更年期障害
監修医師金沢 誠司産婦人科
- 更新日
- 2026/06/12
- 公開日
- 2020/09/03
更年期障害とは
閉経前後数年間の更年期において、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌減少が原因となって出現する様々な症状により、日常生活に支障を来す状態です。カラダの症状だけでなく精神面にも不調が生じることがあります。
更年期の「最後の大暴れ」とは何ですか?
閉経前後に起こるホルモンバランスの変動が原因で、更年期特有の症状が一時的に激しくなることを指すものと考えられます。
更年期の「最後の大暴れ」は、医学的な用語ではなく、関連する有効な研究やデータは確認できません。
このため、以下に個人の見解を記載します。
「更年期障害」とはどのような病気ですか?
更年期に現れるさまざまな症状のうち、日常生活にも支障をきたすものを「更年期障害」と言います。
閉経前後の更年期(40代前半~50代後半)になると、徐々に卵巣機能が低下することで女性ホルモン(エストロゲン)の産生が大きく変動しながら徐々に低下していきます。このエストロゲンの産生変化に伴い、さまざまな症状が生じることがあり、これを「更年期症状」と呼びます。更年期症状が重く、日常生活に支障が出ている状態を「更年期障害」と呼びます。
更年期の時期の女性の半数以上が、何らかの更年期症状を自覚するとされています。「更年期症状」の多くは閉経後しばらく経つと自然に落ち着くとされます。
更年期障害の症状
更年期の終わりのサインはありますか?
閉経前後の5年間、計10年間のことを指して更年期と呼びます。更年期の終わりのサインは特にありません。
更年期とは、閉経前後の5年間、計10年間程度の時期を表す言葉です。期間で区切られているため、更年期の終わりの明確なサインはありません。
閉経のサインとしては、月経周期が60日以上に伸びてきている場合に閉経が近づいてきていると考え、12ヶ月以上月経が来なかった場合には閉経していると判断します。閉経して5年間までが更年期に該当します。
更年期症状が終わる時期に関しては個人差があり、通常5年以内に収まりますが、10年以上続く方もいます。
男性の更年期障害ではどのような症状が見られますか?
女性の更年期障害と似た症状に加え、ED(勃起障害/勃起不全)や性欲低下などを生じることがあります。
男性の更年期症状としては下記のような症状があります。
精神的な症状
- うつ、気分が落ち込みやすくなる
- いらいらする
- 不安になる
- 集中力の低下
自律神経の乱れによる症状
- ほてる、のぼせる
- 異常に発汗する
- 動悸がする
性機能の症状
- ED(勃起障害/勃起不全)
- 性欲低下
その他の症状
- 筋力が低下する
- 骨や関節に痛みを生じる
更年期障害には初期症状はありますか?
上半身を中心としたのぼせや発汗などは更年期障害の初期兆候の可能性があります。
ホットフラッシュと呼ばれる上半身を中心とした一過性のほてりや発汗などは、更年期障害の早期の兆候のひとつとして考えられています。月経周期がまだ安定している年齢でも出現することがあります。
ただし、更年期障害の症状は多岐にわたり、必ずしもホットフラッシュから始まるとは限りません。
気分が不安定になるといった精神的な症状を強く感じる方もいます。
更年期障害の代表的な症状の「ホットフラッシュ」とは何ですか?
のぼせやほてり、発汗の症状を言います。
ホットフラッシュとは、40代前半~50代後半頃の更年期の女性によく見られる症状で、突然上半身を中心にほてりを感じます。通常数分程度、長くとも10分以内には改善します。
感じる頻度はそれぞれですが、一日の間に何回も感じる方もいます。
ほてりの他に、発汗や皮膚の赤みなどの症状も伴うことがあります。
更年期障害でよく見られる症状には何がありますか?
疲れや発汗、肩こり、頭痛、のぼせなどの症状がよく見られますが、どのような症状が見られるかは人によって異なります。
更年期障害で見られる主な症状は以下の通りです。
特にホットフラッシュは半数以上の女性が感じるとされている頻度の高い症状となります。
ホットフラッシュ
最もよく見られる症状であり、突然顔や上半身が一時的に熱くなり、のぼせるような感覚になります。通常症状は数分程度でおさまります。
易疲労感・めまい・動悸など
疲れやすくなったり、動悸やめまい、関節や腰などに痛みを感じたりするといった身体症状が見られることもあります。
気分障害・睡眠障害・気分の落ち込み
気分が安定せずイライラしやすくなり、不安感に襲われたり夜間に十分に寝ることができなくなったりします。うつ病のような気分の落ち込みが見られることもあります。
外陰部(デリケートゾーン)の症状
腟や周囲の組織の萎縮に伴い、外陰部に痒みを感じたり、性交痛、尿失禁などが見られることもあります。
参考文献
Nanette Santoro et al. Menopausal Symptoms and Their Management. Endocrinol Metab Clin North Am. 2015, 44, p.497-515.
公益社団法人 日本産科婦人科学会ら.“産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2020”.https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf,(参照 2023-10-03).
Rupa Koothirezhi et al.“Postmenopausal Syndrome”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560840/,(参照 2023-10-03).
更年期障害にならない人はいますか?どのような特徴がありますか?
