気管支喘息では肩で息をするようになると聞きますが、なぜですか?

気道が狭くなり、通常の呼吸だけでは空気を送り込めず、首や肩の筋肉を使うためとされています。

気管支喘息(きかんしぜんそく)の発作時にみられる「肩で息をする」状態は、狭くなった気道に空気を通すため、普段より多くの筋肉を使って呼吸しているサインです。呼吸が苦しくなっている可能性があるため、注意が必要です。

気管支喘息で肩で息をするのはなぜ?

安静時の呼吸は、主に横隔膜(おうかくまく)や肋骨の間にある筋肉によって行われます。気管支喘息の発作で気道が狭くなると、空気を出し入れするために必要な力が大きくなります。
そのため、首、肩、胸などにある「呼吸補助筋(こきゅうほじょきん)」も使って呼吸するようになります。外から見ると肩が大きく上下するため、「肩で息をしている」ように見えます。
喘息発作で入院した成人129人を対象とした研究では、呼吸補助筋の使用が1秒量の低下と関連していました(Arnold DH, et al. Am J Emerg Med. 2007)。呼吸補助筋の使用は、呼吸に強い負担がかかっていることを示す所見のひとつです。ただし、この所見だけで発作の重症度が決まるわけではありません。

気管支喘息で気道が狭くなるしくみ

気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して気道が敏感になって、発作的に狭くなることを繰り返す病気です。
気道が狭くなる主な仕組みは、次の3つです(小児慢性特定疾病情報センター)。

  • 気道平滑筋の収縮: 気道の壁にある筋肉が縮み、空気の通り道が細くなる
  • 気道粘膜の浮腫: 気道の内側の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなる
  • 気道分泌の亢進: 痰などの分泌物が増え、空気の通り道をふさぐ

これらが重なることで、特に息を吐き出しにくくなり、呼吸に大きな力が必要になります。

気管支喘息の症状

気管支喘息では、主に次のような症状がみられます(日本呼吸器学会)。

  • 発作的な咳や痰
  • 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴/ぜんめい)
  • 息苦しさ
  • 息を吐くのに時間がかかる
  • 胸苦しさや胸の圧迫感
  • 夜間や早朝に起こりやすい咳や息苦しさ

すべての症状が現れるとは限りません。また、重い発作では空気の出入りが極端に少なくなり、喘鳴が弱くなったり聞こえなくなったりすることがあります。音がしなくなったから改善したとは限らないため、注意が必要です。

肩で息をしていると発作が重い?

発作の程度は、呼吸困難の程度によって次のように評価されます。

  • 軽度(小発作): 苦しいが横になれる
  • 中等度(中発作): 苦しくて横になれない
  • 高度(大発作): 苦しくて動けない
  • 重篤: 呼吸音が弱くなる、チアノーゼが現れる、呼吸が止まる

肩を大きく動かして呼吸している状態は、呼吸に強い負担がかかっている可能性を示します。特に、肩で息をすることに加えて、会話が難しい、横になれない、顔色が悪いといった症状がある場合は、早急な治療が必要です。
「肩で息をする」状態は喘息だけで起こるものではありません。肺炎、心不全など、別の病気による呼吸困難でもみられるため、初めて現れた場合は原因を自己判断しないことが大切です。

気管支喘息の発作時の対応と治療

発作時には狭くなった気道を拡げる即効性の気管支拡張薬が使われ、ふだんの管理では気道の炎症をしずめる吸入ステロイド薬が中心になります(日本アレルギー学会・日本呼吸器学会)。肩で息をするような苦しさや、横になれない・話せないといった変化があるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

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(参考文献)

一般社団法人日本呼吸器学会『C-01 気管支ぜんそく(C. アレルギー性肺疾患)』https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
小児慢性特定疾病情報センター(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)『気管支喘息 概要』https://www.shouman.jp/disease/details/03_02_002/.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本アレルギー学会『成人のぜん息』アレルギーポータル https://allergyportal.jp/knowledge/adult-asthma/.(参照 2026-09-08).
Arnold DH, Gebretsadik T, Minton PA, Higgins S, Hartert TV. Clinical measures associated with FEV1 in persons with asthma requiring hospital admission. Am J Emerg Med. 2007;25(4):425-9.

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