呼吸性アシドーシスにおける代償作用とはなんですか?
血液中のpHを保つために、急性期は血液の緩衝、慢性期は腎臓による酸の排泄が行われます。
呼吸性アシドーシス(PaCO₂上昇によるpH低下)に対する代償作用とは、身体が血液の酸性度(pH)を正常に近い状態に保とうとする働きを指します。
急性期の代償(緩衝)
急性にPaCO₂が上昇した場合、体はすぐに以下のような作用でpHの低下を防ごうとします。
- 赤血球内でCO₂と水から生成された水素イオン(H+)は、主にヘモグロビンに結合することで緩衝されます。
- この反応の結果、赤血球内から重炭酸イオン(HCO₃-)が血液中に放出され、血清HCO₃-レベルがわずかに上昇します(急性アシドーシスではPaCO₂が10mmHg上昇するごとに、HCO₃-は約2〜5 mEq/L上昇)。
慢性期の代償(代謝性代償)
高二酸化炭素血症が数日〜数週間持続する慢性期になると、腎臓による代謝性の代償作用が発揮されます。
- 腎臓が酸の排泄を増加させ、これにより血漿中の重炭酸イオン(HCO₃-)濃度が上昇します。
- HCO₃-の上昇により、PaCO₂が上昇していてもpHは低めながらも正常範囲か、それに近い値に保たれます(pH 7.33〜7.35など)。この腎臓による代償が完了するには、通常3〜5日以上かかるとされています。


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京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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