機能性月経困難症はセルフチェックできる?機能性月経困難症
監修医師金沢 誠司産婦人科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
機能性月経困難症と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「機能性月経困難症」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「機能性月経困難症」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、腹痛(18%)、生理痛(15%)、月経周期異常(15%)などでした。
受診した診療科は、産婦人科(48%)、婦人科(39%)、内科(7%)の順でした。
ユビーなら無料で、症状に関連のある病気や診療科をチェックできます
機能性月経困難症とは
月経(生理)に伴って起こる病的症状がある状態のことです。強い下腹部痛や腰痛が主な症状です。子宮内膜症などが原因となる器質性月経困難症と、明らかな原因が特定できない機能性月経困難症に分けられます。
器質性月経困難症の診療計画書とは何ですか?
器質性月経困難症に対する診療計画書とは婦人科特定疾患治療管理料を算定するために必要と定められているものです。
器質性月経困難症の計画書とは、治療内容や治療方針など、治療の計画を記載した文章です。器質性月経困難症に対して婦人科特定疾患治療管理料を算定するにあたって、診療計画書の策定が義務付けられています。
具体的な診療計画書の策定に当たっては、患者の病態、社会的要因、薬物療法の副作用や合併症のリスク等を考慮しながら、現在の治療方針や治療の状況、長期的な治療計画などを盛り込む必要があります。
これらを満たした診療計画書を作成することで、ホルモン剤を投与している器質性月経困難症の方に対して、3か月に一度、婦人科特定疾患治療管理料を算定することができます。
「機能性月経困難症」とはどのような病気ですか?
「機能性月経困難症」とは、原因となる病気がないのに月経期や月経直前に強い腹痛や腰痛、頭痛などが見られる病気です。
月経に伴って強い腹痛や腰痛、頭痛、倦怠感、気分不快などの症状がある場合に、月経困難症とよびます。月経困難症は大きく分けて2つあり、子宮内膜症など月経困難症となる明らかな病気が他にある場合を「器質性」月経困難症、明らかな原因がない場合を「機能性」月経困難症と分類します。
「機能性」月経困難症は、初経から数年以内に始まることが多く、思春期や比較的若年の女性に多いとされています。多くの場合、月経と共に症状が出現し、72時間以内に改善します。痛み止めや低用量ピルなどの薬を用いて治療を行います。
機能性月経困難症の症状
機能性月経困難症の下腹部痛はどのような痛みですか?
感じ方には個人差がありますが、「下腹部の奥のほうがぎゅーっとねじられるような」痛みなどと表現されることもあります。
機能性月経困難症における下腹部痛は、主にプロスタグランジンという物質によって子宮の筋肉が強く収縮することによって生じる痙攣性の痛みとされており、「ぎゅーっとねじられる」ような痛みなどと表現されることがあります。
下腹部だけではなく、腰や大腿部にかけて痛みが広がることもあります。症状が強い場合には冷や汗をかくほどの強い痛みとなることもあります。
また、下腹部を中心とした痛みだけでなく、気分不快、吐き気、頭痛などの症状を認めることもあります。
機能性月経困難症の症状が特に起きやすい時期について教えてください。
機能性月経困難症は特に思春期などの若年女性においてみられやすいとされています。
月経困難症は、明らかな原因がない機能性月経困難症と原因となる子宮・卵巣の病気がある器質性月経困難症に分けられます。
このうち、機能性月経困難症は10代から20代にかけての若年女性によくみられることが知られています。
日本の女子中学生の約半数において中等度以上の月経困難症を認めたという報告もあります。
一方で、器質性月経困難症は子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮や卵巣の病気になりやすい30代から40代にかけて多くなる傾向があります。
参考文献
Hassan Nagy et al.“Dysmenorrhea”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560834/,(参照 2025-05-21).
Mie Kazama et al.“Prevalence of dysmenorrhea and its correlating lifestyle factors in Japanese female junior high school students”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26027596/,(参照 2025-05-21).
機能性月経困難症には初期症状はありますか?
初期にみられやすい症状は特にありません。
機能性月経困難症に、特定の初期症状はありません。
なお、機能性月経困難症で最もよく見られる症状は、月経開始前後からの下腹部痛です。この痛みは、子宮を収縮させる働きがあるプロスタグランジンという物質が、子宮内で多く産生されることによって引き起こされることがあります。
「機能性」月経困難症の方は、このプロスタグランジンの量が多い可能性があります。プロスタグランジンは子宮の収縮のみならず、頭痛や気分不快などの原因になるともいわれています。このため、頭痛、吐き気、情緒不安定などの症状が伴うことがあります。
機能性月経困難症ではどのような症状がありますか?
