急性骨髄性白血病の進行速度について、年齢別に違いはありますか?
急性骨髄性白血病は高齢者ほど進行が速く、治療反応率や生存率が低下します。
急性骨髄性白血病の進行速度は年齢によって異なり、高齢になるほど進行が速くなる傾向があります。
特に65歳以上の患者さんでは寛解率が45%と低く、8週間以内の死亡率が29%に達することが報告されています。
75歳以上になると、予後はさらに悪化し、寛解率は20%未満、1年生存率は10%未満です(2006年3月報告)。
また、70歳以上の患者さんでは、強力な化学療法を受けた場合でも生存期間中央値は約4.6ヶ月と短く、一部の患者さんが寛解に達するものの、死亡率や再発率が非常に高いことが示されています。
さらに、高齢患者さんでは不良な染色体異常(複雑核型、5番染色体や7番染色体の異常など)の割合が、若年患者さんよりも高く、これが治療への反応性の低下や予後の悪化に寄与しています。
複雑核型を持つ患者さんの寛解率は26%と低く、5年生存率は2%と報告されています(2001年9月報告)。
また、治療開始前の病気の進行が速いことや、治療耐性が高齢患者さんでは高い頻度でみられることが特徴です。
このため、高齢患者さんでは治療の毒性に弱く、寛解後の治療も困難になる場合が多いです。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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