腸重積症の原因は何がありますか?
腸重積症の多くは明確な原因がなく、自然に起こります。
腸重積症の原因は大きく「特発性(原因不明)」と「器質的病変(腸の構造上の異常)に伴うもの」に分けられます。子どもの腸重積症の大半は特発性で、成人では通常、特定の基礎疾患に関連しています。
小児の腸重積症の約9割は特発性で、特に6ヶ月~2歳ごろの腸重積症の大半は、明確な原因がないまま発症します。背景には、風邪や胃腸炎の後に腸のリンパ組織が腫れて、それが「ひっかかり」となり腸が入り込みやすくなると考えられています。このため、発熱や鼻水、咳などの風邪症状のあとに腸重積を起こす子どもも少なくありません。
一方、年長児や繰り返す腸重積症の場合には、器質的病変が原因となることがあります。代表的なものには、ポリープ、メッケル憩室、腫瘍(リンパ腫など)、腸管重複症などがあります。その他のまれな原因として、解剖学的異常、腸のリンパ組織の肥大、腸の手術後などが挙げられます。
成人の腸重積症の大半は具体的な基礎疾患が原因です。特に腸内の腫瘍(良性または悪性)が最も一般的な原因であり、「ひっかかり」として機能します。その他、以前の手術や炎症による瘢痕組織(癒着)、クローン病などの消化器疾患も腸重積症を引き起こす可能性があります。
乳幼児では多くが自然に起こる一過性のものですが、年齢が高い場合や繰り返す場合には、精密検査で原因を調べる必要があります。いずれの場合も、腹痛や嘔吐、血便などの症状が出た際には早めの受診が重要です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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