下腹部痛、腰痛、お腹の張り、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振などがみられます。
機能性月経困難症では主に以下のような症状が見られます。
月経の初日〜2日目の出血が多い時に症状が強いとされており、通常72時間以内に症状は軽快します。
ひどい生理痛は機能性月経困難症が原因ですか?
機能性月経困難症が原因の可能性はあります。このほか、子宮内膜症や子宮腺筋症などの子宮や卵巣の病気が原因の可能性もあります。
ひどい生理痛(月経痛)は月経困難症の症状のひとつであり、機能性月経困難症のほかに器質性月経困難症の可能性もあります。
子宮内膜症や子宮腺筋症などの明らかな原因がある場合に「器質性」月経困難症と呼び、明らかな原因がない場合に「機能性」月経困難症と呼びます。
そのため、月経痛がひどい場合には、機能性月経困難症と思いこまずに、子宮内膜症などのほかの病気がないか確認することが必要です。
機能性月経困難症の原因
機能性月経困難症の原因は何がありますか?
子宮を収縮させる物質(プロスタグランジン)の量や子宮の形、大きさなどが影響していると考えられています。
明らかな原因がないとされる「機能性」月経困難症ですが、以下のようなことが影響して強い症状が起こると考えられています。
プロスタグランジン
子宮を収縮させる働きがあるプロスタグランジンという物質が、子宮内で多く産生されることで子宮の収縮に伴う下腹部の痛みが強くなります。「機能性」月経困難症の方は、このプロスタグランジンの量が多い可能性があります。プロスタグランジンは子宮の収縮のみならず、頭痛や気分不快などの原因になるともいわれています。
子宮の形、大きさ
月経血は子宮の出口(頸管)を通って腟内へと流出しますが、この子宮頸管が長かったり、子宮頸管の内腔や出口が狭いと月経血がうまく流れることができずに強い痛みの原因となります。
機能性月経困難症の検査・診断
機能性月経困難症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
月経時期に以下のような症状が強く見られる場合には、機能性月経困難症の可能性があります。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で機能性月経困難症かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
どのくらいの生理痛の重さなら機能性月経困難症ですか?レベル診断はできますか?
日常生活に支障を来す症状がある場合には、月経困難症であると考えられます。
月経に伴い日常生活に影響があるような症状があるものの、子宮内膜症などの明らかな原因がない場合に、機能性月経困難症と判断します。
決まったレベル診断はありませんが、症状の程度に応じて概ね以下のように分類することもできます。
1. 月経に伴う痛みがほぼない
2. 痛み止めなどの使用で十分に対処できる
3. 痛み止めを使用しても症状が残る
痛み止めを使用しても症状が残る場合には、低用量ピルの内服なども選択肢となります。産婦人科へ相談するようにしましょう。
器質性月経困難症の診断基準について教えてください。
月経ともに強い下腹部痛をはじめとした症状がある場合に月経困難症と判断します。この中で特に原因となる婦人科の病気がある場合に器質性月経困難症と診断します。
器質性月経困難症とは、婦人科の病気が原因で月経困難症が生じている場合に診断します。月経時あるいは月経直前より始まる強い下腹部痛や腰痛を認める場合に月経困難症と呼びます。
月経困難症の中でも、子宮内膜症や子宮腺筋症など、月経困難症の原因となる婦人科の病気がある場合には、器質性月経困難症と診断します。そのため、症状などの問診に加えて経腟(けいちつ)超音波をはじめとした婦人科診察を行うことが重要です。
月経困難症の場合には、下腹部痛や腰痛のみならず、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感などを伴うこともあります。
機能性月経困難症の検査方法について教えてください。
婦人科診察などで子宮や卵巣に月経困難症の原因となる病気がないか確認します。
月経困難症は「月経時に繰り返し生じる下腹部痛や不快な症状によって、日常生活に支障をきたす状態」をもって診断します。そのため、問診が診断の中心となります。
一方で子宮や卵巣に明らかな病気がない「機能性月経困難症」なのか、子宮や卵巣に原因となる病気がある「器質性月経困難症」なのかについての判断には婦人科診察が必須となります。
視触診に加えて、経膣超音波検査などを行い子宮内膜症や子宮筋腫などの病気の有無を確認することが一般的でしょう。
機能性月経困難症の診断基準は何ですか?
