アジソン病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

薬の量や服薬タイミングが合っていない可能性が高いです。自己判断せず、必ず主治医に相談し、薬の調整や他の病気の可能性を調べてもらいましょう。

アジソン病の治療薬が「効かない」と感じる場合、その背景にはいくつかの原因が考えられます。薬そのものが無効であることは極めてまれで、ほとんどは使い方や体の状態との不一致が問題です。

まず、薬の量や服薬のタイミングが適切でない可能性が最も考えられます。アジソン病の治療で使うホルモン補充薬(ヒドロコルチゾンなど)の必要量は、個人差が大きく、また日々の体調や活動量によっても変動します。薬の量が少なすぎればアジソン病の症状(倦怠感など)が改善せず、逆に多すぎれば副作用(体重増加など)が現れます。また、1日のうちで体のホルモンリズムに合わせて服用するタイミングも重要です。

次に考えられるのは、体にストレスがかかっている場合です。風邪などの感染症、怪我、精神的なストレスなどがあると、体は普段より多くのコルチゾールを必要とします。このような時に薬の量を増やさない(ストレスドーズを行わない)と、薬が効いていないかのような強い倦怠感や体調不良に陥ります。

また、まれですが、胃腸の病気などで薬の吸収が悪い場合や、甲状腺機能低下症など他の病気が併存しているために症状が改善しないケースもあります。

このように、「薬が効かない」と感じる理由はさまざまです。自己判断で薬の量を変更するのは非常に危険ですので、必ず内分泌内科の主治医に相談してください。医師は、血液検査などで体の状態を評価し、薬の量や種類の調整、生活指導などを通じて、最適な治療法を再検討してくれます。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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