肺炎球菌肺炎の死亡率はどのくらいですか?
重症化しやすく予後は不良となる可能性があります。
肺炎球菌肺炎の死亡率は、患者さんの年齢、基礎疾患の有無、重症度(特に菌血症を伴うか)によって大きく変動しますが、重症化しやすいため注意が必要です。
肺炎は日本人の死因の上位にあり、2022年の人口動態統計では死因の第5位です。市中肺炎(日常生活で感染する肺炎)全体の死亡率は報告によって異なりますが、約5%〜15%程度とされます。
一方、肺炎球菌肺炎は、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼ばれる重篤な状態(肺炎に加え、菌血症や髄膜炎などを合併した状態)になることがあり、この場合の死亡率は成人で15~20%、高齢者では30~40%に達することがあると報告されています。
肺炎球菌は、市中肺炎の中でも特に重症化・劇症化しやすい原因菌のひとつです。市中肺炎全体のデータでは、初期治療が失敗した場合(最初の抗菌薬が効かなかった場合)の死亡率は25%〜27%程度と高いことが報告されています。
このことからも、肺炎球菌肺炎が疑われる場合には、いかに迅速に適切な抗菌薬治療を開始できるかが、予後(回復の見込み)を左右するうえで非常に重要となります。
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京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
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