運動などの身体活動をよく行う方は、更年期障害になりにくいと考えられています。
更年期障害になりにくい方もいます。
更年期障害の発症にはさまざまな要素が関係しており、生活習慣や環境による影響があると考えられています。更年期障害になりにくい方の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
適度な身体活動
日常的に運動などの身体活動を行っている方は、更年期障害になりにくいとされています。
パートナーとの良好な関係
離婚歴がある方や未婚の方のほうが、更年期に伴う気分の落ち込みが見られやすいという報告があります。
その他
喫煙や肥満、居住環境なども更年期の発症に影響しているとの報告もありますが、はっきりとはしていません。
参考文献
LiRong Wang et al.“Severity and factors of menopausal symptoms in middle-aged women in Gansu Province of China: a cross-sectional study”.BMC Women's Health.https://bmcwomenshealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12905-021-01531-x,(参照 2024-04-24).
Nanette Santoro et al. The Menopause Transition: Signs, Symptoms, and Management Options. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2021, 106, p.1-15.
更年期障害の原因
更年期障害は何が原因ですか?
加齢による女性ホルモンの分泌低下、ストレスなどの心理的因子、仕事や家庭環境などの社会的因子が重なって発症します。
更年期障害は加齢に伴う卵巣機能の低下によって、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の産生が低下することが主な原因と考えられています。
ただし、エストロゲンの産生低下は全ての女性に見られるものの、全員が症状を強く感じるわけではありません。
更年期障害の発症には、ホルモンの変動だけでなく、心理的なストレスや環境など、さまざまな要因が関わっていると考えられています。
参考文献
Nanette Santoro et al. Menopausal Symptoms and Their Management. Endocrinol Metab Clin North Am. 2015, 44, p.497-515.
公益社団法人 日本産科婦人科学会ら.“産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2020”.https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf,(参照 2023-10-03).
Rupa Koothirezhi et al.“Postmenopausal Syndrome”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560840/,(参照 2023-10-03).
更年期障害の検査・診断
更年期障害のセルフチェックはできますか?
更年期障害の症状や、おすすめの病院や対処方法は症状検索エンジン「ユビー」で調べられます。
閉経前後の更年期(40代前半~50代後半)に以下のような症状がみられる場合、更年期障害が考えられます。
- ホットフラッシュ
- 易疲労感・めまい・動悸
- 気分の落ち込み
- 睡眠障害
- 外陰部(デリケートゾーン)の症状
体調に不安がある、あるいは医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで関連する病名や適切な受診先や調べられる症状検索エンジン「ユビー」を無料で提供しており、多くの患者様にご利用いただいています。
気になる病気や症状がありましたら、ぜひご利用ください。
若年性更年期障害の検査には費用はかかりますか?
費用がかかりますが、多くの場合は健康保険が適用となります。
若年性更年期障害の検査には費用がかかりますが、多くの場合は健康保険が適用となります。更年期症状の原因を調べるためのホルモン検査やほかの病気を除外診断するための検査などが行われることがありますが、保険診療の範囲内です。具体的な費用が知りたい場合は、受診の際に問い合わせるのが確実です。
なお、更年期よりも若い年齢で更年期障害のような症状が起こると「若年性更年期障害」と呼ばれることがありますが、医学的に正式な名称ではありません。
若年性更年期障害はどのような検査方法でわかりますか?
問診と症状の確認、必要と判断された場合はホルモン検査などが行われます。
若年性更年期障害では、問診と症状の確認、必要と判断された場合はホルモン検査などが行われます。
閉経前後10年が「更年期」とされ、卵巣機能の低下をはじめとした、さまざまな原因によって起こる症状が日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」と呼びます。
更年期よりも若い年齢で更年期障害のような症状が起こると「若年性更年期障害」と呼ばれることがありますが、医学的に正式な名称ではありません。更年期障害と同じように、更年期症状の原因となる病気がないか、症状が似た他の病気ではないか調べ、状況に応じて治療が行われます。
更年期障害の検査は保険適用になりますか?
更年期障害の検査は、保険適用で行われます。
更年期障害の検査は、保険適用で行われます。更年期障害の診断や治療のために医師が必要と判断した場合、検査は保険適用で、自己負担の割合は人によって1~3割と異なります。
更年期障害には明確な診断基準はなく、必要に応じてホルモン検査が行われる場合がありますが、結果はあくまでも参考程度とされます。
更年期障害は心身にさまざまな症状が起こりますが、似たような症状が起こる病気と鑑別が必要な場合、症状に応じて婦人科以外の診療科の紹介・検査を受けることもあります。これらも医師が必要としたものは保険適用の範囲内です。
更年期障害の血液検査を受けるタイミングを教えてください。
医師に指示されたタイミングで受けましょう。
更年期障害の血液検査は、医師に指示されたタイミングで受けましょう。
更年期障害における血液検査は、主に卵巣機能に関わるホルモン値を調べるために行われます。月経異常やホットフラッシュなど、更年期障害の症状が出るようになったと思ったら、婦人科で相談してみましょう。
更年期障害は、血液検査だけでは診断できません。しかし、卵巣機能低下の有無を調べるため、必要に応じて女性ホルモンのエストロゲンや卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などを検査することがあります。また、他の疾患の除外診断のために甲状腺ホルモンなども調べることがあるでしょう。
血液検査を受ける具体的なタイミングは、医師の指示に従いましょう。
更年期障害の診断で尿検査をすることはありますか?
更年期障害を診断する際、尿検査は必須ではありません。
更年期障害を診断する際、尿検査は必須ではありません。しかし、医師が必要と判断した場合は行われる可能性があります。
更年期障害は、医師による問診や質問票による症状の評価、卵巣機能の低下、加齢に伴った身体の変化、精神的な要因、環境因子などを総合的に評価して診断されます。ほかの病気と鑑別が必要だと判断された場合、鑑別診断の参考として尿検査が行われることはあり得るでしょう。
参考までに、更年期障害に似た症状が起こる病気として、うつ病、甲状腺機能異常、肝機能障害、貧血、メニエール病などが挙げられています。
更年期障害の血液検査は生理中でも受けられますか?