月経に伴う強い症状があり、他に痛みの原因となる病気がない場合に機能性月経困難症と診断します。
機能性月経困難症は、問診と診察によって診断します。
問診
機能性月経困難症の診断において問診は非常に重要です。以下のような項目を特に注意して確認します
- 初経年齢
- 発症時期
- 最近の月経の状態
- 月経中の症状
- 症状のある時期や期間
- 症状がピークとなる時期
診察
超音波検査などを通して、子宮やその周りに病気がないかを調べます。
子宮内膜症など月経困難症となる明らかな原因がある場合には、器質性月経困難症と診断します。
参考文献
公益社団法人 日本産婦人科医会.“(1)月経困難症”.公益社団法人 日本産婦人科医会.https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%881%EF%BC%89%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87/#:~:text=%E3%83%BB%20%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87%E3%81%AF%E6%9C%88%E7%B5%8C,%E3%81%AE%E9%A0%86%E3%81%AB%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%EF%BC%8E,(参照 2024-01-31).
Hassan Nagy.“Dysmenorrhea”.StatPearls.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560834/,(参照 2024-01-31).
機能性月経困難症の治療・対処法
機能性月経困難症への対処法は?
市販の痛み止めでも改善ない場合は、他の痛み止めや漢方、ピルなどの薬による治療が必要になりますので、産婦人科受診をお勧めします。
器質性月経困難症は婦人科特定疾患治療管理料の対象ですか?
はい、婦人科特定疾患治療管理料の対象となります。
器質性月経困難症は、婦人科特定疾患治療管理料の対象となります。
婦人科特定疾患治療管理料とは、令和2年度の診療報酬改定において新設された項目であり、主に以下のような状況で3か月に一度算定できます。
- 外来通院中の器質性月経困難症の患者に対してホルモン剤を投与していること
- 患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行うこと
また算定できる施設の条件として、器質性月経困難症に関する研修を受けた常勤の産婦人科医がいることが必要となっています。
器質性月経困難症の治療にピルは有効ですか?
器質性月経困難症の治療に低用量ピルは有効です。
多くの場合、器質性月経困難症の治療に低用量ピルは有効です。器質性月経困難症の治療として、NSAIDsなどの鎮痛剤や低用量ピルをはじめとしたホルモン剤を用いることが一般的です。
低用量ピルを使用することで、月経痛の改善や月経による出血量の減少に加えて、製剤や使用法によっては月経の頻度を減らすことができます。
一方で、すべての器質性月経困難症の方に低用量ピルが向いているとは限りません。低用量ピルによる副作用などもあるため、主治医と相談のうえ適切な治療法を選択することが望ましいでしょう。
機能性月経困難症は治りますか?
機能性月経困難症は加齢や、妊娠出産などに伴い改善することもあります。
機能性月経困難症は、思春期や若年の女性に多いとされており、加齢や妊娠出産を経て緩和されることも少なくありません。
一方で、当初は機能性月経困難症と思っていても、子宮内膜症などが顕在化して器質性月経困難症となることもあります。その場合は、症状がむしろ悪化していくこともあります。
自然に治ることを期待しすぎずに、産婦人科を定期的に受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
参考文献
Hassan Nagy.“Dysmenorrhea”.StatPearls.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560834/,(参照 2024-01-31).
日本産科婦人科学会.“産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020”..https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf,(参照 2024-01-31).
公益社団法人 日本産婦人科医会.“(1)月経困難症”.公益社団法人 日本産婦人科医会.https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%881%EF%BC%89%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87/#:~:text=%E3%83%BB%20%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87%E3%81%AF%E6%9C%88%E7%B5%8C,%E3%81%AE%E9%A0%86%E3%81%AB%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%EF%BC%8E,(参照 2024-01-31).
機能性月経困難症の場合、主にどのような治療をしますか?
