強迫性障害の加害恐怖にはどのように対処すればいいですか?
専門家の治療を受けたうえで、不安な行動を過度に避けない練習などが有効だと考えられます。
加害恐怖は、強迫性障害の症状のひとつで、「自分が意図せず誰かを傷つけてしまうのではないか」「何か重大な過ちを犯してしまうのではないか」という強い不安(強迫観念)に襲われる状態です。
例えば、「運転中に人を轢いたかもしれない」「刃物で家族を傷つけてしまうかもしれない」といった考えが頭から離れなくなります。
この恐怖に対処する最も効果的な方法は、精神科医や臨床心理士などの専門家による治療を受けることです。例えば「曝露反応妨害法」という認知行動療法などが有効です。
これは、不安を感じる考えや状況(例えば、ニュースを見る、刃物をそばに置くなど)にあえて直面し(曝露)、その不安を打ち消すための確認行為(何度も人に確認する、ニュースを繰り返し見る、特定の場所や物を避けるなど)をしないように我慢する(反応妨害)練習です。
これを繰り返すことで、不安な考えが浮かんでも、それは「考え」であって「現実の行動」ではないこと、そして確認しなくても実際には何も起こらないことを脳が学んでいきます。
大切なのは、「怖い考えが浮かぶこと」と「実際に危害を加えること」は、まったく別だと理解することです。加害恐怖を持つ人が実際に誰かを傷つけることは極めてまれです。
ひとりで抱え込まず、専門家と相談しながら、焦らず治療に取り組むことが重要です。
こころの港クリニック 京橋・東京駅前 精神科・心療内科
山﨑 龍一 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
強迫性障害
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