血液検査は生理中でも受けられますが、医師に指示された時期に検査を受けるようにしましょう。
更年期障害の血液検査は生理中でも受けられますが、医師に指示された時期に検査を受けるようにしましょう。
更年期障害の主な原因は、卵巣機能の低下と言われており、ホルモンを測定して参考にすることがあります。婦人科疾患のスクリーニング検査としてエストロゲンや卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などの女性ホルモン値を調べる際は月経中に血液検査を行うのが望ましいと考えられていますが、生理不順の場合も含めて、医師に指示された時期に検査を受けましょう。
また、更年期障害の診断には、女性ホルモンの検査だけでなく、症状や生活背景などを含めた多面的な評価が必要です。必要に応じて、甲状腺ホルモンの数値なども血液検査で調べることがあります。
参考文献
日本産婦人科学会.“産婦人科 診療ガイドライン ━婦人科外来編 2023”..https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf,(参照 2025-11-18).
7.月経周期と女性ホルモンのメカニズム.日本産婦人科医会,https://www.jaog.or.jp/lecture/7-%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%91%A8%E6%9C%9F%E3%81%A8%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0/(参照 2025-11-18)
更年期障害の血液検査にかかる費用はいくらですか?
検査項目によって異なるため、個人差があります。
更年期障害の血液検査にかかる費用は、検査項目によって異なるため個人差があります。予想される検査項目は、主にエストロゲン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などの女性ホルモンや、他の疾患と鑑別するための甲状腺ホルモンや肝機能、貧血などです。
血液検査の費用は、健康保険の適用となるため、項目にもよりますが、自己負担は最大3割で数千円程度かかると予想されます。正確な費用が知りたい場合は、受診している医療機関で確認しましょう。
更年期障害は血液検査でわかりますか?
更年期障害は、血液検査の結果だけではわかりません。
更年期障害は、血液検査の結果だけではわかりません。更年期障害の主な原因は卵巣機能の低下とされ、必要に応じて血液検査で女性ホルモンのエストロゲンや卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などを測定して診断の参考にすることがあります。
その他、身体的な変化や精神的な要因、生活環境などさまざまな要因が関わっていると考えられているため、産婦人科診療ガイドライン2023には「ホルモン測定はあくまでも卵巣機能低下の参考にとどめるべき」と記載されています。
更年期障害のホルモン検査について教えてください。
更年期障害のホルモン検査は診断基準ではなく、あくまでも卵巣機能低下の参考程度に解釈されます。
更年期障害のホルモン検査は診断基準ではなく、あくまでも卵巣機能低下の参考程度に解釈されます。卵巣機能に関わる卵胞刺激ホルモン(FSH)やエストロゲンの一種・エストラジオール(E2)の分泌は、閉経約2年後まで大きく変動するため、診断に必ず役に立つとは限らないためです。また、甲状腺機能異常との鑑別が必要とされた場合、甲状腺ホルモン検査が行われる場合もあります。
更年期障害の原因は、卵巣機能低下に加えて、身体的な変化や精神的な問題、生活環境などさまざまな要因が関わっていると考えられています。よって、ホルモン検査だけではなく、患者さんの症状や生活状況を含めた総合的な評価をもとにして診断されます。
更年期障害の検査方法について教えてください。
更年期障害には明確な診断基準はなく、必要に応じて検査が行われ、診断の参考とされます。
更年期障害に明確な診断基準はありませんが、必要に応じて卵巣機能低下に関わるホルモン検査が行われる場合があります。
更年期障害を構成しているのは、ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状、めまい、頭痛、動悸などの身体症状、イライラ・不安・抑うつなどの精神症状です。
似たような症状が起こる病気と鑑別が必要な場合、症状に応じて婦人科以外の診療科の紹介・検査を受けることもあります。たとえば、甲状腺機能異常との鑑別のために甲状腺ホルモンを測定する、といったように、個人の症状に合わせて必要と判断された検査が行われます。
更年期障害の原因は、卵巣機能低下に加えて、身体的な変化や精神的な問題、生活環境などさまざまな要因が関わっていると考えられているため、検査結果だけでなく、症状なども考慮して総合的に評価・診断されます。
更年期障害が原因で妊娠検査薬が陽性になりますか?
更年期障害が直接の原因となって、妊娠検査薬が陽性になることはありません。
更年期障害が、直接妊娠検査薬の陽性反応を引き起こすことはありません。妊娠検査薬は尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンを検出して妊娠を判定しますが、更年期障害に伴うエストロゲン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)は関係しません。
しかし、更年期障害が起こっても閉経前なら妊娠の可能性はありますし、hCG産生腫瘍が原因の可能性も否定できません。また、hCGを含む薬を服用の影響や、誤判定の可能性も考えられます。妊娠検査薬が陽性になったら、どのような場合も、産婦人科を受診して診断を受けましょう。
更年期障害の治療・対処法
更年期障害への対処法は?
生活習慣を整え、十分な睡眠や適度な運動、バランスの良い食事などで症状が改善することもあります。また疲れやストレスをためず、リラックスする時間を作ることも大切です。症状が強い場合は、治療が可能ですので、産婦人科で相談してください。
ホルモン補充療法で太らないためにはどうすればよいですか?
