陰茎痛の原因や考えられる病気には何がありますか?
さまざまな原因が考えられ、軽いものから緊急性の高いもの、命に関わるものもあります。
陰茎には、尿の通り道である尿道や勃起に必要な海綿体、亀頭を覆う包皮の他に、筋肉や神経、血管、皮膚などさまざまな構造があります。これらに炎症や血液の不足などが起こると「陰茎痛」が生じます。
緊急性の高い原因
以下のような場合は痛みが強く、手術しないと壊死してしまうこともあるので早めに受診しましょう。
嵌頓(かんとん)包茎
包皮を無理にむいてしまったり、包皮がむけた状態で包皮が異常にむくんでしまって戻す際に包皮が十分伸びなかったりすることがあります。このような場合、包皮が亀頭の根元を絞扼(巻き付いて締め付けること)してしまうことがあります。
虚血性持続勃起症
海綿体に血流が充満した状態から、血液が流れなくなり、酸素が少なくなってしまうものです。薬が原因になることがあります。
陰茎折症(いんけいせっしょう)
勃起した状態で、陰茎海綿体を覆う白膜が損傷すると生じます。主に、怪我やマスターベーションなどが原因のことが多いです。
その他の怪我
交通事故やコンタクトスポーツ、不慮の事故などが多いです。
命に関わる原因
以下のような病気の場合は、命に関わることがあります。
陰茎がん
陰茎の内側にがんができることもありますが、体表から見えることが多いです。硬く、膿が出たり、明らかに周りの皮膚と見た目が異なります。臭うこともあります。比較的転移しやすいため、しこりなどに気が付いたら早めに受診しましょう。
乳房外パジェット病など
皮膚のがんの一種です。見た目が周りと異なることが多いです。
その他の原因
その他にも、以下のような原因によって、陰茎に炎症が起こることがあります。
亀頭包皮炎(きとうほうひえん)
亀頭包皮炎では、亀頭や包皮に炎症が生じて、湿疹ができることがあります。
性器ヘルペス
ヘルペスウイルスの感染が原因で、触るとピリピリ、ズキズキするような小さな水膨れや潰瘍ができることがあります。疲れている時などに再発することが多いです。
硬化性苔癬(こうかせいたいせん)などの皮膚科疾患
がん以外の皮膚疾患が原因で、陰茎の皮膚が硬くなったり変形したりしていることがあります。特に代表的なのが硬化性苔癬で、この場合はかゆみがあることが多いです。
尿道炎
クラミジア、淋菌などの感染症で尿道から排膿したり、排尿時痛が出ることがあります。
尿道結石
石が通る時に痛みが見られたり、血尿が出たりすることがあります。
慢性前立腺炎/骨盤痛症候群
前立腺の炎症が原因で、陰茎の見た目に特に問題がなくても、陰部周囲にまで広がる痛みを生じることがあります。また、前立腺炎など明らかな痛みの原因がない場合は慢性骨盤痛症候群とよびます。
医原性
泌尿器科や美容形成外科の治療後、陰部に塗る塗り薬が合わない場合などに痛むことがあります。
小さい男児の包皮を無理やり剥いてもとに戻さないと嵌頓包茎になり、手術が必要になることがあります。思春期には自然に剥けやすくなりますので、無理に剥くのはやめましょう。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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