好酸球性肺炎の診断基準を教えてください。
急性好酸球性肺炎と慢性好酸球性肺炎で診断基準が異なります。
好酸球性肺炎の診断は、主に臨床症状、画像検査、気管支肺胞洗浄(BAL)の結果を組み合わせて行われます。肺の組織検査(生検)は、通常は必要ありません。
急性好酸球性肺炎(AEP)の診断基準は、以下の通りです。
- 短期間の発熱性疾患:1ヶ月以内(多くは1週間以内)に発熱が起こる。
- 低酸素性呼吸不全:部屋の空気で測った酸素飽和度(SpO2)が90%未満、または動脈血酸素分圧(PaO2)が60mmHg未満など、呼吸が苦しく酸素が足りない状態。
- 胸部X線写真でのびまん性肺陰影:肺全体にわたって白い影が見られる。
- 気管支肺胞洗浄(BAL)での好酸球増多:BAL液中の好酸球の割合が25%を超える。
- 既知の原因の除外:薬によるもの、感染症、喘息、アトピー性疾患など、他の好酸球性肺炎の原因がないこと。
慢性好酸球性肺炎(CEP)の診断は、以下の要素を組み合わせて行われます。
- 臨床症状:亜急性(数週間から数ヶ月)にわたる息切れや咳がある。
- 胸部画像診断:CT検査で、主に肺の末梢(外側)や胸膜下(肺の表面に近い部分)、肺の上半分に特徴的な白い影が見られること。これは、肺水腫の「写真のネガ」のような形と表現されることがあります。
- 気管支肺胞洗浄(BAL)での好酸球増多:BAL液中の好酸球の割合が25%以上であること。
- 既知の原因の除外:感染症、薬によるもの、血管炎(血管の炎症)など、他の好酸球性肺炎の原因がないこと。 BALで好酸球が増えていない場合や、CTの影が典型的な形でない場合、あるいはステロイド治療にすぐに反応しない場合は、肺の組織検査(生検)が必要になることがあります。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
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