一般的には、ホルモン補充療法で太るとはされていません。
ホルモン補充療法そのものが体重増加の原因となるという明確な根拠は、ありません。
更年期になってから体重が増加した場合には、加齢に伴う基礎代謝の減少や運動量の低下などさまざまな要因で体重が増加している可能性もあります。
治療の影響としては、ホルモン補充療法によって気分が改善したことで食欲が増したという複合的な要素は考えられるかもしれません。
ホルモン補充療法を行っているか、行っていないかに関わらず、適度な運動やバランスの良い健康的な食生活を意識すると良いでしょう。
ホルモン補充療法の効果が出るまでどのくらいかかりますか?
多くの場合、開始してから数週間程度で効果が見られるでしょう。
ホルモン補充療法の効果の出現時期は、ホルモン補充療法の目的によっても異なります。
ホルモン補充療法の量や継続期間は、個々人の年齢や症状、閉経時期などを踏まえて検討することになります。
ホルモン補充療法の目的と効果出現時期の目安
ホットフラッシュ、発汗など
これらの症状はホルモン補充療法を開始してから2週間程度、遅くとも2~3ヶ月以内に改善することが一般的です。
骨密度の改善など
短期間での改善は見込めず、より長い時間がかかると考えられます。
精神的な症状
ホルモン補充療法の効果には個人差も大きく、継続していても十分な効果が得られない場合もあります。
主治医と相談の上、抗うつ薬などの併用も検討しましょう。
ホルモン補充療法のやめどきはいつですか?やめたらどうなりますか?
更年期障害による症状が落ち着けば、医師と相談してやめてよいでしょう。中止後にホルモンバランスの乱れによる症状が現れることがあります。
ホルモン補充療法の終了時期は、
- 年齢
- 症状
- 骨密度
- その他全身の状態
などを加味して総合的に判断します。そのため、ホルモン補充療法の終了時期は個々人で異なってきます。
一般的には、更年期症状は加齢とともに改善してくることが大半であり、ホルモン補充療法の開始から5年程度、60歳未満で終了できることが多いでしょう。
一方で、症状が続いている場合にはホルモン補充療法を継続することも選択肢となります。
長期間継続する場合や60歳以上で続ける場合には、血栓症や脳梗塞、乳がんなどに特に気をつける必要があるとされています。
ホルモン補充療法終了後に、更年期症状が再燃することもあります。そのため、症状の様子を見ながら徐々にホルモン補充の量を減らしていくこともあります。
参考文献
Laura Dorr Lipold et al.“Is there a time limit for systemic menopausal hormone therapy?”.ClevelandClinic.https://www.ccjm.org/content/83/8/605.long,(参照 2024-04-24).
NHS.“When to take hormone replacement therapy (HRT)”.NHS.https://www.nhs.uk/medicines/hormone-replacement-therapy-hrt/when-to-take-hormone-replacement-therapy-hrt/,(参照 2024-04-24).
Nanette Santoro et al. The Menopause Transition: Signs, Symptoms, and Management Options. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2021, 106, p.1-15.
ホルモン補充療法とは何ですか?
エストロゲンなどの女性ホルモンを補充することであり、更年期障害に対する主要な薬物療法となります。
ホルモン補充療法とは、更年期における女性ホルモンの減少による症状を緩和するために、エストロゲンなどのホルモンを補充する薬物治療です。
更年期症状の主な原因は、女性ホルモンの減少とされています。このため、エストロゲンなどの女性ホルモンを補充するホルモン補充療法は、更年期障害に対する最も一般的な薬物療法となります。内服薬に加えて、貼付剤、塗り薬などさまざまな種類のホルモン剤があり、連続して投薬する方法や周期的に投薬する方法など使用法もさまざまです。
ホルモン補充療法を行うことで、ホットフラッシュや外陰部の違和感など、さまざまな更年期症状が改善することが期待できます。
一方で、誰でも使用できるわけではない点に注意が必要です。
- 乳がん心臓疾患の病歴のある方
- 60歳以上の方
- 閉経後10年以上経過している方
などは使用不可であったり、必要性について慎重に検討すべきとされてます。
更年期障害の場合、主にどのような治療をしますか?
更年期障害の治療としては、ホルモン補充療法、抗うつ薬、漢方薬などが挙げられます。
更年期障害の治療としては、ホルモン補充療法を中心に漢方薬や抗うつ薬などを使用することがあります。
ホルモン補充療法
エストロゲンの産生低下が更年期障害の主要な原因であると考えられており、エストロゲンを補うホルモン補充療法が最も一般的な治療法です。特にホットフラッシュなどの症状に有効とされています。エストロゲンは経口摂取のほかに、皮膚に貼ったり塗ったりするものもあります。女性ホルモンの補充は一部の婦人科の病気などを悪化させることがあるので、定期的に婦人科を受診して診察を受けるようにしましょう。
漢方薬
イライラや怒りっぽさなどには抑肝散(よくかんさん)、さらに便秘や冷えがある場合には加味逍遙散(かみしょうようさん)、ホットフラッシュ含め症状全般に当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など、更年期に伴う症状に対して各種漢方薬が有効な場合があります。
抗うつ薬
一部の抗うつ薬は、気分の落ち込みなどの精神的な症状だけでなく、ホットフラッシュなどの症状にも有効であるとされています。精神的な症状が中心の方や、何らかの理由でホルモン補充療法が適切ではない方に対して検討すべき治療法です。
受診の目安・何科を受診するべきか
更年期障害が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、医療機関を受診する目安はありますか?
