アジソン病の原因は何がありますか？

アジソン病（原発性副腎皮質機能低下症）の原因は多岐にわたりますが、現在の日本や欧米で最も多いのは自己免疫によるものです。

自己免疫性副腎炎

本来、体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の副腎皮質を「異物」と認識して攻撃し、破壊してしまう状態です。これにより、副腎皮質ホルモンが作れなくなります。アジソン病の約70〜90%がこのタイプとされています。

感染症

結核菌が副腎に感染し、組織を破壊することが原因となる場合があります。かつてはこれが主な原因でしたが、衛生環境の改善や治療法の進歩により減少しました。しかし、現在でも重要な原因のひとつです。その他、真菌（カビ）やHIVの感染も原因となり得ます。

副腎の出血や梗塞

重い感染症（敗血症）や怪我、血液を固まりにくくする薬（抗凝固薬）の影響などで、副腎に出血が起こり、組織が壊死してしまうことがあります。

がんの転移

肺がんや乳がんなど、他の臓器で発生した悪性腫瘍が副腎に転移し、正常な組織を破壊することが原因となる場合があります。

その他のまれな原因

先天的に副腎がうまく発達しない遺伝性の病気や、副腎の酵素の働きを妨げる特定の薬剤（抗真菌薬など）も原因となることがあります。

これらの原因によって、副腎皮質が90%以上破壊されると、アジソン病の症状が現れてくると考えられています。