心因性発熱
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/02/15
心因性発熱とは
主にストレスが原因になって起こる体温上昇のことです。性別や年齢問わず起こる可能性があります。細菌やウイルス感染による風邪とは異なったメカニズムで発熱します。
「心因性発熱」とはどのような病気ですか?
ストレスによって体温が上がる状態を指します。機能性(ストレス性)高体温とも呼ばれます。
心因性発熱とは、ストレスによって体温が上がる状態のことを指し、”ストレス性高体温”や”機能性高体温症”とも呼ばれることがあります。厳密には”発熱”ではなく”高体温”であると言われています。
ストレスが脳に影響を与え、自律神経のうちの交感神経が亢進することで、体温が上がるという機序が提唱されています。これは風邪や感染症による発熱とは異なり、検査をしても明らかな原因が見つからないことが多いのが特徴です。
心因性発熱の症状
心因性発熱には初期症状はありますか?
ストレスを感じることで、気分が落ち込んだり、眠れなくなったり、頭痛などの身体の症状が出たりすることがあります。
心因性発熱の初期症状としては、ストレスを感じることです。小児期や思春期に多いとされており、元気がないなど普段と違う様子がみられるかもしれません。発熱以外にも、だるさや頭痛、お腹の調子が悪いといった体の不調を感じることもあります。
心因性発熱は、体に異常がなくても心の状態が影響して起こるため、無理をせず、心と体の両方を休めることが大切です。つらいときには早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
心因性発熱の原因
心因性発熱の原因は何がありますか?
学校や家庭などでの心理社会的ストレスが原因になることがあります。お子さんの場合、うまく言葉にできず、原因がわかりにくいこともあります。
心因性発熱の原因は、ストレスだと言われています。ストレスは心理的なものだけでなく、個体要因、身体要因、幼少時期のストレスや生活ストレスの影響、中枢神経系や自律神経系の要因などいろいろな因子が複合的に関与するとも言われています。
また、発熱の原因がストレスだと特定する前に、ほかに発熱を引き起こす原因がないかどうかを調べる必要があります。
発熱を引き起こす病気として、感染症、自己免疫疾患(自分の体を間違って攻撃してしまう病気)、悪性腫瘍(がん)、薬の副作用などがあります。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
心因性発熱の検査・診断
心因性発熱のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
心因性発熱とは、ストレスが原因で起こる発熱のことで、風邪や感染症とは異なり、検査をしても明確な原因が見つからないことが多いと言われています。
以下のような特徴があるとされています。
- □ストレスに応じて体温が上がる
- □解熱鎮痛剤が効かない高体温である
- □悪寒を伴わない高体温である
- □慢性的に体温が高いのに、他に症状がない
- □手のひらに汗をかく
- □不眠を伴う
- □食欲と体温上昇が無関係である
- □抑うつ的である
長引く微熱や体調不良が続く場合には、心の状態も含めて見直すことが大切です。気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、心因性発熱かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
心因性発熱の治療・対処法
心因性発熱への対処法は?
解熱剤は効果がないことが多いです。心因性発熱の原因であるストレスに対する解決策を見つけていくことが重要です。
受診の目安・何科を受診するべきか
心因性発熱の専門医がいる近くの病院はありますか?
心因性発熱の専門医がいる病院を見る心因性発熱の薬
心因性発熱は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
抗うつ薬など脳の働きを調整する薬や、症状をやわらげる薬が使われることがあります。
心因性発熱は、心理社会的ストレスによって、体温が上がる状態を指すことがあります。
治療には、抗うつ薬や、睡眠障害などあれば睡眠薬などの対処療法のための薬が使われることがあります。これらの薬には、眠気や嘔気、口の渇き、めまいなどの副作用が出ることもあります。薬だけでなく、カウンセリングや生活習慣の見直しも重要です。
心因性発熱は検査で異常が見つからないことがありますが、症状が続く場合は無理をせず、医療機関を受診して医師に相談しましょう。
対処法・セルフケア
心因性発熱の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
規則正しい生活と十分な睡眠に加えて、疲れたときは休めるようにするなど、周りの人の理解も大事です。
はい、心因性発熱の場合、日常生活で気をつけることはあります。どんな場合にも大事なことですが、生活リズムを整える、十分な睡眠や休息をとることです。
ご本人がつらくなければ、希望する学校生活を送ってもらいますが、疲れやすさがある場合は適宜休憩をとるほうがよいでしょう。体育は軽い運動にして、体温がさらに上昇する場合は休憩しましょう。また、水分摂取を心がけましょう。
医療者からご本人、ご家族、学校関係者などに、病気について説明をすることも大切です。例えば、通常の検査で異常がなくても発熱することがあることや、風邪などの発熱とは異なり発熱以外の症状は少ないが仮病ではないこと、発熱自体が疲労の原因となるので、過労に注意するなどの情報を共有することが、役に立つでしょう。
心因性発熱で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
環境調整やストレスのケア、リラクセーションなどが効果があることがあります。
心因性発熱で解熱鎮痛剤などの薬が効かない場合、発熱を引き起こす原因を見落としていないかどうか、主治医に相談しましょう。
心因性発熱とは、心理社会的ストレスに伴って体温が上がる状態ですが、まだ検査で見つけられていない原因があるときに、心因性と考えることのリスクもあります。
炎症性のご病気などがないのに発熱が続くという場合は、心理社会的ストレスが原因になっていないかを考えることが大切です。
薬では熱が下がらないことが多く、無理に薬を続けるよりも、ストレスを減らす環境調整や、心のケアを受けることが効果的です。学校や家庭での悩みがある場合は、信頼できる大人やカウンセラーに相談しましょう。
その他にも、睡眠障害など、気になる症状が続くときは、早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
心因性発熱に関連するその他の質問
心因性発熱で寒気を感じますか?
ないわけではありませんが、感染症など炎症性のご病気と比較して寒気は起きにくいと言われています。
心因性発熱で寒気を感じることは、あると言えます。ただ、感染症や膠原病などの炎症性疾患に伴う体温上昇と比べて、起こりにくいと言われています。
炎症性疾患では、炎症性サイトカインやプロスタグランジンなどを介して、骨格筋がふるえることで体温が上がり、これが悪寒として感じられます。心因性発熱では、炎症性サイトカインやプロスタグランジンなどを介さないため、悪寒は起こりにくいと言われています。
ただ、心因性と考えられていたら身体要因がみつかることもありますし、心因性は悪寒が出ないというわけではありませんので、心因性発熱で悪寒を感じることはあると言えます。
心因性発熱について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「心因性発熱」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 心理的ストレスを感じている様子(学校へ行くのを明らかに嫌がるなど)ですか?
- 最近のショックな出来事で今回の症状に直結するようなストレスはありましたか?
- 最近の生活や環境の変化で今回の症状に直結するようなストレスはありましたか?
- 最近、気持ちが落ち込んでいると感じますか?
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この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
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- 2022/02/15