更年期障害の症状で日常生活に支障が出ているような場合には、婦人科を受診しましょう。
更年期障害が疑われ、日常生活に支障がある場合には産婦人科(男性なら泌尿器科)を受診するとよいでしょう。
精神的な症状が強い場合には、精神科や心療内科の受診も検討してみてください。通院中の内科がある場合には、内科の病気が関連していることもあるので主治医に一度相談してみてもよいかもしれません。
また、症状が軽く、生活への影響が乏しい場合にはしばらく様子を見てみてもよいでしょう。
ただし、症状が悪化してくる場合には一度受診を検討してください。
更年期障害の専門医がいる近くの病院はありますか?
更年期障害の専門医がいる病院を見る更年期障害の薬
更年期障害で当帰芍薬散(ツムラ当帰芍薬散料エキス顆粒Ⓡ️、『東洋』当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️、コタロー当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️)の長期服用はできますか?
当帰芍薬散の服用期間に関する制限はありませんが、必要に応じて服用する必要があります。
当帰芍薬散を長期間服用した場合に、何らかの健康被害が起こるというエビデンスはなく、服用期間に関する制限はありません。
一方で、漢方薬に限らず、薬は必要に応じて必要な期間だけ内服する必要があります。更年期障害であれば、5年以内に症状が軽快していることも少なくありません。
医師と相談のうえすでに症状が改善していると思われる場合には、一旦休薬することも検討してください。
参考文献
株式会社ツムラ .“ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
株式会社東洋薬行.“〔東洋〕当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1062_1_08/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
小太郎漢方製薬株式会社.“コタロー当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1038_1_14/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
更年期障害に当帰芍薬散(ツムラ当帰芍薬散料エキス顆粒Ⓡ️、『東洋』当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️、コタロー当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️)を内服し副作用はありますか?
主な副作用は、発疹、かゆみ、だるさ、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などがあります。このような症状がある場合は、主治医や専門家に相談しましょう。
一般的に漢方薬の副作用は少ないとされていますが、当帰芍薬散の副作用として、以下のようなものが報告されています。
副作用が現れた場合、この漢方薬の使用が中止となる場合もあります。これらの症状が現れた場合や、体調がすぐれない場合は、主治医や専門家に相談するようにしましょう。
参考文献
株式会社ツムラ .“ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
株式会社東洋薬行.“〔東洋〕当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1062_1_08/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
小太郎漢方製薬株式会社.“コタロー当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1038_1_14/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
更年期障害の薬はありますか?
更年期障害にはホルモン補充療法などの薬物療法が有効です。
はい。更年期障害にはいくつかの薬物療法があります。
更年期障害に対して行う主な薬物療法は、以下の通りです。
ホルモン補充療法
更年期障害に対して最も一般的な治療法となります。エストロゲンを始めとした女性ホルモンを補充することで、ホットフラッシュや外陰部の違和感など、さまざまな更年期症状が改善することが期待できます。
一方で誰でも使用できるわけではなく、
- 乳がんや心臓疾患の病歴のある方
- 60歳以上の方
- 閉経後10年以上経過している方
などは使用不可であったり、必要性について慎重に検討すべきとされています。
抗うつ薬
気分の落ち込みなど精神的な症状が強い場合には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの一部の抗うつ薬が有効とされています。
漢方薬
漢方薬が有効なこともあります。ホルモン補充療法が使いづらい方などで試してみることがあります。
対処法・セルフケア
ホットフラッシュに効く市販薬や漢方薬はありますか?
加味逍遙散や桂枝茯苓丸が有効な場合がありますが、必ず医師や薬剤師に相談してください。
ホットフラッシュは、急に体がカーッと熱くなる、更年期によくある症状で、つらいです。
市販薬や漢方薬の中にも、ホットフラッシュの症状を和らげるのに役立つ可能性のあるものがいくつかあります。
市販薬
市販薬としては、ビタミンEを主成分とするものがあります。ビタミンEは、体のサビつきを防ぐ抗酸化作用があり、血行をよくする働きも期待できます。
漢方薬
漢方薬としては、体質や症状に合わせてさまざまな種類が用いられます。
例えば、加味逍遙散(かみしょうようさん)は、イライラや不安感を伴うホットフラッシュによく使われます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、冷えを伴うホットフラッシュに適していると言われています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、比較的体力がある方の、のぼせや肩こりを伴うホットフラッシュに使われることがあります。
ただし、市販薬や漢方薬は、あくまで症状を和らげるためのもので、根本的な治療ではありません。また、体質に合わない場合や、他の薬との飲み合わせに注意が必要な場合もあります。
市販薬を使用する場合は、薬剤師さんに相談して、自分の症状に合ったものを選ぶようにしましょう。漢方薬を試したい場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。
もし、市販薬や漢方薬を使っても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せずに婦人科など専門のお医者さんに相談することが大切です。
ホットフラッシュに効く食べ物や飲み物はありますか?
大豆食品やビタミンEを含む食品の摂取が有効となる可能性があります。また、香辛料やカフェイン、アルコールは控えめにすることも重要です。
ホットフラッシュは、体が急にカーッと熱くなる、更年期によくある症状です。
食べ物や飲み物で完全に治せるわけではありませんが、症状を和らげるのに役立つと言われているものがあります。
大豆製品
大豆製品に含まれるイソフラボンという成分は、女性ホルモンに似た働きをすると言われています。豆腐や納豆、味噌汁など、普段の食事に取り入れやすいものが多いので、意識して食べてみるのはよいかもしれません。
ビタミンEを含む食品
ビタミンEを含む食品もおすすめです。アーモンドやかぼちゃ、アボカドなどに多く含まれています。
ノンカフェインの飲み物
飲み物としては、ノンカフェインの飲み物がよいでしょう。カフェインは血管を収縮させる作用があり、ホットフラッシュを悪化させる可能性があります。
麦茶やルイボスティー、ハーブティーなどがおすすめです。特に、カモミールティーはリラックス効果もあると言われています。
ただし、これらの食品や飲み物はあくまでサポート的な役割です。劇的な効果があるわけではありませんし、人によって効果の感じ方も違います。バランスの取れた食事を基本として、これらの食品を上手に取り入れてみてください。
もしホットフラッシュが頻繁に起こったり、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せずに婦人科のお医者さんに相談することが大切です。
更年期障害を調べる市販の検査キットはありますか?
