膠原病に伴う間質性肺疾患とは、なんですか?
膠原病が原因となって、肺の「間質」という部分に炎症が起きたり、線維がたまったりする病気です。
「間質性肺炎」とは、肺の中で「間質」とよばれる肺胞と肺胞の壁(肺胞壁)の部分に炎症が起こったり、線維がたまって(線維化)壁が厚くなったりすることで、体内に酸素を取り入れにくくなる病気です。間質性肺炎の原因には過敏症、薬剤、粉じんなどさまざまありますが、この中のひとつに「膠原病」があります。
膠原病では、本来は異物を排除するためにある免疫システムに異常が起こり、自己抗体(自分の臓器に反応してしまう抗体)ができることによって、さまざまな臓器に炎症を起こします。肺の間質に炎症が起こると、間質性肺炎を起こします。
タイプによっては治療をしなくても長期間安定している患者さんもいますが、進行していく場合には、早期には間質での炎症が主体で、徐々に線維化とそれにともなう肺の構造破壊が進行していくことが多いです。
膠原病の中でも、全身性強皮症や多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病などは間質性肺炎を合併しやすいと言われており、関節リウマチ、シェーグレン症候群などでも頻度は高くないものの合併することがあります。
初期には症状に気付かないことも多く、健診や定期受診の際の検査で初めて指摘されることも少なくありませんが、乾いた咳や息切れといった症状が現れて、徐々に進行していきます。膠原病そのものの治療の強化に加え、肺に対して線維化の進行を抑える薬などが使用されることもあります。
なお、膠原病の治療のために使用する薬剤が間質性肺炎の原因となることもあります。そのため、膠原病の方で間質性肺炎が起こった場合に、必ずしも膠原病そのものが原因となっているとは限らないことにも注意が必要です。
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最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
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