起立性調節障害を放置するとどうなる?起立性調節障害
監修医師白石 達也東日本橋内科クリニック 内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
起立性調節障害と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「起立性調節障害」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「起立性調節障害」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、倦怠感(10%)、頭痛(9%)、浮動性・動揺性めまい(9%)などでした。
受診した診療科は、小児科(42%)、内科(19%)、精神科(9%)の順でした。
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起立性調節障害とは
自律神経の異常で体内の血液・血圧の調節がうまくいかなくなる病気です。立ちくらみや吐き気、だるさや頭痛などの症状が現れることがあります。症状は特に朝に強く、学校や会社などの社会生活に影響が出てしまうことがあります。
新起立試験とはどのようなものですか?
寝ているときと立ち上がったときの血圧の変化や、血圧が戻るまでにかかる時間、自覚症状などを調べる検査です。
寝ているときと立ち上がったときの血圧の変化や、血圧が戻るまでにかかる時間、自覚症状などを調べる検査です。
以下のような順序で行います。
①10分間ベッドなどの上に横たわって安静にする
②心拍数と血圧の測定を3回にわたって行う
③10分間起立する
④数分ごとに心拍数と血圧を測定し、その変化を記録する
これによって起立性調節障害かどうか、重症度はどの程度か、どのようなタイプの起立性調節障害(サブタイプ)かなどを診断することができます。
自律神経とは何ですか?
起立性調節障害とはどのような病気ですか?
自律神経のはたらきの乱れによって、立ち上がったときの体の血流が悪くなってしまう病気です。
起立性調節障害とは、自律神経のはたらきの乱れによって、立ち上がったときの体の血流が悪くなってしまう病気です。
通常であれば、立ち上がったときに起こる血流の変化に対しては、自律神経が作用してバランスを保つよう調整がはたらきます。
しかし、自律神経の乱れによってこの調節がうまくいかなくなると、脳や全身への血流が悪くなってしまいます。
これによって、ふらつきや胸のどきどき、身体のだるさなどの症状が起こります。
起立性調節障害の症状
どのような症状が見られますか?
おもに立ちくらみ・めまい・ふらつき・頭痛・体のだるさなどが見られます。
身体面では、以下のような症状が見られます。
- 立ちくらみやめまいがする
- 立っていると気分が悪くなり、ひどくなると倒れる
- 入浴時や嫌なことを見聞きしたとき、気分が悪くなる
- 少し動くと動悸や息切れがする
- 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲がわかない
- お腹が痛い
- 体がだるい
- 頭が痛い
- 乗り物に酔いやすい
これらの症状の程度は1日の中で変化します。
また、心身症(心理社会的なストレスによって起こる身体的な症状)として、気にしていることを指摘されたり笑われたりすると症状が悪化することがあります。
起立性調節障害の検査・診断
どのようにして診断しますか?
まず問診を行ったうえで血液検査や検尿を行い、起立性調節障害の可能性が高いと判断された場合は、新起立試験を行って診断を確定させます。
まず問診を行い、起立性調節障害のよくある症状が見られるか、基礎疾患がないかなどを確認します。
そのうえで、血液検査や検尿などの検査を症状に応じて実施し、他の病気が隠れていないかをチェックします。
起立性調節障害の可能性が高いと判断した場合、新起立試験を行い、重症度と、数種類ある起立性調節障害のどのタイプ(サブタイプ)に該当するかを診断します。
心理社会的なストレスが発症にどのくらい関与しているか、チェックリストを用いて確認することもあります。
起立性調節障害の治療・対処法
起立性調節障害への対処法は?
座っている状態や寝ている状態から起き上がるときには、時間をかけてゆっくり起き上がるようにしましょう。また、脱水状態とならないよう、水分はこまめに取るようにしましょう。
治療を開始してから治るまでの流れが知りたいです。
軽症の場合は数ヶ月で改善します。軽症でなくても9割程度のケースは数年以内に改善すると言われています。
適切な治療が行われれば、軽症であれば数ヶ月以内で症状が改善します。
日常生活に支障をきたすレベル(中等症)であっても、1年後の回復率が約50%、2~3年後は70~80%と、ほとんどのケースが数年以内に改善すると言われています。
ただし、不登校などをともなう重症例では、短期間での症状改善が難しく、復学が困難となることもあります。
なお、軽い症状が成人したあとも続く場合があります。
一般的にどのような治療を行いますか?
