甲状腺眼症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
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甲状腺眼症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
甲状腺眼症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
放射線治療や手術など次の治療法があります。医療機関へのご相談をご検討ください。
甲状腺眼症でステロイド薬の効果が不十分な場合でも、放射線治療や手術療法など次の選択肢が用意されています。ここでは、ステロイドが効きにくいときに検討される主な治療と、新しく承認された薬について解説します。
甲状腺眼症の治療の基本的な考え方
甲状腺眼症は、目の周りに起こる自己免疫性の炎症で、甲状腺の働きが正常な場合や低下している場合にも起こることがあります。まぶたの腫れや眼球突出、複視(ふくし:物が二重に見える症状)などが現れます。治療は、炎症が強い時期にステロイド薬(パルス療法など、点滴で短期間に大量投与する方法)で抑え、炎症がおさまったあとに手術で症状を整える段階的な進め方が基本ですが、重さによっては放射線治療や手術療法を組み合わせることもあります。
甲状腺眼症でステロイドが効かない場合の治療法
最重症の視神経症(目と脳をつなぐ視神経が障害され視力が低下する状態)などで、ステロイド・パルス療法を開始しても2週間ほど改善がみられない場合は、眼窩減圧術(がんかげんあつじゅつ:目のくぼみの骨や脂肪の一部を取り除き圧力を下げる手術)を検討します。中等症〜重症で炎症が活発な時期には放射線外照射療法とパルス療法を併用する方法もあり、有効率は約88%とパルス単独(約77%)や放射線単独(約59%)より高いと報告されています。改善が乏しい難治例では、ステロイドの増量や追加の免疫抑制剤、眼窩減圧術も検討されます。
甲状腺眼症の手術療法(眼窩減圧術)
炎症が落ち着いた後(非活動期)に、眼球突出や複視、まぶたの変形が残る場合は、見た目や機能の回復を目的に手術を検討します。
- 眼窩減圧術:目のくぼみの骨や脂肪を取り除き、圧力を下げる
- 外眼筋手術:目を動かす筋肉を調整し、複視を軽くする
- 眼瞼手術:まぶたの位置や形を整える
手術には感染などのリスクも伴うため、実施の可否は担当医と相談しながら決めていきます。
甲状腺眼症の放射線治療
放射線外照射療法は、目の周囲に放射線を当てて炎症を抑える治療法で、パルス療法と併用すると単独療法より高い有効率が報告されています。
甲状腺眼症の新しい治療薬
日本では、テプロツムマブ(商品名:テッペーザ)が「活動性甲状腺眼症」(炎症が続いている時期の甲状腺眼症)の治療薬として承認され、2024年11月から販売されています。成人に3週間おきに計8回点滴する薬です。軽症の人を対象にした試験は行われていません。また、耳鳴りや聞こえにくさなどの聴覚障害や高血糖などの副作用にも注意が必要とされています。
テプロツムマブは、欧米ではリツキシマブやトシリズマブとともに有用性が報告されてきた抗体薬で、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)は2020年に承認しています。使うかどうかは、症状の重さや炎症の時期、持病などをふまえて決めるため、治療方針に迷う場合は、医療機関でご相談ください。
(参考文献)
日本甲状腺学会・日本内分泌学会「甲状腺眼症診療の手引き Digest版」厚生労働省「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」班 https://www.j-endo.jp/uploads/files/edu/koujyousengansyo_digest.pdf.(参照 2026-11-5).
日本眼科学会「甲状腺眼症」病名から探す病気事典 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=30.(参照 2026-11-5).
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「テッペーザ点滴静注用500mg」添付文書(2025年11月改訂 第3版).https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/112292_1390400D1026_1_02.(参照 2026-11-5).
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ホームクリニックえにし 眼科
恒矢 美貴 監修
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