夜間多尿で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

治療効果が不良な場合は、生活習慣や心臓病・腎臓病などの原因を再評価し、各専門医での治療を考慮します。

夜間多尿の治療は、まず行動療法(生活習慣の改善)を徹底し、その後に薬物療法(主にデスモプレシン)を検討するのが一般的な流れです。薬が効かない(治療に抵抗性がある)場合、原因となっている病態が複雑であるか、デスモプレシン以外の要因が強く関与していると考えられます。そのため、薬が効かない場合の対策として、以下の点を確認し、次のステップに進む必要があります。

行動療法と服用方法の見直し

治療薬(デスモプレシンなど)の服用を続けている間も、生活習慣の改善(行動療法)は継続することが推奨されています。

  • 水分・塩分摂取量の再確認:これらが夜間多尿の大きな原因です。そのため、1日の水分摂取量(特に就寝前の水分摂取量)が過剰ではないか、夕方以降のアルコールやカフェインを摂取していないか、そして塩分制限が徹底できているかを再確認します。
  • むくみ対策:日中に足などに溜まった水分が夜間尿として排出されている可能性があるので、弾性ストッキングや弾性包帯を足から膝あたりまで着用していただくことや、夕方の下肢挙上、軽い運動などをお勧めします。
  • デスモプレシンの服用確認:デスモプレシンは口腔内崩壊錠(OD錠)の場合、水なしで服用しているか、また、就寝前にきちんと排尿しているかなど、正しい服用方法が守られているか確認を行います。

原因となっている全身疾患の再評価と専門医への紹介

夜間多尿の治療薬や行動療法を行っても症状が改善しない場合、夜間多尿の背後に隠れている全身性の病気の可能性を疑い、専門医に詳しく診てもらうことが重要です。以下の病気が疑われる場合は、それぞれの専門医への紹介を考慮します。

  • 循環器系の病気(心臓や血管の病気):心不全や、夜間の血圧コントロールが不十分な高血圧が原因となっていることがあります。血液検査で心不全のマーカー(BNP)が高い場合は、循環器専門医の診察が必要です。逆に心不全や高血圧に対する利尿薬や降圧薬(カルシウム拮抗薬など)が夜間多尿を悪化させている可能性も稀にあります。その場合は、医師と相談して服薬時間やお薬の種類を調整することが有効な場合があります。
  • 慢性腎臓病:腎臓の機能低下が関与している可能性があり、腎臓内科との連携が重要になります。
  • 睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠を妨げる病気が、尿量を増やすホルモンを分泌させている場合があります。睡眠障害が疑われる場合は、睡眠障害の診療に詳しい専門医や呼吸器内科、耳鼻咽喉科との連携が重要になります。
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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