主に痛み止めや低用量ピルなどを用いた薬物治療を行います。
機能性月経困難症の治療法として以下のようなものが挙げられます。
痛み止め
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる痛み止めを用いることが一般的です。機能性月経困難症の原因と考えられているプロスタグランジンという子宮を収縮させる物質の産生量を抑えることで痛みを緩和します。
低用量ピル
月経血量を減らすことで月経時の痛みも緩和することができます。薬剤によっては月経回数自体を減らすこともできます。
ホルモン持続放出型子宮内器具
子宮内に女性ホルモンを放出する特殊な器具を挿入することで、月経血量の減少や痛みの緩和が期待できます。
出産歴のある女性などにおいて、よく用いられる傾向があります。
その他
漢方薬が有効な可能性があります。また、不安や緊張が強い場合には心理カウンセリングが有効なこともあります。
これらの治療を行っても十分な効果が得られない場合には手術も考慮されます。
受診の目安・何科を受診するべきか
器質性月経困難症の名医の探し方を教えてください。
産婦人科専門医や日本女性医学会の専門医の中から探してみるのもよいかもしれません。
日本産婦人科学会の専門医や、日本女性医学会の専門医は月経困難症の専門家と考えられます。お住まいの近くから上記専門家を探してみるのがよいかもしれません。
なお専門医・専門家であることと、あなたが名医と感じるかどうかは必ずしも一致しません。医療関係者の知り合いなどがいる場合には、相談してみるのもよいでしょう。
器質性月経困難症を放置するとどうなりますか?
月経困難症の原因となっている子宮内膜症などの婦人科疾患が増悪する恐れがあります。
器質性月経困難症とは子宮内膜症、子宮腺筋症などの婦人科領域の病気が原因となって月経困難症が生じている状態です。適切な治療を行わずに放置することで、これらの原因疾患が増悪する可能性があります。
特に子宮内膜症は、月経困難症のみならず不妊症や将来的な卵巣がんの発生母体にもなる病気です。放置することで痛みが増強するのみならず、妊娠しにくくなったり、卵巣がんのリスクが増す可能性もあります。
器質性月経困難症の場合には、定期的に医師の診察を受けて状況を確認するとよいでしょう。
機能性月経困難症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
産婦人科を受診しましょう。日常生活に影響がある場合には積極的な受診をおすすめします。
機能性月経困難症が疑われる場合には、産婦人科を受診しましょう。
学校の授業や仕事に集中できない、毎月欠席、欠勤してしまうなど、日常生活に影響がある場合には積極的な受診を推奨します。また、機能性月経困難症と思っていても、子宮内膜症など月経困難症の原因となる婦人科の病気が隠れていることもあります。
医療機関で適切な治療を受けることで日常生活の質を改善するだけでなく、将来的な婦人科の病気を予防することができる可能性があります。
機能性月経困難症の専門医がいる近くの病院はありますか?
機能性月経困難症の専門医がいる病院を見る機能性月経困難症の薬
ピル以外に生理を止める薬はありますか?
一般的なピルとは異なるホルモン剤を使用することでも月経を止めることができます。
ピルというと、避妊目的で使用される低用量経口避妊薬や、月経困難症に対して用いる低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)を表すことが一般的です。
これらの薬剤の使用中は、月経が起きにくいとされていますが、ほかにも月経を止める効果が期待されるホルモン剤があります。
代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
1.GnRHアゴニスト・GnRHアンタゴニスト
脳から卵巣を刺激するホルモンの作用を妨げることで、卵巣機能を抑制します。偽閉経療法とも呼ばれており、月経を止める効果が強い薬剤です。
2.黄体ホルモン剤
持続的に内服することで、徐々に出血量が減少し、月経が止まることも少なくありません。子宮内膜症に伴う月経困難症などで用いることが多い薬剤です。
機能性月経困難症の治療にはどのような薬が使われますか?
機能性月経困難症の治療には、鎮痛剤や低用量ピルなどを用いることが多いでしょう。
機能性月経困難症に対する主な治療は、以下の通りです。
鎮痛剤
第一選択として、ロキソプロフェンなどの鎮痛剤の内服が挙げられます。ある程度即効性もあり、症状が出現してからの内服で効果が期待できます。
低用量ピル
即効性はありませんが、低用量ピルを内服することで、月経に伴う諸症状を緩和できる可能性があります。また、種類によっては、月経の回数自体を減らす効果があることもあります。
その他
漢方薬の内服なども有効なことがあります。また、薬剤ではありませんが、生活習慣の改善や十分な休養が症状の緩和に有効なこともあります。
機能性月経困難症の痛みに漢方薬は効果がありますか?