女性ホルモンを調べられる市販の検査キットは複数ありますが、診断はできません。
市販の検査キットはありますが、診断はできません。以下に個人の見解を記します。
自分でできる更年期障害対策はありますか?
適度な運動、バランスの取れた食事、質のよい睡眠、リラックスを心がけましょう。
更年期障害は、加齢に伴い女性ホルモンのバランスが変化することで起こる現象で、さまざまな症状が出ることがあります。
自分でできる更年期障害の対策は以下の通りです。
バランスの取れた食事を摂る
- 栄養バランスのよい食事で体調を整える
- 特にビタミンE、大豆イソフラボンなどを積極的に摂取する
適度な運動を心がける
- ウォーキングやストレッチなど無理のない運動を取り入れる
- 体力の維持や気分転換を目的とする
質の良い睡眠を確保する
- 毎日同じ時間に寝起きするなど規則正しい生活を心がける
- 就寝前のリラックス習慣(読書や音楽など)を取り入れる
ストレスの軽減
- 趣味を楽しむ時間を作る
- リラックスできる時間を確保する(深呼吸や瞑想など)
これらの対策は、すぐに効果が出るわけではありませんが、続けることで症状の緩和に繋がることが期待できます。
もし症状がつらい場合は、我慢せずに婦人科など専門のお医者さんに相談することも考えてみてください。
更年期障害に関連するその他の質問
片方の腕がしびれるのですが、これは更年期障害のためですか?
更年期でも起こる可能性はありますが、他の原因も考えられるため、必ず医師に相談してください。
片方の腕のしびれの原因が、必ずしも更年期障害だけとは限りません。
更年期障害によってホルモンバランスが乱れると、自律神経の働きに影響が出ることがあり、その結果、しびれを感じることがあります。しかし、腕のしびれには、ほかにもさまざまな原因が考えられます。
例えば、神経の圧迫です。長時間同じ姿勢でいたり、姿勢が悪かったりすると、首や肩の神経が圧迫されて腕にしびれが出ることがあります。
また、血行不良も原因のひとつです。冷えや運動不足などで血行が悪くなると、しびれを感じることがあります。
さらに、生活習慣も影響することがあります。睡眠不足やストレス、過労などが続くと、体の不調としてしびれが現れることがあります。
まれに、脳や神経の病気が原因で腕にしびれが起こることもあります。
このように、片方の腕のしびれの原因はひとつではありません。自己判断で「更年期障害だろう」と決めつけずに、まずは医療機関を受診して、原因を特定することが大切です。
整形外科や神経内科、内科などで相談してみるのがよいでしょう。医師に症状を詳しく伝え、必要な検査を受けることで、適切な診断と治療を受けることができます。
早めに原因を特定し、適切な対処をすることで、不安を解消し、快適な生活を送ることができます。
更年期が原因で、皮膚の表面や体がピリピリすることはありますか?
更年期障害ではホルモンバランスの変動により、神経が過敏になることがあり、皮膚の表面や体がピリピリすることはあります。
更年期が原因で、皮膚の表面や体がピリピリすることはあります。
これは、更年期によるホルモンバランスの変化が、自律神経の働きに影響を与えることが原因のひとつと考えられています。
自律神経は、体温調節や血管の収縮など、体のさまざまな機能をコントロールしています。
ホルモンバランスが乱れると、この自律神経の働きも不安定になり、その結果、皮膚の感覚が過敏になったり、ピリピリとした痛みを感じたりすることがあるのです。
また、更年期になると、皮膚の水分量が減少し、乾燥しやすくなります。皮膚が乾燥すると、外部からの刺激に敏感になり、ちょっとした刺激でもピリピリと感じることがあります。
ただし、皮膚のピリピリ感の原因は、更年期だけではありません。乾燥肌やアレルギー、神経系の病気など、他の原因も考えられます。
もし、皮膚のピリピリ感が気になる場合は、まず皮膚科を受診して、他の病気の可能性がないか確認してもらうと安心です。
その上で、更年期による症状の可能性がある場合は、婦人科の先生に相談してみるのもよいでしょう。
保湿をしっかり行ったり、刺激の少ない下着や衣類を選ぶなど、日常生活でできる対策もあります。
閉経前の長引く生理は正常ですか?
閉経前にはホルモンバランスが乱れ、生理が長引くことがあります。
はい。閉経前に生理が長引くことは正常な現象と言えますが、注意が必要です。
閉経前に月経周期や月経の持続期間が乱れることは一般的であり、月経が長引くこともあります。
更年期には以下のような経過をたどることが多いとされています。
更年期の一般的な経過(例)
①月経周期の乱れ
月経が1週間以上早くなったり遅くなったりします。出血量や月経の持続期間も変化します。月経が長引くこともあります。
②無月経期間の延長
徐々に月経が来なくなり、2ヶ月に一度、3ヶ月に一度と減っていきます。通常、数年間かけて頻度が減っていき、最終的に閉経となります。
なお、更年期は子宮体がんなどの病気が徐々に増えてくる時期でもあります。更年期に伴う月経の異常と思っていても、実は他の病気に伴う不正出血ということもあります。月経が長引く場合には、一度婦人科を受診しておくと良いでしょう。
60才を過ぎて更年期のような状態になることはありますか?
