甲状腺眼症は治る?失明することはある?セルフチェックはできる?

監修医師恒矢 美貴眼科 / ホームクリニックえにし

甲状腺眼症について、特に知りたいことは何ですか?

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甲状腺眼症のセルフチェックはできますか?

セルフチェックは可能ですが、確定診断には医療機関への相談をご検討ください。

甲状腺眼症は、まぶたや眼球に現れる自覚症状からある程度セルフチェックが可能な病気です。ただし確定診断には専門的な検査が必要なため、気になる症状があれば医療機関への相談を検討することが大切です。

甲状腺眼症のセルフチェック方法

甲状腺眼症は、次のような自覚症状から気づかれることが多い病気です。当てはまる項目がないか確認してみましょう。

  • 目や目の周囲の痛み、まぶたの腫れ
  • 目の充血、涙が出やすくなる
  • 眼球が前に突き出て見える
  • 物が二重に見える(複視)
  • 視力の低下や視野の一部が欠ける

これらに当てはまる場合は、症状検索エンジン「ユビー」で質問に回答することでも、甲状腺眼症の可能性を確認できます。セルフチェックはあくまで目安であり、確定診断には眼科・内分泌科での検査が必要です。

甲状腺眼症の症状

甲状腺眼症の症状は、炎症による症状と、進行すると後遺症として残りやすい変化の2つに分けて整理されています。

  • 炎症による症状:目の奥の不快感や痛み、まぶたの腫れや赤み、結膜の充血、涙目、視力低下
  • 後遺症化しやすい変化:まぶたが上がったまま閉じにくくなる、眼球突出、複視、眼球の動かしにくさ

症状の組み合わせや程度には個人差があります。

甲状腺眼症で医療機関への相談を検討すべきサイン

次のような症状がある場合、緊急性が高く、早急な受診が必要な可能性があります。

  • 急激な視力低下や色覚の異常
  • 急激な眼球突出
  • まぶたが閉じられない状態が続く

また、目の違和感や痛み、まぶたの腫れ、複視などが1〜2ヶ月ほど続く、あるいは悪化する場合も、経過を様子見せず医療機関への受診をご検討ください。

(参考文献)

日本甲状腺学会・日本内分泌学会(厚生労働省「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」班)編『甲状腺眼症診療の手引き Digest版』2020年
公益財団法人日本眼科学会『甲状腺眼症』https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=30.(参照 2026-11-4).

甲状腺眼症で失明することはありますか?

重症化すると視神経や角膜の障害により、失明することがあるとされています。

甲状腺眼症は多くの場合、軽症で経過しますが、まれに視神経や角膜が強く傷つき、視力を大きく失うことがあります。ここでは、その仕組みと注意すべきサインを解説します。

甲状腺眼症の原因

甲状腺眼症は、バセドウ病や橋本病といった甲状腺の病気に伴って、目の周囲の筋肉や脂肪組織に炎症が起こる病気です。甲状腺の病気の診断より先に、目の症状が現れることもあります。

甲状腺眼症の症状

初期には、目の奥の違和感や、目を動かしたときの痛み、まぶたの腫れ、白目の充血などがみられます。進行すると次のような症状が現れることがあります。

  • まぶたが吊り上がる、閉じにくくなる
  • 眼球が前に突き出る
  • 物が二重に見える(複視)
  • 視力の低下

甲状腺眼症で失明のリスクが高まるのはどんなとき?

甲状腺眼症の重症度は軽症から最重症まで分けられ、このうち最重症は、視神経が障害される「甲状腺性視神経症」や、角膜(黒目の表面)に潰瘍・穴あき・壊死が生じた状態を指します。この段階では、失明の危険性があるため早急な治療が必要です。急に視力が落ちた、物が二重に見えるようになった、目の痛みが強い、といった変化があるときは注意が必要です。

甲状腺眼症の治療

最重症と判断された場合は、ステロイドパルス療法(点滴によるステロイドの短期集中投与)が行われ、効果が不十分なときは眼窩減圧術(がんかげんあつじゅつ:目の周囲の骨や脂肪を取り除き圧迫を和らげる手術)が検討されます。炎症の活動性が高い場合には、放射線外照射が併用されることもあります。急な視力低下や強い目の痛みなど気になる変化があるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

(参考文献)

日本甲状腺学会・日本内分泌学会「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」班『甲状腺眼症診療の手引き Digest版』(2020年6月刊行版のDigest版)https://www.j-endo.jp/uploads/files/edu/koujyousengansyo_digest.pdf.(参照 2026-11-4).
日本眼科学会「病名から調べる『甲状腺眼症』」日本眼科学会 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=30.(参照 2026-11-4).

