不整脈でペースメーカーを植え込んだ場合の禁忌について教えてください。
ペースメーカー植え込み後には、特定の電磁機器の使用や、一部の身体活動・職業に注意が必要です。
ペースメーカー植え込み後には、特定の電磁機器の使用や、一部の身体活動・職業に注意が必要です。
具体的な注意点としては、以下のようなものがあります。
- IH炊飯器を使用する際は、ペースメーカーから50cm以上離してください
- 電気自動車の急速充電器は使用できません
- 低周波治療器、電気風呂、強力な磁石は使用しないでください
- エンジンがかかっている自動車のボンネットの中を覗き込むのも避けましょう
- お店の出入り口にある電子商品監視装置や電子タグのゲートは、立ち止まらずに速やかに通過してください
- 溶接作業のように強い磁場が発生する場所での作業は、原則として避けるべきです
医療行為の際にも注意が必要です。
- 電気メスや高周波アブレーション装置を使用する際は、ペースメーカー本体から15cm以上離し、ペースメーカーの設定を変更したり、心電図を常に監視したりする必要があります
- 放射線治療、特に重粒子線治療はペースメーカーの半導体を破壊する可能性があるため、避けるべきです
- 一部の歯科治療器(電気的根管長測定器、歯髄診断器、イオン注入器)は原則使用できません
- MRI検査は、対応機種であれば定められた条件下で可能ですが、非対応機種の場合は原則禁忌です
身体活動については、ペースメーカーを植え込んだ原因となった心臓の病気の重症度によって制限は異なりますが、ペースメーカー本体に強い衝撃が加わる可能性のある格闘技や、身体接触の多いスポーツ(バスケットボール、サッカー、ラグビーなど)は避けるべきです。リード線に負担がかかる可能性があるため、腕を大きく振る運動(テニスや水泳など)も注意が必要です。
職業に関しては、
- 自動車の運転は、ペースメーカー植え込み後に失神の経験がない場合は原則許可されますが、失神があった場合は制限されます。タクシーやバスなどの旅客輸送を行う第二種免許が必要な運転は認められていません
- パイロットや鉄道運転士など、身体基準が設けられている職業への就労は制限されることが多いです
これらの注意点を守ることで、ペースメーカーと快適に生活を送ることができます。
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
(参考文献)
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