アジソン病と診断された場合、余命はどのくらいですか?

適切なホルモン補充療法を続ければ、アジソン病自体が直接寿命を縮めることはなく、健常者とほぼ変わらない寿命が期待できます。

アジソン病と診断されても、適切な治療を生涯にわたって継続すれば、余命(寿命)が短くなることはなく、健常者とほとんど変わらない生活を送ることが可能です。

アジソン病は、体内で作れなくなった副腎皮質ホルモンを飲み薬で補う「ホルモン補充療法」によって、症状をコントロールすることができる病気です。この治療法が確立される以前は、命に関わる危険な病気でした。しかし現在では、診断がつけば非常に効果的な治療法があります。

したがって、アジソン病そのものが直接の原因となって寿命が縮まることはありません。

ただし、注意すべき点が2つあります。

治療の自己中断

生涯にわたる服薬が必要なため、自己判断で薬をやめてしまうと、体内のホルモンが枯渇し、命に関わる危険な状態(副腎クリーゼ)に陥ります。

緊急時(シックデイ)の対応

風邪での発熱や怪我、強い精神的ストレスなど、体に負担がかかった際には、普段より多くのホルモンが必要になります。この時に薬の量を適切に増やさないと、同じく副腎クリーゼを引き起こし、生命に危険が及ぶ可能性があります。

結論として、アジソン病と診断された方の余命は、「いかに病気を正しく理解し、生涯にわたって適切に自己管理を続けられるか」にかかっています。医師の指示を守り、緊急時の対応を身につけておけば、寿命への影響を心配する必要はほとんどありません。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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