全身性強皮症の重症度分類について教えてください。
皮膚・肺・心臓・腎臓・消化管など臓器ごとに重症度を評価し、医療費助成の判断にも使われます。
全身性強皮症の重症度は、影響を受ける臓器ごとに段階を分けて評価されます。
臓器別の重症度スコア
全身性強皮症は、皮膚だけでなく肺・心臓・腎臓・消化管など複数の臓器に影響が及ぶことがある病気です。そのため重症度分類も、ひとつの物差しではなく、臓器ごとに段階を分けて評価する方法がとられています。どの臓器にどの程度の負担がかかっているかを把握することで、治療方針や医療費助成の判断に役立てられます。
皮膚のかたさ(皮膚硬化)は、全身17か所の皮膚の厚みを0〜3点で採点する「modified Rodnan's total skin thickness score(mRSS)」という指標で評価します。顔・胸・お腹・手足など決められた部位を実際に触って厚みを確認し、点数化することで、皮膚の硬さの程度や進行の様子を客観的に把握できます。臨床試験でも広く用いられている国際的な標準指標です。
肺は、肺活量の指標であるFVC(努力性肺活量)%予測値と、酸素を取り込む力を示すDLco%予測値を組み合わせて、次の4段階で評価します。
- normal(正常):両方とも80%以上
- mild(軽度):70〜79%
- moderate(中等度):50〜69%
- severe(重度):50%未満
心臓は自覚症状・心電図・心エコー(心臓の超音波検査)の結果から0〜4段階で、腎臓はeGFR(腎臓の働きを示す値で、シスタチンCを用いた測定が推奨されます)の値をもとに、消化管は上部・下部それぞれの病変の状態をもとに、段階的に評価されます。臓器ごとに評価の物差しが異なる点が、この重症度分類の特徴です。
医療費助成の対象となる基準
全身性強皮症は国の指定難病のひとつで、上記の臓器別スコアのうち、もっとも重症度の高いものが「moderate(中等度)」以上にあたる場合に、医療費助成の対象となります。複数の臓器にスコアがつく場合は、その中でいちばん重い評価が基準になります。
また、この基準に届かない場合でも、治療にかかる医療費が高額な状態が続いている患者さんは、「軽症高額該当」として助成の対象に含まれることがあります。臓器別の重症度と医療費の状況、両方の側面から助成の可否が判断される仕組みです。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
Khanna D, et al. Standardization of the modified Rodnan skin score for use in clinical trials of systemic sclerosis.J Scleroderma Relat Disord. 2017;2(1):11-18.(PMID: 28516167)
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編集・監修基準について
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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