神経因性膀胱の治療薬には、どのようなものがありますか？
尿道の筋肉を緩めるα1ブロッカーや、膀胱の異常な収縮を抑える抗コリン薬、逆に収縮を促すコリン作動薬などがあります。
薬物治療では以下の3つを主に使用できます。
それぞれの薬に副作用があるため、全員が使用できるわけではありません。
抗コリン薬
膀胱での異常な尿意を抑えて、尿を溜めやすくします。副作用として、口の渇きや便秘があり、認知症のリスクがある薬もあるため、担当医と相談して使用を検討しましょう。
- フェソテロジン （トビエースⓇ）
- オキシブチニン経口薬（ポラキスⓇ）
- プロピベリン（バップフォーⓇ）
α1遮断薬
尿道の筋肉を緩めることで、尿を出やすくします。副作用として、起立性低血圧によるめまいなどが出ることがあるので、担当医と相談して容量や使用を検討しましょう。
- ウラピジル（エブランチルⓇ）
コリン作動薬
全身の副交感神経系を強めるため、膀胱では収縮力の増加が期待できます。副作用として、下痢や吐き気、気道を狭めるリスクがあるので、担当医と相談して使用を検討しましょう。
- ジスチグミン（ウブレチドⓇ）
- ベサコリン（ベタネコールⓇ）
過活動膀胱の治療薬
症状が過活動膀胱に当てはまる場合は、過活動膀胱の治療薬も使用できます。ただし、特殊な場合（頚髄損傷で自律神経過緊張反射のリスクがある時など）は、薬による頻脈や動悸などに注意する必要があります。詳しくは、「過活動膀胱にはどのような薬を用いますか？」をご参照ください。
公開日：
最終更新日：
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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