未熟児無呼吸発作は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
治療はカフェインが中心となります。頻脈、興奮しやすくなるなどの副作用がありますが、いずれも軽度です。
未熟児無呼吸発作の治療には、主にカフェインという薬が使われます。副作用は少ないですが、心拍が速くなる・興奮しやすくなるなどが起こることがあります。
未熟児無呼吸発作は、早産児の脳の呼吸調整機能(呼吸中枢)が未熟なために、一時的に呼吸が止まる状態です。治療として最も効果が確立している薬はカフェインであり、大人が飲むコーヒーと同じ成分ですが、医療用に濃度が調整された安全性の高い製剤です。
カフェインは、脳の呼吸中枢を刺激して呼吸のリズムを整え、呼吸の回数を安定させる作用があります。また、気道や肺の筋肉を軽く刺激して空気の入りやすさを改善し、無呼吸発作や呼吸の弱さを減らす効果もあります。カフェイン治療は世界のNICUで標準的に使用され、治療効果を示す研究が多数あります。
1日1回の投与で済み、副作用は比較的まれで安全性が高い薬ですが、以下のようなものが報告されています:
- 心拍数が速くなる(頻脈)
- 少し興奮したように見える、眠りが浅くなる
- 胃の動きが刺激され、授乳後に吐きやすくなることがある
- まれにおしっこが増える、体の水分が少し減りやすいことがある
これらは、特に高用量投与時や極低出生体重児では発生する可能性がありますが、通常は軽度で、用量を適切に調整することで問題なく管理できます。
カフェイン治療は、脳や肺が成長し、赤ちゃん自身が呼吸を安定して行えるようになるまでの“橋渡し役”として非常に重要です。多くの赤ちゃんでは、成長に伴い薬が不要になり、無呼吸発作は自然に改善します。
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(参考文献)
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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