機能性月経困難症に対して漢方薬が有効なこともあります。
機能性月経困難症に対して、漢方薬が有効なこともあります。機能性月経困難症に対する第一選択としては、NSAIDsを始めとした鎮痛剤や低用量ピルなどのホルモン剤ですが、漢方薬が効果的なこともあるとされています。
具体的には、芍薬甘草湯や当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などが用いられることが多いでしょう。一般的には漢方薬に即効性はありませんが、芍薬甘草湯は筋肉の痙攣を抑える効果があるとされており、月経痛が激しい場合に頓用することも可能です。
月経困難症にピルは効果がありますか?
ピルは月経困難症の治療に効果的です。
ピルは鎮痛剤とならび、月経困難症に対する代表的な治療薬のひとつです。
ピルは排卵や子宮内膜の増殖を抑制することで、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質の産生を減らし、鎮痛効果を発揮するとされています。
ピルには避妊効果があることも多いため、妊娠を希望しておらず、月経困難症で悩む女性に対する第一選択薬のひとつとなります。
一方で、喫煙者や40歳以上の方などは、血栓症などの副作用に注意が必要な場合もあるので、医師の指示のもと、適切に使用するようにしましょう。
参考文献
(1)月経困難症.日本産婦人科医会,https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%881%EF%BC%89%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87/(参照 2025-05-27)
日本産科婦人科学会. 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023. 日本産科婦人科学会. 2023
Rania Itani et al. Primary Dysmenorrhea: Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment Updates. Korean J Fam Med. 2022, 43, 101–108.
対処法・セルフケア
機能性月経困難症による生理痛と悪寒の対処法を教えてください。
機能性月経困難症による月経痛や悪寒への主な対処法としては、鎮痛剤の内服が挙げられます。
機能性月経困難症による月経痛や悪寒への主な対処法は、以下の通りです。
鎮痛剤
すでに月経痛や悪寒が生じている場合には、主な対処法としてロキソプロフェンなどの鎮痛剤の内服が挙げられます。ある程度即効性もあり、症状が出現してからの内服で効果が期待できます。
低用量ピル
即効性はありませんが、低用量ピルを内服することで、次周期からの月経に伴う諸症状を緩和できる可能性があります。
その他
十分な休養や漢方薬の内服なども有効なことがあります。
機能性月経困難症に対して自分でできる、即効性のある対処法はありますか?
温熱療法や市販の鎮痛剤、栄養バランスが取れた食事が効果的な可能性があります。
温熱療法で、症状のひとつである痛みが和らぐため、実践している人も多いでしょう。機能性月経困難症の下腹部の痛みには、NSAIDsと同等の効果があるとも報告されています。
また、市販の鎮痛剤を使うと痛みは和らぎます。適度な運動やビタミン・ミネラルが豊富な栄養バランスが取れた食事も、機能性月経困難症の症状改善に効果的な可能性がありますが、即効性を求めるのは難しいでしょう。
これらの方法を試しても、症状が改善しない場合、我慢せずに婦人科を受診して、適切に対処しましょう。
機能性月経困難症に関連するその他の質問
機能性月経困難症で下腹部が痙攣することはありますか?
機能性月経困難症では、下腹部が痙攣しているような痛みを感じることがあります。
機能性月経困難症では、子宮が収縮することで下腹部が痙攣しているような、ギュッと絞られるような痛みを感じることがあります。
月経困難症の方に限らず、月経時には子宮内膜にある細胞が剥がれ落ちますが、この時にプロスタグランジンと呼ばれる物質が放出されて、子宮の収縮を促します。そのため、下腹部が痙攣しているような痛みを感じることがあります。
痛みの程度が、特にひどい場合に月経困難症と呼び、下腹部が痙攣しているような強い痛みと表現されることもあります。
腰痛は全くなく、下腹部痛だけの場合も機能性月経困難症に当てはまりますか?
もちろんです。日常生活に支障をきたすような痛みであれば月経困難症であるといえます。
月経困難症といっても症状の程度や感じる部位は様々です。
一般的には、「月経時に繰り返し生じる下腹部痛や不快な症状によって、日常生活に支障をきたす状態」をもって月経困難症であると診断します。
腰痛が全くない場合でも日常生活に支障をきたすような強い痛みがある場合には月経困難症ということができます。
機能性月経困難症か器質性月経困難症については、婦人科診察をしてみないと正確に判断することは難しいです。
月経困難症がある場合には、子宮や卵巣に問題がないか一度婦人科で確認してみると良いでしょう。
機能性月経困難症に10代、20代、30代、40代の違いはありますか?
