強迫性障害でお風呂やトイレの時間が長くなる場合はどうすればいいですか?

専門家と相談し、不安と向き合い行動を変える練習や、薬物療法で改善を目指します。

解説

強迫性障害でお風呂やトイレの時間が長くなってしまうのは、「まだ汚れている気がする」「きちんと洗えていないと何か悪いことが起こるのではないか」といった強い不安(強迫観念)に駆られ、何度も体を洗い直したり、長時間こもってしまったりする行動(強迫行為)がやめられないためです。

これはご本人にとって非常につらい状況です。このような症状を改善するためには、まず精神科医や心理師などの専門家に相談することがとても大切です。

主な治療法として「認知行動療法」があり、特に「曝露反応妨害法(ばくろはんのうぼうがいほう)」という練習が効果的とされています。

これは、例えば「お風呂の時間をいつもより5分短くする」「トイレでの確認行為(何度も拭く、水を流すなど)の回数を1回減らす」といった具体的な目標を専門家と一緒に立て、不安を感じても、あえてその行動(過剰な洗浄や長時間の滞在)を我慢する練習です。

最初はとても不安で難しいかもしれませんが、専門家のサポートを受けながら少しずつ慣らしていくことで、「思ったほど汚れていなかった」「何も悪いことは起きなかった」という経験を積み重ね、徐々に不安や強迫行為を減らしていくことを目指します。

また、症状の程度や状態によっては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)といったお薬を使うことで、不安感を和らげ、認知行動療法に取り組みやすくすることもあります。

ご自身だけで解決しようとせず、専門家の力を借りながら、焦らず一歩ずつ取り組んでいくことが改善への近道です。

ご家族にも状況を理解してもらい、治療への協力を得ることも大きな助けになるでしょう。

公開日

最終更新日

こころの港クリニック 京橋・東京駅前 精神科・心療内科

山﨑 龍一 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

この記事をシェアする

治療が必要な患者様へのお願い

強迫性障害

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

関連するQ&A
関連する病気と症状
気になる症状はユビーアプリで簡単チェック
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。