どのような場合に摘便の禁忌となりますか?

腸に炎症や出血のある際には原則的に摘便は避けます。

解説

摘便とは、直腸に硬い便が詰まって、患者さんが自力で便を出すことができないときに、指で便を掻き出す処置です。腸を自力で動かす力が弱まった患者さんでは、時に必要となる処置ですが、状況によっては危険になることがあります。

最も注意が必要なのは直腸穿孔です。腸は便が通過する管状の臓器ですが、腸の壁は通常数mmと薄く、強い力がかかると破れてしまいます。腸が破れると便がお腹の中に散らばり、腹膜炎を引き起こし重大な合併症となります。

そのため、直腸の壁が脆くなっているような状況では、摘便は原則的には禁忌です。例えば、腸炎では腸の壁が一時的に脆くなっているため、摘便は行わないほうがよいでしょう。

また、直腸潰瘍など、腸に傷があると、便を掻き出すときに硬い便が傷を大きくし、大量に出血する危険性があります。そのため、血便のあるときにも摘便は行わないほうがよいでしょう。

このように摘便には、まれに重大な合併症が起こりえます。頑固な便秘があっても安易に自己判断で摘便せず、まず消化器内科などの医療機関で検査を受け、下剤の内服など、適切な治療を受けることが大切です。

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医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

石川 翔理 監修

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