喘息性気管支炎と気管支喘息は関係がありますか?

「喘息性気管支炎」はかつて診断名として使われましたが、現在はより適切な診断名が用いられています。

解説

かつて、乳幼児期に繰り返し喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)がみられる疾患に対して、「喘息性気管支炎」や「喘息様気管支炎」といった曖昧な名称が用いられていました。

しかし、これは診断名ではなく、複数の病態を含む「症候群」であると考えられています。

具体的には、「喘息性気管支炎」という言葉の中には、次のような状態が含まれていました。

反復性気管支炎

繰り返し起こる気管支の炎症です。

アレルギー性気管支炎(喘息前段階)

アレルギー体質(アトピー素因)があり、血液中の好酸球(アレルギー反応に関わる白血球の一種)が増えているなど、喘息に似た特徴を持つ喘息の前段階です。

乳児喘息

呼吸が苦しくなる「努力性呼吸」を伴う喘鳴が繰り返される場合、乳児でも喘息と診断されます。

初期喘息・咳喘息

呼吸困難がはっきりしないものの、アレルギー体質がある場合は初期喘息や軽症型喘息、強い咳が長く続く場合は咳喘息と診断されます。

このように、「喘息性気管支炎」という総称を用いると、個々の病態が不明瞭になり、適切な喘息治療の早期に治療を開始することが遅れる可能性がありました。

そのため、現在ではこれらの具体的な疾患名を使って診断することが推奨されています。これにより、より的確な治療へ早期につなげられるようになりました。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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