腸重積症の場合、主にどのような治療をしますか?
腸重積症は多くの場合「腸を押し戻す治療」で治ります。
腸重積症の主な治療法は、肛門から空気や造影剤を注入する非観血的整復です。
腸重積症の治療では、手術を行う前に、まず非観血的整復と呼ばれる処置を試みます。これは、肛門から注入した空気や造影剤によって腸に圧をかけ、入り込んだ腸を元の位置に戻す方法です。成功率は8~9割と高く、多くの子どもは手術をせずに回復できます。
一般的に使われるのは、以下の方法です。
- 空気整復法:肛門から空気を注入して圧をかけます。薬剤は使わず、放射線透視や超音波で腸の様子を確認しながら行う、安全性が高い方法です。
- 造影剤整復法:バリウムや水溶性造影剤を注入して圧をかけます。腸の形を映し出しながら治療できる利点がありますが、造影剤が腸外に漏れた場合に腹膜炎を起こすリスクがあります。
腸の血流が長時間障害され、壊死している場合や、非観血的整復でうまく戻らない場合には、手術が必要になります。開腹手術または腹腔鏡手術があり、重なった腸を戻し、壊死している部分があれば切除してつなぎ直します。特に年長児や繰り返す腸重積症では、ポリープやメッケル憩室など「原因となる病変」がないかも調べ、必要に応じ切除します。成人の腸重積症は、腫瘍などの基礎疾患が原因のことが多いため、通常は手術が必要です。
治療の選択肢は、病状の進行度や全身状態によって決まり、早期に診断できれば、多くは非観血的治療で済みます。腸重積を疑う症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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