一般的に若年女性に多いとされています。症状は年齢による違いよりも、個人差の方が大きいでしょう。
機能性月経困難症は、一般的に若年女性において頻度が高いとされており、特に思春期から20代前半の女性に多くみられます。20代後半以降、機能性月経困難症の頻度は低下します。
一方で、子宮内膜症や子宮筋腫などの骨盤内の病気が原因となる、器質性月経困難症の頻度は年齢とともに増加します。
機能性月経困難症の症状は、年齢とともに改善する傾向にありますが、上述の通り、子宮内膜症などを発症することで月経困難症自体は悪化することもあるなど、月経に伴う症状の年齢による推移は個人差が大きいです。
4日目でも生理痛がひどい場合、機能性月経困難症の可能性がありますか?
生理痛が4日目でもひどい場合、機能性月経困難症の可能性があります。
生理痛が4日目でもひどい場合、機能性月経困難症の可能性はあります。
月経困難症は、月経期に日常生活に支障をきたすような強い症状がある場合に診断されるもので、その中でも骨盤内に明らかな原因となる病気がない場合に、機能性月経困難症と呼びます。特に思春期から20代前半の女性に多くみられます。
月経が4日目にもかかわらず、痛みがひどい場合には、少なくとも月経困難症と考えられます。
機能性月経困難症か、骨盤内になんらかの病気がある器質性月経困難症かの鑑別は、通常、婦人科での診察所見をもとに行います。
機能性月経困難症でも妊娠できますか?
はい。機能性月経困難症でも妊娠することは可能です。
機能性月経困難症は、特に思春期から若年の女性が経験するものです。月経困難症があっても、妊娠することは可能です。
一方で、子宮内膜症や子宮腺筋症など子宮や卵巣の病気に伴う器質性月経困難症の場合には、妊娠・出産に対して不利益が生じることもあります。
このため、生理痛がつらいときは一人で悩んだり我慢したりするのではなく、産婦人科へご相談ください。
参考文献
Susan A Treloar .“Early menstrual characteristics associated with subsequent diagnosis of endometriosis”.PubMed.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20022587/,(参照 2024-01-31).
公益社団法人 日本産婦人科医会.“(1)月経困難症”.公益社団法人 日本産婦人科医会.https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%881%EF%BC%89%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87/#:~:text=%E3%83%BB%20%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87%E3%81%AF%E6%9C%88%E7%B5%8C,%E3%81%AE%E9%A0%86%E3%81%AB%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%EF%BC%8E,(参照 2024-01-31).
器質性月経困難症で使うホルモン剤の種類を教えてください。
低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤、黄体ホルモン製剤、GnRHアゴニスト・アンタゴニスト製剤などが挙げられます。
器質性月経困難症で用いる主なホルモン剤は以下の通りとなります。
低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤
器質性月経困難症に対する代表的なホルモン剤となります。痛みや経血量の軽減が期待できます。
黄体ホルモン製剤
ジエノゲストなどの黄体ホルモン製剤を月経困難症に対して用いることがあります。特に内膜症がある場合などに用いることが多いです。また、レボノルゲストレル放出子宮内システムと呼ばれる、子宮内に挿入するタイプのものもあります。
GnRHアゴニスト・アンタゴニスト製剤
偽閉経療法と呼ばれるもので、月経困難症に対して改善効果が期待できます。手術前などの一時的な目的で使用することが多いでしょう。
10代や20代などの若年層でも機能性月経困難症になるリスクはありますか?
