非小細胞肺がんと小細胞肺がんの違いは?ステージ別の余命・生存率は?
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非小細胞肺癌のステージ別(転移の有無別)の余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
非小細胞肺癌のステージ別(転移の有無別)の余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
非小細胞肺癌では、一人ひとりの「余命」をステージだけから決めることはできないため、一般には5年生存率などを参考にします。国際データでは、臨床病期別の5年全生存率は、Ⅰ期で約69~82%、Ⅱ期で約54~62%、Ⅲ期で約21~44%、Ⅳ期で約7~18%でした。
非小細胞肺癌の見通しは、がんの広がりを示すステージ(病期)によって大きく異なります。ただし、ステージだけから一人ひとりの「余命」を正確に予測することはできません。そのため、一般には、多くの患者さんの経過をまとめた「5年生存率」などを目安として用います。
非小細胞肺癌のステージ(病期)はどう決まる?
非小細胞肺癌は、気管支や肺胞(はいほう。肺の中で酸素を取り込む小さな袋)の細胞ががん化したもので、腺がんや扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんなどが含まれます(国立がん研究センター)。ステージ(病期)はTNM分類で決まり、次の3つを組み合わせてⅠA1期からⅣB期に分類されます(国立がん研究センター)。
- T:もとのがん(原発腫瘍)の大きさや広がり
- N:周囲のリンパ節への転移の有無
- M:離れた臓器への転移(遠隔転移)の有無
重要なのは、「転移がある=すべてⅣ期」ではないという点です。肺の近くや縦隔のリンパ節への転移はN因子として評価され、Ⅱ期やⅢ期に分類されることがあります。一方、反対側の肺、胸膜・心膜、脳、骨、肝臓、副腎などへの転移が認められる場合には、M因子に該当し、Ⅳ期に分類されます。
非小細胞肺癌のステージ別5年生存率
現在使われているTNM第9版の基礎となったInternational Association for the Study of Lung Cancer(IASLC)の国際データでは、非小細胞肺癌の臨床病期別5年全生存率は次のように報告されています。
- IA期:約82%
- IB期:約69%
- IIA期:約62%
- IIB期:約54%
- IIIA期:約44%
- IIIB期:約31%
- IIIC期:約21%
- IVA期:約18%
- IVB期:約7%
大きくまとめると、Ⅰ期では約69~82%、Ⅱ期では約54~62%、Ⅲ期では約21~44%、Ⅳ期では約7~18%です。
なお、これらは多数の患者さんを集計した統計上の値であり、現在治療を受ける一人ひとりの予後をそのまま示す数字ではありません。
非小細胞肺癌の生存率と余命の違い
5年生存率は、多くの患者さんをまとめた統計であり、「あと何年生きられる」という個人の余命を示すものではありません。
実際の見通しには、ステージ以外にも、年齢や全身状態、がんの組織型、転移している臓器やその数、EGFR・ALK・ROS1などの治療標的となる遺伝子異常、PD-L1の発現、治療への反応など、さまざまな要素が関係します。そのため、例えば「Ⅳ期だから余命は○年」と一律に考えることはできません。
非小細胞肺癌のステージ別の治療
非小細胞肺癌の治療は近年大きく進歩しています。
- Ⅰ~Ⅱ期では、手術による根治を目指すことが基本となり、病状に応じて手術前後の薬物療法を組み合わせます。手術が難しい場合には、定位放射線治療などの根治的な放射線治療が選択されることもあります。
- Ⅲ期では、手術が可能かどうかを慎重に判断し、手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせます。切除が難しい場合には、化学放射線療法を中心とした治療が行われます。
- Ⅳ期では薬物療法が中心となります。現在は、EGFRやALKなど治療標的となる遺伝子異常の有無やPD-L1発現などを調べ、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、細胞傷害性抗がん薬などから治療を選択します。
特に、治療標的となる遺伝子異常を持つ肺がんでは、分子標的薬によって長期間にわたって病気をコントロールできる場合があります。また、免疫チェックポイント阻害薬が長期間効果を示す人もいます。
非小細胞肺癌の症状と受診の目安
肺がんの主な症状は咳・痰(たん)・血痰・胸痛・息切れ・動悸・発熱ですが、早い段階では症状が現れないことが多いとされています。咳や血痰が長引くときや息切れが気になるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
(参考文献)
国立がん研究センター がん情報サービス『院内がん登録生存率最新集計値』(2025年3月3日更新)https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/latest.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『院内がん登録生存率集計』(2025年2月13日更新)https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/index.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『肺がん 非小細胞肺がん 治療』(2025年6月11日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_nsclc.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『肺がん』(2025年7月14日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/index.html.(参照 2026-10-30).
日本肺癌学会『肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む2023年版』(2023年11月2日公開)https://www.haigan.gr.jp/guideline/2023/.(参照 2026-10-30).
Rami-Porta R, Nishimura KK, Giroux DJ, et al.The International Association for the Study of Lung Cancer Lung Cancer Staging Project: Proposals for Revision of the TNM Stage Groups in the Forthcoming (Ninth) Edition of the TNM Classification for Lung Cancer.Journal of Thoracic Oncology. 2024;19(7):1007-1027.
非小細胞肺癌と小細胞肺癌の違いはなんですか?
非小細胞肺癌と小細胞肺癌の違いはなんですか?
非小細胞肺癌と小細胞肺癌は、がんの進行や治療法に違いがあります。
非小細胞肺癌と小細胞肺癌は、肺がんの2つの主要なタイプであり、特徴や治療方法に大きな違いがあります。
非小細胞肺癌
- 発生率:肺がんの約85%を占めます。
- 成長速度:ゆっくり成長することが多く、比較的早めに発見されることもあります。
- 治療:ステージに応じて手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、分子標的療法が用いられます。
- 主なタイプ:扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つの主要なサブタイプがあります。
小細胞肺癌
- 発生率:肺がんの約15%を占めます。
- 成長速度:非常に速く、早めに広範囲に転移する傾向があります。
- 治療:主に化学療法と放射線療法が行われますが、手術はあまり一般的ではありません。
- 予後:進行が速いため、診断時には既に進行期であることが多く、予後は非小細胞肺癌に比べて一般的に悪いです。

非小細胞肺癌とは?
非小細胞肺癌とは?
「非小細胞肺癌」とは、主に喫煙が原因で発症する肺がんの一種です。進行すると持続する咳、血痰、息切れ、胸痛、体重減少などの症状がみられます。これらの症状がある場合は、早期発見と適切な治療のために、内科または呼吸器内科を受診しましょう。
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
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