更年期の時期は人それぞれなので、60才を過ぎても更年期の症状が出ることはあります。
はい。60才を過ぎても更年期のような症状が続くことはあります。
閉経時期は40才代前半〜50才代後半と個人差が大きいため、更年期症状の出現時期もさまざまです。また、更年期症状の続く期間も数年間から10年以上と個人差が大きいため、60才を過ぎても更年期症状が続く可能性があります。
一方で、閉経後しばらく経ってから新規に症状が出現した場合や、元からある症状であってもどんどん症状が重くなる場合など、更年期障害以外に他の病気が隠れている可能性もあります。
自己判断で更年期障害と思いこまずに、婦人科など医師へ相談すると良いでしょう。
更年期が終わるとどうなりますか?
更年期以降の時期は「閉経後」と呼ばれます。
閉経前後の計10年間を更年期と呼びますが、それ以降は「閉経後」として扱われ、身体的には新たな変化が起こります。
閉経後も、エストロゲンなどの女性ホルモンの血中レベルが徐々に低下していきます。数年間経過すると、低値で安定的に推移することになります。
女性ホルモンの欠乏に伴い予想される変化として、以下のようなことが挙げられます。
骨密度の低下
骨粗しょう症になりやすくなります。
動脈硬化の進行
外陰部の萎縮
外陰部の違和感、かゆみ、乾燥などが起こりやすいとされています。
更年期障害があっても性行為はできますか?
基本的には問題ありませんが、不快感などがある場合は必ず医師に相談してください。
基本的には更年期障害があっても性行為はできます。更年期障害は病気ではなく、加齢による自然な体の変化なので、性行為が禁じられるわけではありません。
ただ、更年期に入ると、女性ホルモンの減少によって、腟の乾燥や性交痛を感じやすくなることがあります。これは、腟の粘膜が薄くなり、潤いが不足するためです。
もしそういった症状がある場合は、無理をせず、パートナーとよく話し合うことが大切です。市販の潤滑ゼリーを使ったり、性行為の前に十分な時間をかけてリラックスすることも有効です。
また、更年期障害の症状のひとつである気分の落ち込みやイライラが、性欲に影響することもあります。そのような場合は、無理に性行為をするのではなく、パートナーとのスキンシップやコミュニケーションを大切にすることもよいでしょう。
更年期障害による体の変化はありますが、工夫次第で性行為は十分に可能です。もし悩んでいることがあれば、婦人科の先生に相談してみるのもよいでしょう。
更年期障害にならない方法はありますか?
必ず更年期障害を予防できる方法はありませんが、生活習慣を見直し、バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることが重要です。
残念ながら、更年期障害を完全に防ぐ方法はありません。なぜなら、更年期は女性ホルモンの分泌量が加齢とともに自然に減少していくことで起こる、誰にでも起こりうる変化だからです。
しかし、以下のような生活習慣を意識することで、更年期を迎える時期を遅らせたり、症状を軽くしたりすることは期待できます。
バランスの取れた食事を摂る
- 栄養バランスのよい食事で体調を整える
- 特にビタミンE、大豆イソフラボンなどを積極的に摂取する
適度な運動を心がける
- ウォーキングやストレッチなど無理のない運動を取り入れる
- 体力の維持や気分転換を目的とする
質の良い睡眠を確保する
- 毎日同じ時間に寝起きするなど規則正しい生活を心がける
- 就寝前のリラックス習慣(読書や音楽など)を取り入れる
ストレスの軽減
- 趣味を楽しむ時間を作る
- リラックスできる時間を確保する(深呼吸や瞑想など)
これらの対策は、更年期障害だけでなく、将来の健康のためにも重要です。若い頃から健康的な生活習慣を心がけることが、結果的に更年期を穏やかに過ごすことにつながるかもしれません。
更年期障害で当帰芍薬散(ツムラ当帰芍薬散料エキス顆粒Ⓡ️、『東洋』当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️、コタロー当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️)を飲むと、むくみが取れますか?
当帰芍薬散の効果・効能として、妊娠中のむくみが記載されています。
当帰芍薬散の効果・効能として、妊娠中の諸症状があり、その中のひとつとしてむくみが記載されています。
伝統的に当帰芍薬散は、妊娠中の安胎薬として使用されてきた経緯があります。むくみのほかに、習慣流産や妊娠中の腹痛などにも効能があるとされています。
なお、妊娠中以外のむくみに対しては、適応はないと考えられます。
参考文献
株式会社ツムラ .“ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
株式会社東洋薬行.“〔東洋〕当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1062_1_08/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
小太郎漢方製薬株式会社.“コタロー当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1038_1_14/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
更年期障害に当帰芍薬散(ツムラ当帰芍薬散料エキス顆粒Ⓡ️、『東洋』当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️、コタロー当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️)を飲むと痩せますか?
当帰芍薬散の効果・効能として体重減少は認められていません。
当帰芍薬散は、主に更年期症状の改善目的で用いるものです。
効果・効能に「体重が減る」といったものはありませんので、痩せることを目的としてこの漢方薬を飲むことは一般的ではなく、おすすめできません。
当帰芍薬散の主な効果・効能としては、以下のような症状が挙げられます。
参考文献
株式会社ツムラ .“ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
株式会社東洋薬行.“〔東洋〕当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1062_1_08/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
小太郎漢方製薬株式会社.“コタロー当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1038_1_14/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
更年期障害で当帰芍薬散(ツムラ当帰芍薬散料エキス顆粒Ⓡ️、『東洋』当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️、コタロー当帰芍薬散料エキス細粒Ⓡ️)の効果を教えてください。
更年期障害に伴う頭重、頭痛、めまい、肩こりなどの症状に対して効果が期待できるとされています。
当帰芍薬散の効果・効能として、
が挙げられます。
なお、薬の効果には個人差があり、十分な効果がない場合もあります。一般的には体力が弱く、貧血気味で少しむくみがあり、主に下半身の冷えを訴えている更年期の女性に対して有効と考えられています。
参考文献
日本産科婦人科学会.“更年期障害”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/,(参照 2024-06-24).