あります。年齢は関係ありません。
あります。機能性月経困難症の発症に、若年層かどうかは関係ありません。
機能性月経困難症とは、原因となる病気がないのに、月経前になると下腹痛、腰痛、吐き気、頭痛、腹部膨満感、イライラなどの症状がみられる病気です。
これは、プロスタグランジンと呼ばれるホルモンの働きなどによって、子宮が過剰に収縮するために起こり、若年層でも発症するリスクはあります。
年齢や妊娠出産とともに軽快すると言われることも多いですが、症状がある場合は、我慢してやり過ごさずに対処することをおすすめします。婦人科を受診して相談しましょう。
機能性月経困難症と子宮内膜症の違いを教えてください。
子宮内膜症などの月経困難症の原因となる病気がない場合に、機能性月経困難症と診断します。
症状は似ていますが、原因の有無が大きく異なります。子宮内膜症は、器質性月経困難症の原因となる代表的な病気のひとつであり、子宮内膜に似た組織が子宮外に広がる病気です。一方、機能性月経困難症は子宮や卵巣に月経困難症の原因となる明らかな病気がない場合に診断するものです。
子宮内膜症に伴う器質性月経困難症では、徐々に悪化する月経困難症や性交痛、排便痛などが代表的な症状となります。不妊症や将来的な卵巣がんのリスクなどもあるため、これらの症状がある場合には、早めに婦人科で相談するとよいでしょう。
月経困難症と月経前症候群(PMS)の違いはなんですか?
月経困難症と月経前症候群(PMS)は、症状が現れる時期や種類に違いがあります。
月経困難症と月経前症候群(PMS)は、症状が現れる時期や種類に違いがあります。
月経困難症
- 症状の発現時期:生理中に症状が現れます。
- 主な症状:下腹部痛、腰痛、吐き気、頭痛、疲労感、欲低下、下痢、イライラ、抑うつなど。
- 原因:プロスタグランジンという物質が子宮内膜から分泌され、子宮の過収縮を引き起こすことが主な原因です。
月経前症候群(PMS)
- 症状の発現時期:生理前の3~10日間に症状が現れ、生理が始まると軽減または消失します。
- 主な症状:情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、食欲不振、過食、のぼせ、めまい、倦怠感、乳房の張りなど。
- 原因:女性ホルモンの変動が関与していると考えられています。
どちらの症状も生活の質に大きな影響を与えるため、症状がひどい場合は婦人科を受診して、適切な治療を受けることが大切です。
機能性月経困難症は遺伝する病気ですか?
いわゆる遺伝性疾患ではありませんが、遺伝的な関与もあるようです。
機能性月経困難症はいわゆる遺伝性疾患ではありません。
ただし機能性月経困難症の家族歴がある場合には有病率が高くなることが知られており、遺伝的な要素があると考えられています。
双子を対象としたアンケート調査でも同様の結果が得られています。一方で、家族歴があるからといって必ずしも機能性月経困難症になるというわけではありません。
生活習慣やストレスなどの環境要素も深く関わっているため、過度なストレスを避け、規則正しく健康的な生活をすることで改善する可能性もあります。
参考文献
Phillip Aouad et al.“Primary dysmenorrhoea in adolescents and young women: A twin family study of maternal transmission, genetic influence and associations”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35754341/ ,(参照 2025-05-21).
Hong Ju et al.“The prevalence and risk factors of dysmenorrhea”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24284871/,(参照 2025-05-21).
機能性月経困難症は病気ではないのですか?
機能性月経困難症は治療可能な病気です。月経について悩みがある場合は婦人科を受診しましょう。
機能性月経困難症は、月経に伴い強い症状があることから、治療すべき病気だと考えられます。
治療することで、日常生活の質が向上し、学業や仕事により集中できるようになることも期待できます。
月経に伴う症状が辛い場合には、一人で悩んだり我慢したりするのではなく、積極的に産婦人科を受診しましょう。
機能性月経困難症について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「機能性月経困難症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 普段から生理痛が強いと感じますか?
- 骨盤の痛みはありますか?
- お腹の下の方が痛みますか?
- 頭痛がありますか?あるいは頭が重いですか?
- 疲れやすさを感じていますか?
機能性月経困難症に関連する病気・症状
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この記事の監修医師
金沢 誠司 先生
産婦人科・産科・婦人科
産婦人科専門医・医学博士。新潟大学医学部卒、東北大学大学院修了。 国立成育医療研究センター等の高度周産期施設で胎児診療や臨床研究に従事したのち、Ubie株式会社にて医療AI開発を通じた医療のDX化を推進。 現在は、臨床の最前線で胎児超音波や出生前診断を専門としつつ、これまでの臨床知見とAI開発経験を融合。女性がライフスタイルに合わせて健康をデザインする「マタニティ・ストラテジスト」として活動。全女性が根拠ある医療情報を手にし、戦略的に体調を管理するためのメディア [Platform Women's](https://platform-womens.jp/) を主宰している。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03