「粘液水腫」とはどのような病気ですか?
粘液水腫は、長い間甲状腺の働きが低いまま放置され、皮膚や皮膚の下に水分を含むゼリー状の物質が貯まり、顔や手足がむくむ病気です。
粘液水腫は、長い間甲状腺の働きが低下したまま放置された結果、体の代謝機能が低くなり、皮膚や皮膚の下にムコ多糖類(水分を多く含むゼリー状の物質)が貯まり、顔や手足がむくむ病気です。
むくみは押しても跡が残らず(非圧痕性浮腫)、特に顔やまぶた、舌が腫れぼったくなります。重症の甲状腺機能低下症が続くと、粘液水腫性昏睡という危険な状態に陥ります。
典型的な徴候として、
- ①意識レベルの低下
- ②低体温
- ③感染症
があり、寒さ、薬の影響、脳卒中、心不全、出血などが誘因の存在として挙げられます。
身体の症状として、冷たく乾いた皮膚、腫れぼったい顔や舌の腫大、徐脈(脈が遅くなる)、血圧の低下、呼吸が弱くなるなどが見られます。
血液検査では、低ナトリウム血症、低血糖、貧血、高CK血症(筋肉由来の酵素が高い)などが見られます。緊急治療が必要であり、甲状腺ホルモンを静脈から投与し、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を補うことで副腎不全を起こさないようにします。
また、呼吸や血液循環の管理、体温や電解質(ナトリウムやカリウムなどのミネラル)の調整、感染症など原因となった病気の治療が必要です。死亡率は20〜50%と高く、早期に診断し治療を開始し、適切な全身管理が求められます。
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(参考文献)
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最終更新日:
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
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