肺炎球菌肺炎はどのように診断しますか?
問診、診察所見、血液検査、胸部X線所見を総合的に判断し、さらに喀痰培養、抗原検査などで原因菌を推定・同定します。
肺炎球菌肺炎を含む肺炎の診断は、①まず肺炎であるかを診断し、②次にその原因菌が何かを特定する、という2つのステップで総合的に行われます。
ステップ1:「肺炎」の診断(臨床診断)
まず、症状と検査を組み合わせて「肺炎」が起きていることを確定させます。
問診・診察
医師が症状(突然の高熱、悪寒・戦慄、激しい咳、色のついた痰、胸痛、息苦しさなど)を確認し、胸の音を聴診します(肺炎に特徴的な水泡音(ラ音)などが聴こえるか)。
- 画像検査:胸部X線(レントゲン)検査を行い、肺に浸潤影(しんじゅんえい)と呼ばれる白い影があることを確認します。これが肺炎の確定診断に最も重要です(※X線でわかりにくい場合は、胸部CT検査でより詳細に確認することもあります)。
- 血液検査:白血球(WBC)の数やCRPといった炎症反応の数値が上昇しているかや、腎臓や肝臓などの機能の評価を確認します。
ステップ2:「肺炎球菌」の特定(原因菌診断)
ステップ1で肺炎と診断されたら、次にその原因が「肺炎球菌」であるかを特定します。適切な抗菌薬(抗生物質)を選ぶために極めて重要です。
迅速検査
- 尿中抗原検査:尿を用いて約15分で結果がわかる迅速検査で、最も広く用いられます。抗菌薬を使い始めたあとでも検出できるという大きな利点があります。
- 喀痰抗原検査:痰(たん)を用いた迅速検査も有用です。
喀痰検査
採取した痰(たん)を用いて、以下の検査を行います。
- グラム染色:痰を染色して顕微鏡で観察します。肺炎球菌に特徴的なグラム陽性双球菌という菌の形と、多数の白血球(好中球)が確認できれば、肺炎球菌肺炎である可能性が非常に高いと推定できます。
- 培養検査:痰に含まれる菌を培養(増殖)させて、肺炎球菌がいることを確定します。
血液培養検査
重症の場合や入院が必要な場合は、血液を採取して培養します。血液中から肺炎球菌が検出された場合(菌血症)、重症な肺炎球菌肺炎であると確定診断できます。
これらの検査結果、特に迅速検査やグラム染色の結果から、肺炎球菌肺炎の可能性が最も高いと推定された時点で、肺炎球菌に有効な抗菌薬による治療が開始されます。
その後、培養検査の結果が判明し、肺炎球菌が特定され、さらに薬剤感受性試験(どの抗菌薬が最も効くか)の結果がわかれば、それに基づいて最適な抗菌薬に変更します。
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最終更新日:
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
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