甲状腺眼症は主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

甲状腺眼症は、甲状腺機能異常に伴う目の炎症や腫れを特徴とする病気です。治療の目的は、炎症を抑え、視力の保護や目の外観の改善を図ることです。
具体的な治療薬としては、主にステロイド（ステロイド・パルス、経口ステロイド）、ボツリヌス毒素、トリアムシノロンが用いられます。

特に重大な副作用については以下で説明します。

ステロイド・パルス

• 呼吸困難、発疹などのショック症状、アナフィラキシー症状（頻度：0.08%）
• 心停止、不整脈、心破裂などの心臓の異常（頻度不明）
• 感染症（頻度：2.54%）
• 副腎皮質機能不全（頻度不明）
• 骨粗鬆症（頻度不明）
• 大腿骨や上腕骨の壊死（頻度：0.36%）
• 胃や腸に穴が開く（頻度：0.02%）
• 消化管の出血（頻度：0.80%）
• 消化管のただれ（頻度：0.02%）
• 筋力低下、筋肉の萎縮（頻度不明）
• 血の塊ができやすくなる（頻度不明）
• 頭蓋内の圧力の上昇（頻度不明）
• けいれん（頻度不明）
• うつ状態（頻度：0.02%）
• 糖尿病（頻度：3.95%）
• 緑内障や白内障などの目の病気（白内障は頻度：0.09%、その他は頻度不明）
• 気管支喘息（頻度不明）
• うっ血性心不全（頻度：0.02%）
• 食道炎（頻度不明）
• カポジ肉腫（頻度不明）
• アキレス腱などの腱断裂（頻度不明）
• 肝機能障害（頻度：1.21%）
• 肌や白目が黄色くなる（頻度不明）
• （リンパ系腫瘍患者さんの使用時）がん細胞の急速な崩壊に伴う腎障害（頻度不明）

経口ステロイド（いずれも頻度不明）

• 感染症
• 糖尿病
• 消化管のただれや出血、穿孔
• 膵炎
• うつ状態
• けいれん
• 骨粗鬆症
• 大腿骨や上腕骨の壊死
• 筋力低下、筋肉の萎縮
• 緑内障、白内障などの目の病気
• 血の塊ができやすくなる
• 心筋梗塞
• 脳梗塞
• 動脈瘤
• 硬膜外脂肪腫
• アキレス腱などの腱の断裂

ボツリヌス毒素

• 呼吸困難、発疹などのショック症状、アナフィラキシー症状（頻度：0.01%）
• 角膜に傷ができるなどの目の症状（頻度：0.34%）
• 嚥下障害（頻度：0.75%）
• 呼吸障害（頻度：0.03%）
• けいれん発作（頻度：0.01%未満）
• 排尿がうまくできなくなる（頻度：0.05%）
• 尿路感染症（頻度：0.06%）

トリアムシノロン（いずれも頻度不明）

• 感染症
• 副腎機能不全、糖尿病
• 胃などのただれ
• 膵炎
• うつ状態
• けいれん
• 骨粗鬆症
• 大腿骨や上腕骨の壊死
• 筋力低下、筋肉の萎縮
• 緑内障
• 白内障
• 血の塊ができやすくなる
• 呼吸困難、発疹などのショック症状、アナフィラキシー症状
• 喘息の悪化
• 視力障害、失明
• 注射による腱の断裂

これらの薬剤には上記以外にも副作用が確認されています。気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に相談しましょう。