アジソン病の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

毎日決まった時間に薬を飲むことが最も重要です。また、発熱や怪我などストレス時には薬の量を増やす必要があります。

アジソン病の方が健康な日常生活を送るためには、ご自身の病気と薬について正しく理解し、自己管理を徹底することが非常に重要です。気をつけるべき主なポイントは以下の通りです。

薬を絶対に飲み忘れない

治療の基本であるホルモン補充薬(ヒドロコルチゾンなど)は、毎日決まった時間に必ず服用してください。飲み忘れは体内のホルモン不足に直結し、深刻な体調不良の原因となります。旅行などで薬が切れることがないよう、常に予備を持っておくことも大切です。

ストレス時の対応(シックデイ・ルール)を理解する

風邪での発熱、怪我、手術、抜歯、強い精神的ストレスなど、体に負担がかかった時は、普段より多くのコルチゾールが必要になります。このような「シックデイ(体調の悪い日)」には、医師から指示された通りに薬の量を一時的に2〜3倍に増やす必要があります。この対応ができないと、命に関わる「副腎クリーゼ」に陥る危険があります。

緊急時の備え

意識がなくなるなど、自分で薬が飲めない緊急事態に備え、「ステロイドカード」などの医療情報を常に携帯しましょう。また、家族や親しい友人、職場の同僚などに、ご自身の病気と緊急時の対応について伝えておくことも重要です。緊急用の注射薬を処方されている場合は、その使い方を本人と家族が習得しておく必要があります。

定期的な通院

体の状態は変化するため、定期的に内分泌内科を受診し、血液検査などでホルモン量が適切かを確認してもらうことが不可欠です。自己判断で薬の量を変更したり、中止したりすることは絶対にしないでください。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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