慢性骨髄性白血病の慢性期、移行期、急性期とは何ですか?

慢性骨髄性白血病の病期に応じた分類になります。

解説

慢性骨髄性白血病の慢性期、移行期、急性期とは、病気の進行度に応じた分類のことです。

発症から3~5年の慢性期は、白血病細胞もある程度分化能(成熟する能力)があるため、正常の血球とほぼ同じ働きをすることから、自覚症状に乏しいですが、血液検査により白血球数の増加や血小板の増加を認め、85%の患者さんがこの段階で診断されます。
その後進行すると、白血病細胞の分化能は失われ、骨髄や血液中に芽球と呼ばれる未熟な白血病細胞が増加する移行期(3~9ヶ月間)になります。
さらには、白血病細胞の分化能がほぼなく、急性白血病のように芽球が無限に増殖する急性期に進展します。

European LeukemiaNet(ELN)

慢性骨髄性白血病の移行期、急性期は以下のようなEuropean LeukemiaNet(ELN)による規準があります。

移行期

以下のいずれかひとつに該当する
・末梢血あるいは骨髄における芽球(赤血球、白血球などに成長する能力を失った細胞)の割合が15~29%、または芽球と前骨髄球が30%以上
・末梢血における好塩基球の割合が20%以上
・治療に無関係の血小板減少がみられる(血小板数が10万/μL以下)
・染色体異常 治療中の付加的な染色体異常の出現

急性期

以下のいずれかひとつに該当する
・末梢血あるいは骨髄における芽球の割合が30%以上
・骨髄以外の場所に白血病細胞が漏れ出す(脾臓を除く)

公開日

最終更新日

兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科

山原 研一 監修

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(参考文献)

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