間質性肺炎の進行速度はどのくらいですか?

一般的には徐々に進行していく病気ですが、患者さんにより経過はさまざまで予測は困難です。

解説

間質性肺炎にはさまざまな種類があり、それぞれ進行速度や予後が異なります。

最も頻度の高い特発性肺線維症 (IPF) は、間質性肺炎の中でも予後が悪いとされており、生存期間中央値は、3~5年と報告されています。 急性間質性肺炎 (AIP) は、急速に進行する場合があります。

一方、慢性過敏性肺炎は、進行が遅く、極めて安定している患者さんもいれば、急速に悪化する患者さんもいるなど、さまざまです。

一般的に、間質性肺炎の中でも非特異性間質性肺炎(NSIP)や器質化肺炎(OP)は治療反応性が良好です。ただし進行速度や病状の経過は患者さんによって異なり、予測は困難です。

また、過去に安定していても風邪などをきっかけとして数日で急激に呼吸困難が進行する急性悪化が起こることもあり、注意が必要です。

間質性肺炎の進行速度に影響を与える可能性のある要因

  • 年齢

高齢者の場合、若年者と比較して進行が速い傾向があると考えられています。

  • 喫煙

喫煙は、間質性肺炎の進行を早める可能性があるとされています。

  • 合併症

肺高血圧症や肺がんなどの合併症があると、間質性肺炎の進行が速くなる可能性があります。

  • 治療への反応性:

間質性肺炎の治療には、抗線維化薬やステロイドなどが用いられますが、治療への反応性は個人差が大きく、進行速度にも影響を与えると考えられています。

間質性肺炎の進行を遅らせるためには、早期診断、適切な治療、日常生活における注意(禁煙、感染予防など)が重要となります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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