慢性骨髄性白血病は治る病気ですか?治る確率はどのくらいですか?
慢性骨髄性白血病は治療成績が良好で、5年生存率は90%以上と高いです。
慢性骨髄性白血病は、BCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場によって、慢性骨髄性白血病にかかっていない人とほぼ同等の余命が得られるようになるまでに治療成績が改善しました。
「治る確率」を5年生存率とほぼ同義と考えますと、本邦での5年全生存率(OS)は、第1世代TKIイマチニブ群 90.4%、第2世代TKIダサチニブ群とニロチニブ群がそれぞれ94.4%、98.4%といずれも非常に優れた成績が報告されています。
一方、TKIは原則として生涯内服しつづける必要がありますが、深い分子遺伝学的奏効(deep molecular response:DMR)を達成した患者さんの一部はTKIを中止できる可能性が指摘されており、そのような状態を無治療寛解(TFR)と呼んでいます。
これまでTKIをストップする臨床試験が多く実施されており、一定の条件下(例えばDMR期間が1~2年以上)でTKIを中止した患者さんの約半数はTFRを長期間維持することが可能であることが明らかとなっています。
現時点では、安全にTKIを中止できる条件が必ずしも明らかとなっていませんが、今後の研究結果が期待されています。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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「慢性骨髄性白血病」とはどのような病気ですか?
血球を産生する造血幹細胞に異常が起こる血液のがんのひとつで、白血球や血小板が異常に増える病気です。
慢性骨髄性白血病の原因は何がありますか?
造血幹細胞にフィラデルフィア染色体という染色体異常が生じ、血液細胞ががん化することが原因です。
慢性骨髄性白血病ではどのような症状がありますか?
疲れやすさ、体重減少、発熱が一般的です。進行すると脾臓の腫れによる左上腹部の違和感、感染症のリスク増加、貧血による息切れや動悸、頭痛、目のかすみ、手足のしびれが現れます。
慢性骨髄性白血病には初期症状はありますか?
初期には症状が乏しいことが多いです。疲れやすさ、体重減少、発熱がみられることがあります。
慢性骨髄性白血病の場合、主にどのような治療をしますか?
チロシンキナーゼ阻害剤という薬を主に使用します。造血細胞移植を行う場合もあります。
慢性骨髄性白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
内科(血液内科)を受診してください。
慢性骨髄性白血病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
慢性骨髄性白血病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
チロシンキナーゼ阻害薬が主に使用され、代表的な薬はイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブです。副作用には胃腸の不調、疲労感、皮膚の異常、むくみ、筋肉や関節の痛みがあります。
慢性骨髄性白血病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
治療選択肢には別のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブ)、アシミニブ、造血細胞移植、化学療法があります。
慢性骨髄性白血病の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
薬の服用、副作用の管理、定期検査、感染予防、健康的な生活習慣が重要です。
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