甲状腺眼症は治りますか?

炎症は半年〜数年で落ち着くとされますが、眼球突出や複視が残ることがあり、手術で整える場合もあります。

甲状腺眼症は、バセドウ病などに伴って目の周囲の組織に炎症が起こる病気です。炎症は時間がたつと落ち着いていくとされていますが、眼球の突出や物が二重に見える症状などが残ることがあります。炎症が強い時期の治療や、落ち着いたあとの手術によって、日常生活への支障を減らせる可能性があります。

甲状腺眼症とは

甲状腺眼症は、甲状腺の病気であるバセドウ病などに伴い、目の周囲にある脂肪や筋肉(外眼筋)に自己免疫の異常による炎症が起こる病気です。眼球が前方に押し出されたように見える眼球突出や、まぶたの腫れ、物が二重に見える複視などの症状が現れます。

甲状腺眼症の原因

甲状腺眼症は、本来は体を守るはずの免疫が誤って自分自身の組織を攻撃してしまう自己免疫の異常によって起こると考えられています。喫煙は病状を悪化させる要因のひとつとされており、症状の程度にかかわらず禁煙がすすめられています。

甲状腺眼症の症状

症状の程度は軽症から最重症まで幅があり、次の3段階に分けて評価されます。

  • 軽症:軽度の眼球突出やまぶたの腫れなど
  • 中等症〜重症:複視や眼球突出が目立ち、日常生活に支障が出る状態
  • 最重症:視神経症(視神経の障害による視力低下)や角膜穿孔などがあり、失明の危険がある状態

甲状腺眼症の経過

目の周りの炎症は、数週間から数ヶ月かけて強くなり、ピークを越えると自然に落ち着いていくことが多いです。落ち着くまでの期間は、早い人で半年、長い人では数年とされています。
炎症による目の奥の不快感や痛み、充血、涙などの症状は、炎症が落ち着くとともにおさまっていきます。一方で、次のような症状は、炎症が落ち着いたあとも残ることがあります。

  • まぶたの腫れ
  • 見開いたような目つき(まぶたの後退)
  • 眼球の突出
  • 目の動きにくさ、物が二重に見える症状

重症だった人ほど、残る症状も強い傾向があります。こうした症状が残った場合には、手術で整えることが検討されます。

甲状腺眼症の治療法

治療は重症度や炎症の活動性(炎症が活発な時期かどうか)に応じて選択されます。

  • 薬物療法:ステロイドを短期間に大量投与するパルス療法などが行われます。2024年には、炎症が続いている時期(活動性)の甲状腺眼症に使う点滴薬テプロツムマブも国内で承認されました。
  • 放射線療法:眼窩に放射線を照射して炎症を抑える方法です。
  • 手術療法:炎症が落ち着いたあとに、目の機能や見た目を回復させる目的で行われます。

甲状腺眼症の悪化時の受診目安

急激な視力低下や色の見え方の異常、急に眼球が突出してきた場合などは、視神経症や角膜の障害が疑われる緊急性の高い状態です。このような変化に気づいたときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

(参考文献)

日本甲状腺学会・日本内分泌学会(厚生労働省「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」班)『甲状腺眼症診療の手引き Digest版』 https://www.j-endo.jp/uploads/files/edu/koujyousengansyo_digest.pdf.(参照 2026-11-5).
公益財団法人日本眼科学会「甲状腺眼症|日本眼科学会による病気の解説」https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=30.(参照 2026-11-5).
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「テッペーザ点滴静注用500mgに係る医薬品リスク管理計画書」(2025年10月21日提出)hhttps://www.pmda.go.jp/RMP/www/112292/bbb70dbd-c49e-44e0-8502-6791b144ae0d/112292_1390400D1026_003RMP.pdf.(参照 2026-11-5).

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