ご本人と周りの人たちに病気についてしっかりと理解してもらったうえで、生活リズムの改善などを中心に治療を行います。
まずはご本人とそのご家族、学校関係者などの周りの方々に、病気についてきちんと知ってもらい、起立性調節障害が怠けではなく身体疾患であることを理解してもらいます。
そのうえで、
- 立ち上がるときはゆっくり立ち上がる
- 早寝早起きを心がける
- 日常生活の中で軽い運動をする
といった日常生活での工夫によって、症状の改善をめざします。
なかなか症状が改善しないときは、薬物療法の実施を検討します。
また、心理社会的な要因が発症に関わっていると考えられる場合は、環境調整や心理療法を行います。
受診の目安・何科を受診するべきか
医療機関を受診する目安はありますか?
症状がつらい場合や、学校に行けないなど困り事がある場合、受診を検討しましょう。
症状がつらい場合や、学校に行けないなど社会生活に影響が及んでいる場合は、ぜひ受診することをおすすめします。
起立性調節障害を放置するとどうなりますか?
社会生活にさまざまな影響が出る可能性があります。
症状を放置してしまうことで、症状への不安や学業の遅れが生じ、学校生活などの社会生活をうまく送れなくなってしまう可能性があります。
また、そうした社会生活におけるつまずきへの焦りによって、不登校や引きこもりなどの二次障害を引き起こすこともあります。
起立性調節障害の専門医がいる近くの病院はありますか?
起立性調節障害の専門医がいる病院を見る起立性調節障害の薬
一般的にどのような薬を飲んで治療しますか?副作用はありますか?
血圧の低下をおさえる薬を用いることがあります。
低血圧の症状がある場合は、塩酸ミドドリンやメチル硫酸アメジニウムといった、血圧の維持をたすける薬を使用します。
頻脈(正常よりも脈拍が速くなってしまうこと)が見られる場合は、β遮断薬などの脈拍数をおさえる薬を用います。
起立性調節障害の経過・予後
薬はいつまで飲むのでしょうか? ずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?
日常生活の工夫などにより症状が軽くなれば、ずっと飲み続ける必要はありません。
服薬以外の日常生活の工夫等によって症状が改善してきたら、飲み続ける必要はありません。
また、学校が休みの日は服薬せずに過ごすなど、薬の飲み方を調整することもできます。
主治医の先生と相談して方針を決めるといいでしょう。
対処法・セルフケア
治療中に、日常生活で気を付けることは何でしょうか?
症状を悪化させない日常的な工夫をしつつ、ストレスの少ない生活を心がけましょう。
起立性調節障害の症状は、立ち上がったときに生じる血流の悪化によって生じます。
そのため、立ち上がるときに、
- 急がずゆっくり立ち上がる
- 頭を心臓の高さに下げる
- 足踏みをする
- 両足をクロスする
など姿勢を工夫することで、症状が出るのを防ぎやすくなります。
日中に横になることをなるべく避けることも大切です。
また、ストレスの少ない生活を送ることも重要です。
- 規則正しい生活を心がける
- 暑気を避ける
- なるべく毎日運動する
- 塩分と水分(1.5〜2L)をこまめにとる
といったことを心がけるといいでしょう。
圧迫ソックスなどの治療装具の利用も有効です。
起立性調節障害に関連するその他の質問
自律神経が乱れる原因は何ですか?
生活習慣の乱れや精神的ストレスの影響が大きいです。遺伝的な体質が原因となる場合もあります。
生活習慣の乱れや精神的ストレスに大きく影響を受けます。
また、遺伝的な体質が原因となる場合もあります。
心理社会的ストレスにはどのようなものがありますか?
不安や焦り、気持ちの落ち込みや怒りなどの心情の変化を引き起こす出来事や状況をいいます。
不安や焦り、気持ちの落ち込みや怒りなど、心情に緊張をもたらす出来事や状況を指します。
人間関係におけるつまずきや環境の変化、仕事や勉強における挫折や失敗、事件・事故・災害等の体験など、ストレスにつながる要因は多岐にわたります。
どのような人が起立性調節障害になりやすいですか?
小学校高学年〜中学生にかけての、自律神経が不安定になりやすい時期になりやすいです。
自律神経が不安定になりやすい時期、とくに小学校高学年〜中学生くらいのお子さんによく見られる病気です。
めずらしい病気ではなく、中高生の2〜3割が症状を経験したことがあるとされています。
また、遺伝的な体質や精神面のストレスがかかりやすさに影響するとも言われています。
起立性調節障害について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「起立性調節障害」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- めまいがしますか?
- 立ったときにふらつきや浮遊する感じが出ますか?
- 体のだるさは朝に強いですか?
- これまでに立ち上がった時や、長時間立っていた時にめまいを感じたことがありますか?
- 意識を一時失いましたか?
起立性調節障害に関連する病気・症状
この記事の監修医師
白石 達也 先生
東日本橋内科クリニック 内科・循環器内科
京都大学医学部卒。田附興風会医学研究所北野病院で臨床研修、仁生社江戸川病院で循環器内科医として勤務。Ubie社での勤務を経て、東日本橋内科クリニック院長。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03