全身性強皮症を放置するとどうなりますか?
病型により経過は異なり、治療開始が遅れると合併症が進行することがあります。
全身性強皮症を治療せずに経過をみた場合、その先の見通しは病型によって異なります。
病型によって異なる自然経過
全身性強皮症を治療せずに経過をみた場合、その先の見通しは病型によって異なります。びまん皮膚硬化型では発症から5〜6年以内に皮膚硬化が進み内臓病変が出現しやすいため、できるだけ早期に治療を始め、内臓病変の合併や進行を抑えることが極めて重要とされています。一方、限局皮膚硬化型は皮膚硬化の進行がない、またはあってもごく緩やかで、肺高血圧症以外の重い内臓病変を合併することは少なく、生命予後を過度に心配する必要はないとされています(難病情報センター)。つまり、放置すると必ず悪化するというものではなく、病型によって経過の見通しは異なります。
治療を受けていない場合の間質性肺疾患の進行
実際のデータでも、治療開始の遅れが病気の進行に関わりうることが示されています。強皮症に伴う間質性肺疾患(肺が硬くなる病気)の患者さん386人を対象にした研究では、そのうち287人(74%)がベースラインの時点で未治療でした。この未治療の患者さんを3年間追跡すると、約39.9%で間質性肺疾患の進行がみられました。進行に関わりやすい要因として、びまん皮膚硬化型であることや、肺の線維化が広い範囲に及んでいることが挙げられています(Scheidegger, et al. RMD Open. 2024)。
早期治療によって変わりうる予後
腎臓の血管が急激に障害される強皮症腎クリーゼも、治療開始が遅れると命に関わりうる合併症のひとつです。ただし、早期の診断とACE阻害薬による早期治療が救命につながり、よりよい経過と関連することが報告されています(Nagaraja. Curr Opin Rheumatol. 2019)。このように、全身性強皮症は治療開始が遅れると合併症が進行することがある一方、早期の診断・治療によって経過が変わりうる病気でもあります。気になる症状がある場合は、自己判断で様子をみず、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4027.(参照 2026-09-07).
Scheidegger M, et al. Characteristics and disease course of untreated patients with interstitial lung disease associated with systemic sclerosis in a real-life two-centre cohort.RMD Open. 2024;10(1):e003658.(PMID: 38199606)
Nagaraja V. Management of scleroderma renal crisis.Curr Opin Rheumatol. 2019;31(3):223-230.
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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