検査数値から気管支喘息の重症度はわかりますか?

検査数値も判断の参考になります。

解説

喘息の重症度を判断する手がかりとなるものには以下のようなものがあります。

●血液検査

○末梢血好酸球数

好酸球性炎症の指標となり、数値が高いほど重症である可能性があります。 特に、抗IL-5抗体や抗IL-5Rα抗体の投与対象を判断する際に、この数値が目安として用いられます。

○血清総IgE値

アレルギー反応の指標となり、高いほどアトピー型喘息の可能性が高く、重症化しやすい傾向があります。

●呼吸機能検査

○スパイロメトリー

一秒量(FEV1)や努力肺活量(FVC)などの数値から、気道の狭窄の程度を評価できます。これらの数値が低いほど、重症である可能性があります。

○気道可逆性検査

気管支拡張薬吸入後のFEV1の変化を測定することで、気道の狭窄がどの程度改善するかを評価します。可逆性が低い場合は、重症である可能性があります。

○ピークフロー(PEF)

最大呼気流量を測定し、日内変動や自己最良値との比較から喘息のコントロール状態を評価します。変動が大きい場合や自己最良値より低い場合は、重症である可能性があります。

●呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)

気道の炎症の指標となり、数値が高いほど重症である可能性があります。

●喀痰検査

喀痰中の好酸球比率が高い場合は、好酸球性気道炎症が強く、重症である可能性があります。

ただし、これらの検査数値はあくまで参考であり、喘息の重症度は、症状、悪化の頻度、治療への反応性、合併症などを総合的に判断する必要があります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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