異なるため、具体的な治療法については主治医とよく相談しましょう。