呼吸性アシドーシスの場合、主にどのような治療をしますか?
原因疾患の特定と治療に加え、酸素投与と人工呼吸器による換気補助が中心となります。
急性呼吸不全を伴う呼吸性アシドーシスは、生命を脅かす可能性があるため、気道の確保、呼吸の補助(酸素投与および換気補助)を緊急で行いながら、根本的な原因を特定し、治療を進めることが重要です。
治療の主な要素
1. 原因疾患の治療
高二酸化炭素血症の原因となっている疾患を特定し、それに応じた治療を行います。
- 鎮静剤の過量摂取であれば、薬剤の消失を待つか、拮抗薬(適応がある場合)を使用します。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪であれば、気管支拡張薬やコルチコステロイド投与を行います。
- 低リン血症や低マグネシウム血症など、呼吸筋の弱化を招く代謝異常があれば、それを是正します。
2. 酸素投与
低酸素血症が認められる場合(経皮的酸素飽和度 [SpO₂] 90%未満など)は酸素を投与し、SpO₂を90〜93%の間に保つことを目標とします。COPD患者など、酸素によりCO₂上昇のリスクがある患者さんでは、酸素濃度を徐々に調整する慎重な投与が必要です。
3. 換気補助
重度の呼吸窮迫、または重度の急性呼吸性アシドーシス(pH7.3未満)があるなど、換気不全の程度に応じて換気補助を行います。
- 非侵襲的換気(NIV):マスクを通じて陽圧をかける方法で、COPD増悪や神経筋疾患による換気低下などに有効です。
- NIVが困難な場合や、重篤な意識障害がある場合は、気管挿管による侵襲的な機械換気が行われます。


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京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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