日本産科婦人科学会. 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023. 日本産科婦人科学会. 2023
株式会社ツムラ .“ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
株式会社東洋薬行.“〔東洋〕当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1062_1_08/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
小太郎漢方製薬株式会社.“コタロー当帰芍薬散料エキス細粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1038_1_14/?view=frame&style=XML&lang=ja,(参照 2024-06-24).
閉経時期が分かる計算方法はありますか?
閉経時期を正確に計算することはできません。
閉経時期を正確に計算することは困難でしょう。
更年期には以下のような経過をたどることが一般的であり、月経周期から自身がどのステージ(病気の進行具合を示す分類)にいるのかを判断することはできます。
更年期の一般的な経過(例)
①月経周期の乱れ
月経が1週間以上早くなったり遅くなったりします。出血量や月経の持続期間も変化します。月経が長引くこともあります。
②無月経期間の延長
徐々に月経が来なくなり、2ヶ月に一度、3ヶ月に一度と減っていきます。通常、数年間かけて頻度が減っていき、最終的に閉経となります。
なお、血液中のホルモン値を測定することもできますが、あくまで参考程度であり、閉経時期を算出することは難しいです。
閉経が早い人の特徴はありますか?
喫煙習慣のある方は閉経が早くなることがあります。また、病気が原因で閉経が早まることもあります。
閉経時期が平均よりも早い方の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
喫煙歴
喫煙者ほど卵巣機能が低下しやすく、閉経時期も早くなると考えられています。
家族歴
遺伝学的な要因もあると考えられており、ご家族の閉経時期が早い方ほど閉経時期が早くなる可能性があります。
治療歴
卵巣の切除や子宮の手術、骨盤領域への放射線療法や抗がん剤治療などによって卵巣機能が低下し、閉経時期が早くなる可能性があります。
その他(全身の病気など)
全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患などがある方は閉経が早い傾向があります。
更年期障害が起こる年齢はどのくらいですか?
更年期障害は40歳代半ば〜50歳代半ばにかけて見られることが多いですが、個人差があります。
日本人女性において、更年期障害は通常、40歳代半ば〜50歳代半ばにかけて起こることが多いです。
更年期とは閉経前後の約10年間を指します。この時期に起こるさまざまな症状を更年期症状、それに伴い日常生活に影響がある状態を更年期障害と呼びます。
日本人の平均的な閉経時期は50歳~50歳代前半とされており、更年期障害は40歳代半ば〜50歳代半ばにかけて認めることが多いでしょう。
一方で、閉経時期は個人差が大きく、40歳代前半で閉経になる方もいれば50歳代後半で閉経になる方もいます。そのような場合には、更年期症状の出現時期も閉経時期に合わせて前後することとなります。
男性にも更年期障害は見られますか?
40代以降で女性の更年期障害に似た症状や、性欲の低下などを生じることがあります。
「男性の更年期障害」に明確な定義はありませんが、40代~60代にかけて、女性の更年期障害と似たような症状や性欲の低下、ED(勃起障害/勃起不全)を生じることがあります。それらの症状が、仕事など社会活動に支障をきたすことも報告されており、治療によるサポートが有効な場合があります。
原因としては、ストレスやうつ病などの病気のほか、加齢に伴う男性ホルモンの低下によって性機能の低下を含めたさまざまな症状を起こすLOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)の場合があります。
どのような女性が更年期障害になりやすいですか?
心理的・社会的ストレスが関係するため、真面目・神経質・完璧主義な性格や家庭、仕事などでストレスを抱えていると更年期障害を起こしやすいです。
更年期障害は、加齢に伴う女性ホルモンの産生低下が主な原因とされています。更年期の女性は誰でも症状を感じる可能性がありますが、実際には症状を強く感じる女性とあまり感じない女性がいます。真面目・神経質・完璧主義といった性格的な要素や環境、精神的なストレスなどが複合的に発症に関わっていると考えられています。
更年期障害について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「更年期障害」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- イライラする感じがありますか?
- ほてり・のぼせ・発汗がありますか?
- 頭痛がありますか?あるいは頭が重いですか?
- 疲れやすさを感じていますか?
- 体のだるさはありますか?
更年期障害に関連する病気・症状
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この記事の監修医師
金沢 誠司 先生
産婦人科・産科・婦人科
産婦人科専門医・医学博士。新潟大学医学部卒、東北大学大学院修了。 国立成育医療研究センター等の高度周産期施設で胎児診療や臨床研究に従事したのち、Ubie株式会社にて医療AI開発を通じた医療のDX化を推進。 現在は、臨床の最前線で胎児超音波や出生前診断を専門としつつ、これまでの臨床知見とAI開発経験を融合。女性がライフスタイルに合わせて健康をデザインする「マタニティ・ストラテジスト」として活動。全女性が根拠ある医療情報を手にし、戦略的に体調を管理するためのメディア [Platform Women's](https://platform-womens.jp/) を主宰している。
- 更新日
- 2026/06/12
- 公開日
- 2020/09/03